ちょっと蒸す日曜日の午後、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。最近はオレンジティーやピーチティーをきんきんに冷やして飲んでいます。冬は暖かく、夏は冷たく。紅茶の飲み方ひとつをとっても「季節を楽しむって本当に楽しいものだなあ」とつくづく感じます。
さて、前回は印象主義を代表する人物としてドビュッシーの名曲を紹介しましたが、今回は彼と同時代を生きたふたりの作曲家に焦点を当てましょう。
計算しつくされた美を作ったラヴェル
モーリス・ラヴェル(1875〜1937)は、ドビュッシーと比べるとずっと形式的で、どちらかというと古典主義に近いように思われます。旋律もはっきりしており、響きのニュアンスを重視したドビュッシーとはやはりかなり違う作風。
延々と2種類のメロディが繰り返されるバレエ音楽『ボレロ』の独自性は有名で、映画やドラマなどでもよく使用されています(話変わっちゃいますが、映画『のだめカンタービレ』のボレロのシーンはたまに見たくなります笑)。そのほか、『展覧会の絵』のオーケストレーションでもよく知られていますね。
「夜のガスパール」から『スカルボ』
この曲は、アロイジュス・ベルトランという19世紀初めに活躍した詩人の遺作の中から、「オンディーヌ」「絞首台」「スカルボ」という幻想的な(奇怪とも言えるような)3つの散文詩を選び曲をつけたものです。
スカルボとは、夜の世界を象徴する「地の精」のことだそう。同音連打が印象的で、スペインふうのモティーフがエキゾチックな全体的に妖艶な雰囲気を出しているように感じます。超絶技巧の求められる難曲なので、そういう意味でも聞き応えがある曲ですね。
“音楽会の異端児” サティ
一方で、ある意味ドビュッシー以上に独自の世界を持っていたエリック・サティ(1866〜1925年)の存在も重要です。サティの革新的な作曲は、ラヴェルにも、ドビュッシーにも多大な影響を与えました。
サティは自分の作品全体の傾向を “家具の音楽” と称したと言われており、「客の邪魔にならない、家具のように存在している音楽」を目指しました。主に酒場を演奏活動の場としていた彼にとって、それは非常に重要なことだったそうです。
いわゆる「イージーリスニング」のはしりとも言えるサティの音楽は、さまざまなアレンジで楽しまれています。
グノシエンヌ Harp Ver.
サティの音楽はハープカバーにぴったりのものばかり…。曲全体が持つ幻想的な雰囲気が、ハープの透明感のある響きと相性が良いのですよね。
ところで、先日COSMUSICAが開催した『3時のおやつコンサート』はドビュッシー、ラヴェルなどフランスの楽曲尽くしでお届けしました。前回・今回の話題とリンクする部分も多いのでダイジェスト映像を最後に貼っておきますね!
次回はどんな「主義」が登場するでしょうか? ぜひ、お楽しみに♪
ノリコ・ニョキニョキ
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