みなさんこんにちは!
音楽史を追いながら名曲を紹介していくこの連載。3回にわたってじっくりとバロック時代を概観してきましたが、今日はついにドイツ音楽を見ていきたいと思います。
ご紹介したい作曲家・名曲は数多くあるのですが、すでにバロック特集もだいぶ引き伸ばしていますし、今日はもう素直にヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685〜1750)の楽曲を聴いていきましょう♪ 音楽の父とまで称されるバッハですが、生前は作曲家としてよりもオルガンの演奏家として知られており、死後も急速に忘れられていったと言います。そして1829年、メンデルスゾーンによる『マタイ受難曲』のベルリン公演をきっかけに再び高く評価されたということです。
マタイ受難曲
『マタイ受難曲』(1727年)はバッハの、そして教会音楽の代表作といっても良い一作。新約聖書「マタイによる福音書」のキリストの受難をテーマにした音楽作品で、
- レチタティーヴォで語る部分
- 四声部による「コラール」
- 前にレチタティーヴォを置いた「アリア」
の3つの形式が交替しながら進行していくという特徴があります。
第 1 部
管弦楽と合唱が二手に分かれて演奏する壮大な幕開けから、イエスが捕まえられるシーンまでが第一部。最後の晩さんでイエスが「この中に私を裏切る者がいる」と言ったのに対し、ユダを除く11人の弟子が「それは私ですか」と返すシーンなどは印象的です。
第 2 部
イエスが裁判にかけられ、ユダが裏切りを悔いて自殺します。判決を言い渡されイエスが鞭打たれるシーンは音楽的にも生々しく描かれ、その後十字架にかけられたイエスはヘブライ語で「Eli, eli, lama sabachthani(神よ、なぜ私を見捨てるのですか)」とつぶやき亡くなります。最後は墓に封印され、終結合唱「われらは涙流してひざまずき」で幕を閉じます。
いきなり重たい楽曲になってしまいましたが、次はこちらを聞きましょう。
6つのパルティータより『第4番』
6つのパルティータは舞曲を集めた組曲で、それぞれフランスやイタリアなどのアルマンドやサラバンド、ジーグといった舞曲で構成されています。本来チェンバロで演奏されるものですが現代ではピアノで演奏されることも多いです。
それにしてもどんな偉人にも家族がいて、苦難があり、喜びもあり、自分と同じように試行錯誤しながら人生を歩んだのかと思うと不思議な感覚です。突然余談ですが、バッハの生まれたドイツのアイゼナハという町には、バッハの一族が80名ほどがいて同姓同名の人もいたらしく、そのことがバッハ史の研究を難しくしているんだそうですよ。
さて、この連載は長すぎず短すぎずが自分の中でのセカンドテーマなのでこのあたりで切り上げたいのですが、急ぐ必要もありませんので次回もバッハもしくはバロックを取り上げる予定です。最近急に冷え込んできていますので、みなさん暖かくしてお過ごしくださいね。それではまた来週!
ノリコ・ニョキニョキ
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