今週もおけいこ道のお時間がやってまいりました。ヴァイオリン弾きの卑弥呼こと原田真帆がお送りいたします。
本日は、イマドキの音楽家ならではの、デジタルの扱いについて考えてみたいと思います。
イマドキ=動画編集できて当たり前!?
国際コンクールに始まった、予備審査動画提出の流れは国内にも波及中。音声のみだと簡単に編集できてしまうということから、近年は音源審査にDVDを求められることが増えました。まぁ、プロに言わせれば、動画だって音はいくらでも編集できる、とのことなのですが…。
動画提出の際に出てくる問題が、動画の編集は少し難しいということ。近頃はスマートフォンもかなり画質の良い動画を撮れるようになって、中高生が日常的にアプリを使って動画のトリミングや繋ぎ合わせをおこなっていますが、ビデオカメラで撮ったものをパソコンに取り込んでDVDに焼く、という作業はまだ苦手な人のほうが多い印象です。
DVD作成に関しては外注できるサービスもありますが、海外に送るときはネットを介しての提出だったり、かと思えばCDで提出するときもあるので、動画ファイルから音声を抜き出すくらいまで自分でできれば早いです。
ところで最新の iPhone なら音源審査に耐えうる演奏動画を撮れるのでしょうか…もしスマホ一台でできるようになったら、これまでの動画のハードルが一気に下がる気がします。
音楽ストリーミングサービス
先日わたしがびっくりした、レッスンでの先生との会話をご紹介します。
先生「この曲、オレの録音聴いた?」
卑弥呼「えっ、ごめんなさい、録音あるの知りませんでした!」
先生「Spotify で聴けるよ」
卑弥呼「(=゚ω゚) ナンダッテ??」
自分はデジタルに強いほうだし、新規サービスへの登録も早いほう、だなんてと思っていたのですが、とんだ思い上がりでした。そのときわたしはまだ「Spotify」に登録すらしていなかったのですから。
「Spotify」とは…
音楽のストリーミング配信サービス。2016 年現在、1 億人を超えるユーザーをかかえる世界最大手。日本では 2016 年 9 月にサービスが開始された。−引用:Wikipedia
スマホでもパソコンでもなんでも、世の中の CD が聴ける&ダウンロードできるサービスなのですが、「Spotify」がすごいのは広告さえ我慢できるならずっと無料で使えるのです。
まぁ知らないわけですわ、「日本では 2016 年 9 月にサービスが開始された」のですから…その頃わたしは留学生活始まりたてでバタバタしていました。
一方、わたしが暮らし始めた地イギリスでは 2009 年から使えるようになったとのことで、実にこの差 7 年。2009 年はわたしが高校に入った年だなぁ、まだだれもスマホなんて持っていませんでしたね…。
レッスンから帰ったその晩、わたしは早速我が iPhone に Spotify アプリをダウンロード、利用登録をして、我が師匠をお気に入りアーティストに登録しました。
もちろん教わった曲を聴きましたが、そのあとで別のお気に入りアーティストも見つけて、音源を聴ける喜びに浸ってしまい、ちょっと浮気したような後ろめたさを感じました。浮気したことありませんけども、きっとたぶんこんな気持ちなんじゃないかしら…。
日本はデジタル化遅め??
日本ではあまり知られていませんが、欧米人ってものすごくデジタルに強いのです。ロンドンだと、どこの宿に行っても真っ先に wi-fi のパスワードを教えてくれるし、学校のレポートで手書きなんてありえません。先日はけっこうおばあちゃんに近い英語の先生に、どうやって Word でレポートを作るのか習いました。
王立音楽院では全員に Word・Excel・PowerPoint などの Microsoft Office のソフトを無償配布していますし、日々の授業のスケジュールや練習室予約はすべてクラウド管理です。
さて、イマドキの親御さんは、わたしたちの両親よりも若いのでデジタルに明るいと思いますが、今日のこのコラムで、わからない言葉はありましたか? もし不明な単語があったら、お子さんに聞かれる前に、レッツ検索です!
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