日曜日の午後…。この優雅で至福の時間をみなさんはどのようにしてお過ごしでしょうか?
この連載は、忙しい毎日の中でちょっと心の余裕を持てる「日曜日の午後」(仮にそれが人によっては日曜日の午後ではないとしても)を、クラシックを楽しむ時間に充ててみてはどうだろうかという趣旨のもと、いろいろな名曲をご紹介していくというものです。
私自身、クラシック特化Webメディアを運営する身でありながらクラシック音楽についてはまあまあ疎く…(汗)。ぜひみなさんと一緒に勉強していきたいなと考えておりますので、この連載は一種のレポートのようなものだと思っていただければ幸いです。
さて、早速今週の楽曲を紹介したいと思いますが、一応年代を追う形で取り上げていきたいと思いますので、今日は中世の音楽から見ていきましょう。
中世の音楽
音楽史概観
中世というとだいぶ幅があるのですが、大きく言うと5・6世紀〜1450年までが中世です。
記録のある限りで、いわゆる“最初の音楽”は「グレゴリオ聖歌」だと言われています。これはローマ・カトリック教会の典礼で歌われるもの。キリスト教の伝播(でんぱ)に伴って各地に広がりました。
1150年頃以降は、単旋律による世俗歌曲が栄えて、ヨーロッパ各地で吟遊詩人が活躍しました。吟遊詩人と言っても、ゲームに出てくるようなものとは違って、その多くが騎士階級または貴族階級の人だったんだとか。
その後、それまで単旋律だった聖歌に加え、多声音楽が生まれました。代表的なものに、パリのノートル・ダム寺院を中心に展開された「オルガヌム」というものがあります。
14世紀のフランスは、「アルス・ノヴァ」(新しい技法という意)の音楽が発展し、作曲家のギョーム・ド・マショーが史上初の通作ミサ『ノートルダム・ミサ』を作ったことで有名です。その頃イタリアは、『神曲』のダンテや『デカメロン』のボッカチオが活躍。盲目のオルガン奏者フランチェスコ・ランディーニらがさまざまな世俗歌曲を作曲しました。
中世の音楽は厳密に再現することができないので雰囲気を楽しむにとどまりますが、ここで1235年頃〜1285年頃に活躍した中世フランスの吟遊詩人・劇作家であるアダン・ド・ラ・アルの作品を紹介します。
『Se li maus c’amours envoie』
『Qui a droit veut amours servir』
個人の感想ですが、和声的な部分が削ぎ落とされている分、流れるような旋律が心地よく入ってくるなあと思いました。
次回はルネサンスの歴史を概観したのち、また参考となりそうなものを紹介します。ではまた、日曜日の午後にお会いしましょう😊
ノリコ・ニョキニョキ
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