ベルリン便りVol.3 〜オーケストラアカデミーとは〜

みなさん、こんにちは。あきこ@ベルリンです。
ベルリンはここ数日で大分気温が下がり、9月に入る前に既に冬の気配が漂っています。

さて、夏の終わりと共に、ドイツのオーケストラもシーズンインです。オーケストラにもよりますが、大体、7月にシーズンが終わり、7月下旬から8月にかけて、1ヶ月強どーんとまとまって休暇があります。私がアカデミー生として所属しているベルリン・ドイツオペラも、7月上旬にシーズンが終わり、8月最終週くらいからリハーサルが始まります。

そういうわけで、日本の夏休みの間は、こちらのプロのオーケストラの演奏会はほとんどありません。演奏会をメインの目的として旅行をお考えの方は、7月中旬までか8月下旬以降にいらっしゃることをオススメします。

オーケストラアカデミーって?

前述の通り、私は今、大学で修士課程をやる傍ら、ベルリン・ドイツオペラでアカデミー生として活動しています。

ドイツのプロオーケストラは、後進育成に比較的力を入れており、オーケストラアカデミーを設置したり、プラクティクム(実習)ができるようになっていたりしています。この2つ、名前は違いますが、内容はほぼ同じなので、以下はアカデミーとしてご紹介します。

オーケストラアカデミーは、少しインターンシップのような面があり、実習生はオーケストラで正団員と同じように活動します。違いといえば、雇用形態が違うことと、仕事の量が正団員の3分の1から半分くらいなだけで、団員さんと一緒にリハーサルや演奏会をこなしていきます。そして、お給料も少しいただけます。(これ重要)

また、大体パートの首席か首席代行の方が面倒を見て下さり、次にオーケストラでやる曲やオーディションの準備などのレッスンをしていただけます。

さらに、オーケストラによっては、アカデミー生によるコンサートを開催しているところもあり、それに出演するのも義務づけられています。

このようにオーケストラアカデミーとは、プロのお仕事を経験しつつ、レッスンで学ぶこともでき、お金も稼げる…という、プロの奏者を目指す若者にとってはとても有難い制度なのです。

アカデミーをやるメリットは?

13978272_1148642695192049_1516893919_o ベルリン・ドイツオペラの正面入口。

上記のようなメリットがあるとはいえ、学生の本業はあくまで大学での学び。アカデミーに時間を取られて、本業がおろそかになっては…というご意見があるのも、ごもっとも。現に私も、昨シーズンからベルリン・ドイツオペラのアカデミー生となったのですが、そちらに集中するために大学を一年間休学しました。

将来オーケストラ奏者を目指す身としては、本場を知り経験値を積むのは非常に重要なこと。特に今までオペラを演奏する機会はなかなかなかったので、学ぶことが多いです。

また、オーケストラアカデミーの経験の有無は、直接的にキャリアに影響してくることがあるのです。というのも、こちらのオーケストラは、アカデミー生にしろ正団員にしろ、オーディションをやる際に履歴書などによる書類選考をおこなうことがほとんどです。書類選考を通過し、オーディションへの招待をいただくためには、ある程度めぼしい履歴を持っていると良いのです。

アカデミー生として…

13987691_1148495875206731_1573164562_o 増える楽譜たち。オペラは長いので、ヴィオラパートの譜面が1作品100ページを超えることも。

一見、とても魅力的に見えるオーケストラアカデミー。しかし、アカデミー生としての責任はかなりのもの。

演奏会の際にお客さんから誰がアカデミー生だと分かることはほとんどないので、オーケストラの質を落としてはいけませんし、団員さんと同じレベルが容赦なく求められます。

短期間、少ないリハーサルで団員さんのレベルに付いていかなければならないので、なかなか大変ですが、周りの方々と上手く調和して、オーケストラの一員として弾けたときの達成感は格別です。


今回は、オーケストラアカデミーについて大まかなところをご紹介しました。ちなみに、日本のオーケストラでは、NHK交響楽団がオーケストラアカデミーを設置しています。また、桐朋学園音楽部門にも、オーケストラ奏者を要請する専門の教育・研究機関としてのオーケストラアカデミーがあります。

次回は、どうやってオーケストラアカデミーに入るか、オーディション等についてご紹介したいと思います!

それでは!

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あきこ@シュトゥットガルト

5歳よりヴァイオリンを、13歳よりヴィオラを始める。東京藝術大学卒業、ベルリン芸術大学修士課程卒業。ベルリン・ドイツオペラのアカデミーを経て、現在はシュトゥットガルト・フィルハーモニー管弦楽団に在籍。