今週もおけいこ道のお時間がやってまいりました。ヴァイオリン弾きの卑弥呼こと原田真帆がお送りいたします。
今日は「本番で着るドレスを選ぶとき」に考えることを書いてみます。
まずはTPO
その本番の雰囲気に合わせて、ほかの出演者と同じくらいのテンションの衣装だと、間違いないですよね。様子がわからないときは、過去の経験者にたずねてみたり、同じ本番に出る人に何を着るか相談してみると安心です。
内輪でのおさらい会ならワンピースで済むこともありますし、着替えスペースの有無なども関わってきます。またみんなドレスなのにひとりワンピースだと自分のメンタル的につらいところ。
室内楽や合奏などは、共演者と同系色でそろえるのか、色がかぶらないようにするか、「ドレスコード」を確認します。
傾向がわかったら…
衣装の傾向をしぼれたら、曲の雰囲気やイメージに合わせてチョイス。
たとえば「カルメン」を始めとするスペイン系の曲を弾くときは、黒か赤などのフラメンコに使われそうな色がぴったり。一方で、そういった曲をパステルカラーで弾くのは、あまりイメージに合っていない気がします。
人間は視覚からの情報が 9 割近いと言われていますので、見た目にこだわることもひとつ大切な演出かなぁと思うのです。
加えて気をつけたいのが、肌の露出度。特にお子さんの場合は、襟ぐりの空き具合や肩紐の太さなどで調整したいところです。とっても若い子があまりに大人っぽいデザインを着るのは、ちょっと“はしたない”の領域になってきますので、ご注意を…。
ドレスの人が大勢いるとき
コンクールでは、なるべく人とかぶりたくないですよね。ドレス屋さんが限られる以上、かぶるのは仕方のないことではありますが、たとえばすっごくピンクが多い中で自分もピンクのドレスだった、という事態になると、なんとなく人の印象にも残りにくい気がします。
まぁそんなことは、うまく弾けばなんでもいいのですが、珍しい色を選んでみたり、すこし人と違うデザインを選んでみたりして、ドレスかぶりの危険性にあらがっていくことはできます。
似合うものを知ろう
周りと同化するか、差別化するか、という視点で書きましたが、何より自分に似合うデザインに勝るものはありません。身長やスタイル、肩幅や首の長さで、似合う形は変わってきます。よく似合うものを着れば、人々の中に紛れていても良い意味でよく目立ち、姿が印象に残る奏者になります。
演奏家は印象に残ったもの勝ち。もちろん奇抜な衣装で「悪目立ち」するのは空気を壊します。でもドレスコードを押さえた上ですてきに目立つなら、オッケー!
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