みなさまこんにちは。梅雨らしく涼しい日も多いですが、これが明けると今年もやはり猛暑なのでしょうか? 不安とともに、ちょっと楽しみでもある今日この頃。夏はぜひお気に入りの紅茶をアイスティーにしてさっぱりといただきたいですね。
さて、音楽史の話題はいよいよ20世紀へ。この時代に入ると、一定の様式や流派にのっとらず、さまざまな「主義」が乱立するようになります。たとえばドビュッシーが代表する「印象主義」、ストラヴィンスキーやバルトークの「原始主義」、スクリャービンの「神秘主義」、シェーンベルクやヴェーベルン、ベルクの「十二音主義」、プーランクらの「新古典主義」など本当に多様です。
今回からはこういった主義別に名曲を取り上げていきたいと思います。なお、現代音楽についてはyuccaさんの連載「ちょい聴きから始める現代音楽」もぜひあわせてご覧ください^^
印象主義-ドビュッシー
「印象派」とは、フランス近代絵画からきた用語で、具体的にはモネの描いた『印象−日の出』に由来するものです。どうやら当時はよくない意味で呼ばれていたようですが、従来のように作者の内面を表現するのではなく、外から受けた刺激を作曲者が音として表現しているという点においてはまさに「印象派」という言葉はぴったりに思えます。
フランスのクロード・ドビュッシー(1862〜1918年)が書いた『牧神の午後への前奏曲』は印象派音楽の幕開けを飾る曲と言われています。ドビュッシーの音楽はみなさん聴いたことがあると思いますが、いわゆる形式的な構造よりも、そのときそのときの響きやニュアンスを大事にしているのが伝わってきますよね。
『海 – 管弦楽のための3つの交響的素描』
海の情景を表現した標題音楽で、ドビュッシーの最高傑作、そして近代音楽史における重要な作品のひとつに数えられています。私見ですが、これまでの音楽は形式などの音楽的知識や、その作曲家の半生や精神的な状況を知ることでより一層理解が深まるという側面も大きかったように思います。ですがドビュッシーの音楽、たとえばこちらの曲であれば誰もが自分の中にある「海」のイメージと照らし合わせてみるだけで情景が浮かんでくるという性質があり、だからこそ初学者でも比較的すんなり没入できるのかなと。
「ベルガマスク組曲」から『月の光』
ドビュッシーはピアノ曲も大変有名です。ピアノを習っていた人なら子供ながらにドビュッシーの音色のおしゃれさにときめいたという思い出もあるのではないでしょうか。
と、言いながらハープ版を貼り付ける私なのであった。ドビュッシーの音楽、とってもハープに合うんです。アラベスクなどもとてもハープ向きですばらしい演奏がたくさんあるので興味があったらぜひ調べてみてください(別の機会に記事でも取り上げますね!)。
しっとりした今日の雰囲気にもぴったり。ぜひ午後のティータイムのおともにしていただければと思います。
ノリコ・ニョキニョキ
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