こんにちは。ウィーンに留学中のヴァイオリニストのハルカです♪
海外の演奏会をレポートしていく連載「World Concert Tour」、今回はウィーンの楽友協会、ブラームスザールで開催されたチェリストのゴーティエ・カプソンのコンサートをレポートしたいと思います。
楽友協会の小ホール「ブラームス・ザール」
会場は、世界中から著名な音楽家が演奏に訪れる楽友協会(Wiener Musikverein)。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地であり、毎年元旦にテレビ中継されるウィーンフィルのニューイヤーコンサートで有名な大ホール「黄金のホール」を有する場でもあります。
今回はチェロとピアノのコンサートなので、ブラームス・ザール(Brahms-saal)と名付けられた小さなホールでのコンサートでした。ここではブラームスがよく初演をおこなっていたそうです。ちなみにザールとは、ドイツ語でホールを意味します。
簡単すぎるチケット購入に感動
ここに演奏を聴きにくるときはいつも、当日に購入できる立ち見席(7ユーロ=およそ1000円)を窓口で買っていたのですが、今回はなんと言っても大好きなチェリスト、ゴーティエ・カプソンの演奏会。集中して聴きたい!ということで、初めてインターネットで事前にチケットを購入しました。
「ドイツ語で理解できるかな…」「見えづらい席だったらどうしよう…」と心配ばかりでしたが、いざサイトを開くと説明は日本語表記で見ることができ(各種言語に対応)、座席も3D座席表なるもので確認ができて、カード決算後のメールを当日窓口に提示すればチケットを発行してもらえるという簡単なステップでした(※事前に無料会員登録が必要ですが、手順は簡単です)。
コンサートの前に
コートや楽器などの大きい荷物がある方は80セント(約100円)でクロークに預け、引換券をもらいます。
喉が渇いたり小腹がすいたりしていたら、バーカウンターでお酒や軽食がとれます。ウィーン名物のザッハトルテやアプフェルシュトゥルーデル(薄い生地で包まれたアップルパイのようなもの)もそろっていました。
ドア入口でプログラム(2.6ユーロ=約300円)を購入しました。ドイツ語ですが、安いので記念に購入するのもよいと思います。
バルコニー席から堪能
今回購入したのは2階のバルコニー席です。
あたりを見まわすと、大ホール「黄金のホール」にも見劣りしないほどの装飾や建築が楽しめます。「ブラームス・ザール」と言われるだけあってブラームスの胸像も発見。
そしていよいよ開演しました。こじんまりしたホールなので音色もダイレクトに伝わるも心地よい響きに包まれ、奏者の顔もはっきり見れる距離感です。
プログラムは、ベートーヴェン作曲のチェロ・ソナタ2番、4番、5番、『魔笛』の主題による7つの変奏曲。全体を通してピアニストとの掛け合いが絶妙で、まるでピアノとチェロの会話を聞いているようでした。
中でも印象に残ったのは、最後の変奏曲です。オペラ『魔笛』はご存じの通りモーツァルトの作曲した名オペラですが、ベートーヴェンはこれが大のお気に入りだったそうです。歌い上げるチェロを聴いているとまるでオペラを聴いているようで、ロマンチックな情景が浮かびあがってくるようでした。
観客の拍手に応えてアンコールも2曲弾いてくださいました。ベートーヴェンの生きた街で、大好きなゴーティエのオール・ベートーヴェンプログラムを聴くことができるなんて…と二重の幸せを噛みしめながら夢中で拍手を送りました。
告知なしのサイン会にびっくり
終演後、ゴーティエ氏を一目見ることはできないかな…なんて思っていると、なんと目の前からゴーティエ氏が歩いてきました! 驚いて身動きがとれずにいると、CD購入者にロビーでサイン会をするとのこと。
事前に公表されているものではなかったので、ロビーでたむろしていた人や、私のように出待ちをしようとしていた人しか残っておらず、少人数に向けての実施でした。
サインをしていただいたあと少しお話もでき、写真まで撮ってもらえるというぜい沢を存分に味わうことができました。ヨーロッパのコンサートでは、なかなかサイン会が開催されないのでとてもラッキーだったと思います。
以上、ウィーンからの演奏会レポートでした。本物の芸術を感じるために全世界から観光客が訪れるウィーン。毎日オペラやコンサートが開催されているので、これからもレポートしていきたいと思います!
月元 悠
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