進め! ヴァイオリンおけいこ道 第17回「分数楽器の寝かせ方」

今週もおけいこ道のお時間がやってまいりました。ヴァイオリン弾きの卑弥呼こと原田真帆がお送りいたします。

今回のテーマは、しばらく弾かない楽器を、おうちで管理する場合のお話。特に分数楽器は、お宅で眠っていませんか?

大人になるまでに…

ヴァイオリンはだいたい 1/10 サイズの楽器から始めることが多いと言われていますが、そこから 1/8・1/4・1/2・3/4 そして 4/4 と、フルサイズの楽器になるまでに 5 つの楽器と関わります。またフルサイズになってからも、ランクアップすることがあれば、それまでの楽器はしばらく弾かないことになります。

そういった楽器を手放すか、手元に置くかは、状況によって本当にいろいろなケースがあるので、今回はその思考回路は割愛して、どうやって保管するか、ということに焦点を当ててみます。

楽器は弾かれたほうがいい

分数楽器と言えど、弾きこめば音が育っていくもの。つまり、しまっておくよりは、弾いたほうがいいわけです。また弾き続けることで、楽器本体の状態も保たれるとか。

でも、もう弾かないサイズの楽器を手元に残したい場合はどうしたら? もし門下生やお知り合いでそのサイズを求めている方がいたら、ぜひ貸してあげてください。反対に、サイズアップするときに、どなたか貸してくださる方を探すこともアリです。

okeiko17_2

貸したい場合も、借りたい場合も、習っている先生のお耳に入れておくと良いでしょう。楽器探しは先生との二人三脚、先生の記憶の引き出しにストックしておいていただけば、いい縁組をしてもらえるでしょう。

なお楽器をお借りして返すときは、キレイにしてからお返しするのがマナーです。工房で調整をしてもらって、同時にプロの手で磨いてもらえば確実。できたら弓の毛替えもしたいですね。地方にお住いで、そういったことが難しい場合は、クリーナーなどを使って(そこは通販でがんばってください)、誠心誠意ていねいにお掃除しましょう。

弾けずにしまっておくときは

とはいえ、弾き手がなく、しばらく楽器を寝かせることになったら、ぜひ、いえ、必ず環境を整えましょう。

まず、直射日光は言わずもがなNGです。また高温多湿も避けましょう。特に湿気は楽器には嬉しくありません。また極度の乾燥や避けたいので、暖房器具の近くはよくありません。寒い地域では冷えすぎにも注意です。

そして温度湿度の次に気にしたいのが、虫喰い。実はヴァイオリンという楽器は「虫喰い以外の傷・損傷は直せる」と言われるほど虫が大敵。良質な木材を使用しているため、虫さんには格好の獲物です。定期的に楽器ケースを開けて、楽器の様子をのぞいてください。とはいえ、タンスの防虫剤を入れるのはやめましょう。

本当に一番良い楽器の保存法は、温度湿度の整ったところで、むき出しで、渦巻きのところでバーに引っ掛けておくスタイルらしいのですが一般家庭では難しい方法です。ですが気候には注意して、ときおり風を通していれば、まず大丈夫と思われます。

保存。

保存。

一方弓ですが、毛替えしてすぐの場合は、松ヤニは塗らないまま保存します。または、もう長く弾かないとわかっている場合は、弓の毛を根本と先で切っておくと良いそうです。

わたしは弓の毛をそのままにしていたら、3/4 の楽器の弓の毛を虫さんに食べられてしまいました。毛の中腹を横断して食べたようで、ある日久しぶりにケースの蓋を開けたら毛がだらりと垂れてきてたいそう驚きました。まぁ弓の毛を食べられても害はありませんが…ちなみに「弓の毛を食べる虫」と「楽器を食べる虫」は違うようです。

ここ数年、わたしは小学校などで演奏する機会をいただいたときに、途中で分数楽器によるデモンストレーションをおこなっているので、懐かしい 1/4 の楽器をたまに弾いています。久しぶりに小さな楽器を見ると当時のことが思い出されて、何だか分数楽器がとても愛おしく感じられます。


*PR*
「進め! ヴァイオリンおけいこ道
あどゔぁんす」
おけいこ会員絶賛募集中

月額500円で、より深く本音を語った会員限定記事が読めます!
会員登録はこちら↓からどうぞ

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください