みなさん、こんにちは。連載コラムでは少々お久しぶりな、あきこです。
3 月もまもなく終わろうとしていますが、実は私、先週までベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団の日本ツアーに賛助出演しておりました。これからこのコラムで、今回のオーケストラツアーについてご紹介していきたいと思います。
ツアー参加に至るまで
私は以前、ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団のアカデミー生のオーディションを受けており、受かりはしなかったものの 2 番手だったので、これまで時々エキストラ(賛助)として出演させていただいていました。昨年3月、このオーケストラが日本でツアーをおこなうことが決まり、ひとり正団員の方でどうしてもいけないという方がいらしたので、もし良かったらどう? とお誘いをいただいたのでした。
お話をいただいたときには嬉しくて飛び跳ねてしまいそうだったのですが、その時点ではまだいろいろと不確かなことが多くて諸手を挙げて喜ぶこともできず。その後、昨年 7 月中旬にほぼ正式に参加できることになり、さまざまな手続きを経て(その度に本当に参加できるのか心配になりながらも)、今年の 2 月末にリハーサルが始まり、どうやら正式に参加できそうだ、ということになったのでした。
楽しいけれど過酷? オーケストラツアーのスケジュール
今回は、16 日間で 2 ヶ国 10 公演という非常にハードなスケジュールでした。意外と空いている日が多いように見えますが、それらはほぼすべて移動日でした。具体的にはこんな感じです。
ツアースケジュール
2 月 28 日 ~ 3 月 8 日 リハーサル@ベルリン
3 月 3 , 4 , 5 日 公演@ベルリン
3 月 10 日 ドイツ発
3 月 11 日 日本着、ホテルへ移動
3 月 12 日 休み(時差調整のため)
3 月 13 日 公演@東京
3 月 14 日 公演@群馬(東京からバス、片道 2 時間半)
3 月 15 日 公演@福島(東京から新幹線、片道 2 時間半)
3 月 16 日 早朝に飛行機で福井へ→夜公演
3 月 17 日 移動日(福井→浜松)
3 月 18 日 公演@横浜(浜松から新幹線、1 時間半 × 2 )
3 月 19 日 公演@大阪(浜松から新幹線、1 時間半 × 2 )
3 月 20 日 公演@名古屋(浜松から新幹線、30 分)→東京へ移動(約 2 時間)
3 月 21 日 公演@東京
3 月 22 日 公演@東京
3 月 23 日 移動日(東京→ソウル)
3 月 24 日 公演@ソウル
3 月 25 日 ドイツへ帰国
ちなみに、公演の前には毎回 1 時間半弱のリハーサルをおこなっていました。
ツアー期間中、日本のカレンダーで 3 連休を含んでいたためにホテルが取れなかったようで、横浜・大阪・名古屋での公演の際の宿泊地はまさかの浜松。とにかく毎日移動だらけでした。これに加えて、駅からホールだったり、東京内でもホテルからホールもすべてバス移動…。いろいろな方とお話できるのは楽しいのですが、始終狭い空間に閉じ込められている圧迫感は少しつらいものがありました(強制ではないので、自腹で電車で行くことも可能でしたが…)。
オーケストラツアーの規模って?
オーケストラのツアーというと、大所帯でただ移動をして演奏会を開いているように見えますが、実態はそれだけではありません。
コンツェルトハウス管弦楽団のツアーブログによると、今回参加した演奏者は 103 人だったそうです(うち日本人 5 人)。プログラムのメインとなる交響曲を 2 曲用意しており(マーラーの交響曲第 1 番・第 5 番)、そもそも編成が大きい 2 曲だったのですが、これらの管楽器奏者を入れ替えていたこともあって、100 人超えしたようです(注:このように大きな曲を連日首席で吹くことは負担が大きいため、1 番のための首席、5 番のための首席がそれぞれ参加しています)。
さらに事務局や広報の方々を入れると、110 人は超えていたことになります。そんな我々のために予約したホテルの客室数はなんと 440 室! ちなみに、すべて個室でした…!
前述のようにひたすら移動が多かった今回のツアーですが、なんと、バス・電車・飛行機での総移動時間は 70 時間にも及んでいたそうです。また、我々とは別便で、車や飛行機で演奏会の都度運送されていた荷物(楽器や衣装、楽譜、CD など)は全部で 5548 kg もあったそう。
次回は移動時の様子や裏側小話などもご紹介していきたいと思います!
…が、その前に。
本日(2017/4/2)21時より、E テレ「クラシック音楽館」にて、ツアー初日、3 月 13 日にすみだトリフォニーホールでおこなわれた演奏会が放送されます! プログラムは以下の通りです。
1. ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」から『前奏曲とイゾルデの愛の死』
2. マーラー:交響曲第 5 番 嬰ハ短調
管弦楽 : ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団
指揮 : エリアフ・インバル
みなさま、ぜひご覧くださいませ!!
あきこ@シュトゥットガルト
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大阪シンフォニーホールの後皆さんバスに急がれていたのは浜松に戻るためだったのですね。その中でもサインや写真に応じてくれた日下さんの神対応、すごい!
>Koji Miyakeさま
コメントをいただきありがとうございます!
そうですね、移動があったのもありますが、みなさん基本的には素早くバスに乗り込んでいらっしゃいました。少しでも隙間時間でコーヒーを飲んだり買い物をされたりしたかったのでしょう…。