【音楽とメンタルトレーニング】コロナ大流行の今だからこそ、日々を前向きに過ごそう

皆さん、こんにちは。ドイツ在住ピアニスト、ピアノ教育者、メンタルトレーニング研究・実践者の大木美穂です。

今、COVID-19というパンデミックが世界中に広がっていますね。日本も今コロナショックを受け、とても大変なときかと思います。ドイツでも3月半ばからすべての保育園、学校、大学が休講となり、スーパーや薬局などを除くほとんどすべてのお店が閉まっています。

外出規制がかかり、家で過ごす時間が増えた今だからこそ、終わりが見えないこの日々をなるべく前向きに過ごすために、音楽やメンタルトレーニングを活用した方法をお伝えしたいと思います。

家で音楽的かつクリエイティブに時間を過ごす方法3選

外出できないとなると、家にいることにストレスを感じたり、時間を無駄にしているように感じたりしてしまう方もいらっしゃるかと思います。ですがアイディア次第で、自宅での時間はいくらでも充実したものにすることができます。ここでは3つの方法を提案させていただきます。

1. 家でコンサートを聴く

インターネットの普及により、今の時代は自宅でもさまざまな音楽を聴くことができます。

コロナショックを受け、多くのコンサートがキャンセルになってしまいましたが、一部のアーティストやオーケストラは、観客なしでコンサートをし、そのようすをストリーミングするという粋な取り組みをしています。

ドイツのベルリンを拠点とする世界最高峰オーケストラのひとつ、ベルリンフィルハーモニーは先日、観客なしのコンサートをし、そのようすをデジタルコンサートホール(ベルリン・フィルの映像配信サービス)にて無料ライブ配信しました。

https://twitter.com/miho324/status/1238041457119956992

Youtubeなどで過去のさまざまなコンサート録音も聴けますが、オンラインでもLIVEで聴けると格段と臨場感がありますよね。

私も、まるでベルリンフィル内にいるような不思議な感覚に包まれ、演奏後の静寂もとても感慨深く感じられました。

ちなみにベルリンフィルが閉まっている間、デジタルコンサートホールは、しばらく無料開放し続けるようです。インターネット対応テレビ、スマートホン、タブレット、パソコン等の機器で、ベルリン・フィルの演奏が聴けます。音質も映像も演奏も本当に高品質で、本当におすすめです。

2. オンラインで音楽や語学のレッスンを受ける

現在は、インターネットを介して音楽や語学のレッスンを受けられるさまざまなオンラインサービスも普及してきました。私も今回のコロナショックとそれに伴う保育園と学校閉鎖を受け、ドイツのハレ市で普段やっているピアノレッスンをオンラインに切り替えました。

これまでオンラインでのピアノレッスンには少し抵抗があったのですが、やってみてびっくり。SkypeやZoomを利用して、思った以上にスムーズに、ストレスフリーにできます。もちろん生のレッスンと100%同じではないし、両方ともメリットもあればデメリットもあるかなと思います。

もちろん音楽のレッスンだけでなく、語学レッスンもオンラインでできますよね。実は私も去年より、東京在住の音楽高校生に「音楽ドイツ語レッスン」なるものを始めました。

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メンタルトレーニングの個人セッションをさせていただいている音楽高校の学生さんに、先月からドイツ語のレッスンをさせていただいてます。名付けて「音楽ドイツ語レッスン」。ドイツの文法基本から、音楽のレッスンでよく出てくる単語など、なるべくドイツに来たときに使えるように…と、レッスンを考えるのがとても楽しいです。#ドイツ語 #オンラインレッスン #音楽 #音楽用語 #ドイツ語で楽典 #楽典 #使えるドイツ語 #ドイツ #留学 #マスタークラス #言語 #スカイプでレッスン #文法 #純粋に楽しい #幸せ #☺️ 気づいたら私もドイツ語始めて13年目。気づいたら趣味が仕事になってる。笑 #🎼 #🇩🇪

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また私自身、『italki』というオンライン語学学習サービスを使って定期的に語学のレッスンを受けています(最後にまた少し詳しく書かせていただきますね)。個人レッスンなので、ニーズに合わせてレッスンをカスタマイズできるのが嬉しいですよね。

3. 音楽についての本を読む

定番といったら定番ですが、家に居られるとなったらもうこれは、本を読まない手はないですね。私も日々の忙しさに追われて買っていたのに読めていなかった本を、少しずつ読んでいこうと思っています。

最近は、海外の良書の多くは日本でも読める時代になってきました。音楽家のメンタルトレーニング 関連で日本語で読める書籍はまだまだ少ないですが、ここ数年で日本語訳され出版された以下の2冊がおすすめです。

成功する音楽家の新習慣 練習・本番・身体の戦略的ガイド
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エフォートレス・マスタリー ~あなたの内なる音楽を解放する~
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不安と上手に付き合うためのメンタルトレーニングテクニック3選

1. 瞑想・マインドフルネス

事態の終わりが見えず、不安になったりストレスを感じることもあるかと思います(過去に、音楽家のためのストレスマネジメントについての記事を書いていますのでこちらもご覧ください)。

不安を感じたときやストレスを感じたときにおすすめしたいのは、瞑想をすること。瞑想とは、静かに自身の内面と向き合うことです。

瞑想する時間がもったいない……と感じる人も多いかもしれません。しかし多くの研究から、瞑想がストレス軽減させることや、集中力を高め仕事の効率も上げることなどが分かっています。

一日10分でもいいんです。また、家事などの作業をしながらでも、意識を内にフォーカスすることでマインドフルな状態(“今ここ”にただ集中している心の状態)を作り出すことも可能です。

何から始めたらいいの? という方には、『BALANCE(バランス)』というアプリがおすすめ。瞑想の時間やレベル(初心者から上級者まで対応)、そして今必要としているものまでパーソナライズしてくれます。しかも今、コロナショックを受けてなんと1年間のサブスクリプションが無料に。ありがたいですね。

瞑想アプリ『BALANCE』のWebサイトのスクリーンショット

また、SNSやニュースをチェックする前にも、マインドフルに今の心の状態をチェックすることをおすすめします。

https://twitter.com/miho324/status/1244232857930924032

2. ビジュアライゼーション

ビジュアライゼーションとは、想像力を使って、具体的な情景、場面、気持ちなどをイメージするメンタルトレーニングの手法です。

なかなか外に出られない今だからこそ、森の中、海辺、公園、ガーデンなど、リラックスできる情景をイメージすることが効果的です。ご自分の好きなイメージで構いません。その後さらにイメージを深めて、まるで自分がその場所にいるかのように、五感にまで働きかけましょう。聞こえる音、空気感や温度感、風、香りなどを感じてみるのです。

初めは慣れが必要ですが、まずは一日5分、リラックス情景をイメージすることから始めてください。やがて自分の必要なタイミングで、自ら「リラックスした状態」を作り出すことができるようになります。

3. 自己効力感を高める

先が見えずに気が滅入ってしまうときや不安を感じるときは、自己効力感をあげるという手もあります。

自己効力感、もしくはセルフ・エフィカシー(self-efficacy)は、「自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できると、自分の可能性を認知していること」を指します。

数々の音楽家のあがり症についての研究からも、あがり症と自己効力感の関係性がわかっています。つまり、人は、自己効力感が弱いと不安を感じやすい生き物なのです。

それでは、自己効力感を上げるにはどうしたらよいか。たとえば次のような方法があります。

  • 目標や計画を立ててそれを遂行する
  • その日に達成したこと・学んだこと・成長したことを振り返る
  • 自分を自分のまま受け入れる
  • ポジティブなセルフトーク(アフォメーションといいます)を使う

ポイントは、実現可能な目標や計画を立てること。そして、達成したときに自分を褒めることです。こうした小さな積み重ねが、自己効力感を上げていきます。

ちなみに私もときどきTwitterで、#今日の積み上げ というハッシュタグをつけて、その日達成したいことや達成したことをツイートしています。

https://twitter.com/miho324/status/1241621737500028929

また、「私は私のままでよい」「私を愛している」「私はやればできる」など、自分を自分のまま受け入れ、愛し、信じるポジティブなセルフトークを日頃から言い聞かせることで、自己効力感を少しずつ高めることもできます。

本当の意味で「備える」ということ

今回これだけ大きなパンデミックが流行し、経験のない事態に大きな不安を感じている人も多いかと思います。そこで私がおすすめしたいのは、ワーストケースシナリオを想定して、冷静にそれに備えるということ。

不安に感じるのであれば、その不安がどこからくるのか、分析してみる。そして不安に思っている対象やシナリオが、

  1. 自分にコントロールできることなのか(それに備えられるか)
  2. 自分にはコントロールできないことなのか(コントロール不可、かつ準備不可)

どちらなのかを、考えてみる。

1であればしっかりと準備し、できる対策をすればよいし、2であれば不安に思っても仕方ないと割り切れるかもしれません。もちろんそう簡単に割り切れないこともありますが、冷静に分析することで少なくとも「わけのわからない不安」から解放されやすくなります。

具体例として、私自身の話をします。まず5月に自身の出演するコンサートが予定されていたほか、今年は博士課程でのメンタルトレーニング研究の最終年ということもあって、6月に『TEDx Talks』への出演、8月にはヘルシンキで開催予定の世界音楽教育大会での研究発表が予定されていました。

これらのイベントはすべて、中止されるか延期されるのか、はたまたそれまでにCOVID-19が奇跡的に収まり予定通り開催されるのか、今のところまだ何も決まっていません。

どれもしっかりと準備して臨みたいものばかりなので、開催されるのか? 逆に、開催されないと思っていて急に開催されたら? と不安になったときは、次のように考えます。

  1. 自分にコントロールできること → しっかり準備することは、コントロール可。今できること(開催された場合に備えた準備)をする。
  2. 自分にはコントロールできないこと → どれも自分は主催者ではないので、開催されるかどうかは私でなく主催者が決めること。ここでヤキモキしても仕方がない。

と、いうふうに。

もっと身近な例でいうと、買い占めによって生活必需品が買えなくなる不安、都市部ロックダウンへの不安などがあるかと思います。これもできるだけパニックになることなく冷静に備えましょう。

恐れから行動すると、人は冷静さを失いがちです。

自分は何を恐れているのか?と問いかけてみる。そしてスーパーで一気に買い込むよりも、なるべく空いている時間に少しずつ買って集めておいたり、ネットで生活必需品を調達したりするほうがよいかと思います。

家でゆったりクリエイティブに過ごして、少しでも多くの人類を救おう

コンサートがキャンセルになったり、卒業式が延期になったりと、やるせない気持ちで過ごしている音楽家や音楽学生、音楽ファンの方も多いと思います。その他にも、早く外に出たい、早く気の置けない友人と語りたいと感じることもあるでしょう。

ただ今は、できる限り人が多いところに行ったりせずに、なるべく家か、人が多くないところでゆったり過ごしましょう

私も引き続き、家族時間を楽しみながら、これまで忙しいことを理由にしばらく連絡をとれていなかった友人に連絡をとったり、家でピアノを練習したり、オンラインでピアノレッスンしたり、オンラインで語学レッスンを受けたり、家でワークアウトしたり、記事を書いたりしながら、今だからこそできることを見つけていきます。

https://twitter.com/miho324/status/1240754432452722689

みなさん、一緒に家でできることをクリエイティブに考えて、この時を乗り越えましょう。

おまけ:おすすめの語学学習サービス

オンライン語学レッスンに関しては、本文でもご紹介した『italki』というアプリがおすすめです。

語学学習マニアの私が色んなサイトを比較していく中で見つけたサービスで、おすすめの点として、次の3点があります。

  1. 月額料金などがなく、受けたい分だけクレジットを買う形なので、自分のペースで進められる
  2. プロフェッショナルな先生からカジュアルなトーク中心の先生まで、幅が広く、気軽に学習しやすい
  3. 先生が自分で料金設定をしており、レッスンする側・受ける側にフェアなシステム

また、先生によってはネイティブスピーカーでも30分4ドル(約450円)や60分8ドル(約900円)と、とってもリーズナブルな値段でレッスンを提供してくれている先生たちも見つけられます。さらに期間限定で、こちらから20ドル分のクレジットを買うと初回に限り10ドルがプレゼントされます。

これを機に、英語を学習し直したり気になっていた言語をネイティブスピーカーの先生から習ってみてはいかがでしょうか。

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大木 美穂
栃木県出身。3歳からピアノを始める。2010年、横浜国立大学音楽教育課程在学中に日本政府より奨学金給付を受け、ドイツ、エアフルト大学に一年間留学。2013年よりドイツ、ハレ在住。2017年、マルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルク器楽教育ピアノ修士課程を最高得点で修了。2019年よりエアフルト大学にて音楽教育科にてピアノとアンサンブルの授業を受けもち、後進の指導をしている。現在、ザクセン・アンハルト州より研究奨学金を受け、ハレ大学博士課程にて、スポーツ心理学を応用した音楽家のためのメンタルトレーニングについて研究中。ピアノ演奏、研究、ピアノ指導のかたわら、ドイツ語翻訳及び通訳、メンタルトレーニングコンサルタントをおこなっている。