みなさん、お元気ですか。
最近、時折春らしい気候の日がありますね。先日は春一番が吹いたかと思いきや、翌日からはめっきりと冷え込んでしまいましたが…。なんにせよ、毎年春の訪れの気配というのはわくわくするものです。
さて今日は、19世紀から20世紀にかけて、イタリア・オペラを完成させた2人のオペラ作家を取り上げます。その2人とは…そう、ヴェルディとプッチーニです。
ヴェルディ
イタリア・オペラの巨匠ジェゼッペ・ヴェルディ(1813〜1901年)の創作した27曲のオペラの大半が、いまでも頻繁に上演されています。1871年に初演された『アイーダ』は自他共に認める彼の最高傑作で、ファラオ時代のエジプトとエチオピア、2つの国に引裂かれた男女の悲恋を描いています。
「凱旋の合唱」の前に流れる行進曲はそれ単体でもあまりに有名。アイーダ・トランペットという、なんとこの曲でしかほぼほぼ活躍の機会のないトランペットが用いられています。
『アイーダ』より「凱旋の合唱」
プッチーニ
ジャコモ・プッチーニ(1858〜1924年)は、『ボエーム』『トスカ』『蝶々夫人』『トゥーランドット』など傑作オペラを多数生み出しました。
書籍『一年でクラシック通になる』(著:山本一太)によれば、「ヴェルディが『機能和声』から逸脱することがほとんどなかったのに対し、プッチーニの和声は大胆で、格段に近代的」とのこと。伝統的なイタリア・オペラを重んじながらも、同時代の作家であるマーラーやドビュッシーのような洗練された響きを生み出しました。
『トスカ』より、「歌に生き、愛に生き」
『トスカ』は、画家カヴァラドッシと、その恋人で有名歌手のトスカの物語。トスカは死刑宣告を受けたカヴァラドッシを助けるため奮闘する折、警視総監であるスカルピアを殺してしまい、カヴァラドッシもついには処刑され、絶望したトスカも後を追って自害するという悲劇中の悲劇です。
この歌は、「カヴァラドッシを救いたければ体を差し出すように」とスカルピアに迫られた際、トスカが神に助けを求めて祈るシーンで歌われます。まさに絶望的なシーンであるにもかかわらず、美しい旋律と和声には心打たれるものがあります。
こんなに悲しくて美しい曲が書けるなんて、作曲家たちは一体どんな人生経験を重ねていたんだろうと疑問です。きっと感受性が豊かで、感情の機微にも敏感で、それらを音の粒に落とし込んでいく、作曲とはそんな作業だったのかもしれないですね。
来週は雰囲気をかえて、フランスロマン派の音楽を紹介する予定です。どうぞお楽しみに♪
ノリコ・ニョキニョキ
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