ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756〜91年)。神童、天才、変わり者…彼を形容する言葉はいろいろありますが、その作品の完成度や美しさに疑いを持つ人はいません。
モーツァルトは幼少期から父親であるレオポルトから英才教育を受けており、6歳という若さから世界各地をまわり最新の音楽を吸収しながら天賦(てんぷ)の才を育てました。23歳までの17年間のうち、ほぼ9年間を旅空の下で暮らしたと言われています。
そんなモーツァルトが残した名作は数知れずという感じですがここではオペラ『フィガロの結婚』(1786年)からいくつかの楽曲を紹介します。
フィガロの結婚
序曲
聞けばすぐにわかる“あの曲”。華やかで、かつ良い意味でキャッチーなこちらの楽曲は大変人気で、序曲のみで演奏されることもしばしばあります。これから繰り広げられるドラマへの想像力を掻き立てられますよね。
ストーリー(超簡略):召使フィガロのおかげで幸せに結婚したにもかかわらず、フィガロの許嫁である小間使いスザンナに浮気しようとする伯爵を、フィガロとスザンナ、そして伯爵夫人とでこらしめるお話
まあ、高尚的か世俗的かといったら明らかに後者ですよね(笑)。ですが、ある意味人間にとって永遠のテーマである恋や愛に関するさまざまな感情を見事に多様な音楽で表現していて、決して陳腐な愛憎劇に収まるものではありません。
「恋とはどんなものかしら」
これが恋なのかわからないと苦悩する小姓のケルビーノが歌います。
熱望に満ちた 愛情を感じ それは、今、喜びになるかと思えば 次の瞬間には、苦悩となるのです。
(略)
誰がそれを手にしていて それが、どんなものであるか解らないのです。
なんだかかわいいですね。個人的には初恋のとき、これが恋だってすぐわかりましたけどね! ただこのケルビーノは、この歌詞だけ見ると非常にピュアに見えますけれど実のところ割と誰でも好きになっちゃう思春期真っ只中なボーイなので悪しからず。
「楽しい思い出はどこへ」
伯爵はスザンナへのアタックを続けます。そんな中伯爵夫人が、歌うのがこちらの曲です。
どこにあるのかしら、あの美しい日々、甘く楽しかった日々は?
(略)
涙と苦しみの中で、私にとって全てが変わってしまったのに、なぜあの幸せな私の胸から去らないのでしょう?
うーん、西○カナさんが真っ先に思い浮かんだ。いかに恋が人間にとって普遍のテーマかわかるというもの。
ほかにも、恋を知った女の歓びを歌う『愛の歓びよ、早く』や、女心がわからず苛立つフィガロの『男たちよ、目を開けよ』など、恋をする男女なら多くの人が感じるであろう心情が次々とアリアとなって出てきます。難しい前知識がなくても人生経験からそのまま楽しめてしまうのである意味究極のクラシック入門かもしれません。
今日はちょっと普段と毛色の違う回になりましたが楽しかったですね!
ところでくどいようなんですがこの連載の趣旨は、紅茶が大好きな私の趣味を全面に出して、休日の15:00に紅茶とお菓子を嗜みながらクラシック入門しちゃおうというものです。
で、先日アフタヌーンティーリビングという喫茶へ行った際に(超がつく常連です)、こんな商品を見つけました。
7種類のティーバッグが入っていて、一週間毎日違う紅茶を楽しめるというもの。本型になっていて、見た目にもかわいいのでギフト向きです。
誰かにあげるか、自分で楽しむか、考え切らないままとりあえず買ってきてしまいました。なのでとりあえずここで紹介しておきます。
では来週もまた日曜日にお目にかかりましょう♪
ノリコ・ニョキニョキ
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