みなさんこんにちは! FF14プレイヤー兼ハープ普及委員会(仮)のLena(れな)と申します。
…いや、いきなりFF14と言われても…? という方へ。FF14は、かの有名なファイナルファンタジーシリーズに名を連ねるオンラインゲームで、なんと世界で1000万人以上のプレイヤーがいるそうですよ。最近ですとGLAYのTERUさんがえらくハマって某サーバーが大盛り上がりしていることも(界隈では)話題です…。TwitterのLenaアカウントから来てくださった方は、どうも、いつもお世話になっております。
さて、このようにファン層の厚いFF14ですので、ユーザーたちのバックグラウンドもさまざま。ゲーム専用のTwitterアカウントを持つ方も多く、イラストやマンガのとても上手な方、ゲーム内の料理を再現している方、コスプレイヤーさんなどさまざまな才能を持った方が活動・交流されているんです。
私はと言いますと、ハープを勉強している身ということで、時折FF14の楽曲を演奏してTwitterにアップしています。やはりハープは珍しいのか多くの方に見ていただく機会に恵まれまして、「そうだ! FF14の名曲を通してハープの魅力、おもしろさをもっと広めることができるのではないか?」と思い立ち、この連載を始めることとなった次第です。
この連載では、毎回FF14にまつわる楽曲をひとつ取り上げ、ハープの奏法や仕組みを少しずつお伝えしていけたらと思います。万が一ハープをお持ちの方は、ぜひ日ごろの練習にも役立てていただけましたら幸いです。
※1:どなたが読んでも楽しめるように心がけるつもりではおりますが、細かい部分でFF14プレイヤーにしか伝わらない表現も出てくるかもしれません(いわゆる内輪ネタ)。意味わからないよと思われましたら恐縮ですが、スルーしてください。
※2:このシリーズは初級レベルの楽典知識を前提に書き進めていきます。これまたよくわからない箇所はスルーでお願いいたします。
ファイナルファンタジーといったら…
前置きが長くなってしまいましたが、記念すべき第一回に取り上げたいのは『プレリュード』です。……確かにFF14の曲というわけではないのですが(初回から趣旨ずれ)、「ハープ+ファイナルファンタジー」といったらもうプレリュードは外せないので不可抗力ということで。
シリーズを通して愛用されているプレリュードなのでさまざまなバージョンがあるのですが、今日は簡単に弾ける冒頭のフレーズだけを練習してみたいと思います。
記事用 pic.twitter.com/znmpWHFwCX
— Lena Aliapoh@Titan (@LenaAliapoh) 2017年9月13日
これだけ。ドレミソドレミソドレミソ…言ってしまえばただの音階なのに、どうしてこんなにファンタジックなのでしょうか。この動きは、ハープにおいて大事な「4本の指を均等に使う」練習にぴったり。「音の粒をそろえる」なんて表現しますが、4本の指をすべて均等な音量で鳴らせるようにすること、上りと下りで同じ速度を保つことは意外と簡単なことではありません(現にガタガタですみません)。
ということでまずは、ハープにおける正しい指のポジションを学びましょう!
4本指の正しいポジション
ハープを演奏する際は、親指から薬指までの4本を使います。小指は一生使うことはありませんのでピアニストと違いどんどん退化していきますよ。指番号は親指から1、2、3、4で呼びます。
弦に指を置く際は、まず親指を立ててから、
残りの3本をスッと差し入れます。自然に!
このスッと差し入れるのが妙に難しいんですよね。小指は、最初はどうしても力んでしまうのですが頑張って存在を忘れてください。悪い例としては、次のように手首をかえしてしまったり、
関節に力が入ってしまったり…などがあります。
関節や手首はなるべくぷら~んとさせておいてくださいね(それがなぜか難しい)。ちなみに弦はドレミファソラシドの順番で並んでいて、赤い弦がドで青い弦がファです。
弦を弾(はじ)いてみよう
では、弾(はじ)いていきます。4の指から一本ずつ手のひらに収納していくイメージです。最後は親指もしっかりと閉じてグーの形になります。コツは、1~3の指でしっかりと弦をつかんでおくこと。この3本を支えにして薬指を弾(はじ)くのです。
記事用 pic.twitter.com/ivFuTnrpTv
— Lena Aliapoh@Titan (@LenaAliapoh) 2017年9月13日
多くの人は薬指を使い慣れていませんので、初めは3本で練習するのが良いと思います。
ハープを弾くときは、このように弾く音以外の音も準備しておくという特徴があります。一本ずつ弾いていくことはありません。たとえばド・ミ・ソ・ド(4・3・2・1)と弾くときは当然として、ド・ソ・ミ・ド(4・2・3・1)と弾くときすらはじめに4つの指を準備するんです!
記事用 pic.twitter.com/VegKO3EJiS
— Lena Aliapoh@Titan (@LenaAliapoh) 2017年9月13日
このような弾き方を「組みかえる」と呼んでいるのですが、ハーピストは基礎練習でいろいろな組みかえを練習しています。その訓練をすると、通称 “指の分離” ができるようになり、要するに他の指の動きにつられなくなるということです。すると速いパッセージにも対応できるんですよ。
クラシックの譜例で恐縮ですがたとえばアッセルマンというハーピストの書いたメヌエットの一部はこんな感じですが
組みかえで弾きます。薬指(4の指)の音がメロディになっていて他の音は飾りです。ハープあるあるの表現です。
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— Lena Aliapoh@Titan (@LenaAliapoh) 2017年9月13日
※あんまり弾けてない。
さて、話がそれましたが、下りもやはり4本の指を準備してから親指から順に弾(はじ)いていきます。最後にグーの形になっているか確認してください。左右交互に弾くとプレリュードの冒頭部分になります! …ただこの曲って、シンプルだからこそ、音のムラが目立ってしまい、かえって難曲なんですよね。見て、聞いて、(雰囲気だけ)感じていく方針でお願いします。
グランドハープ&レバーハープ
曲の話は以上になりますが、今後の連載のためにここでちょっと「グランドハープ」と「レバーハープ」の違いについてお話させてください。
まずグランドハープとは、オーケストラにのっている大きなハープのこと。機種によって多少変わりますが、高さはおよそ190cm、重さは40kg前後ある大型楽器です(ちなみに弦は47本)。足元には7本のペダルがついており、それぞれに音が対応しています。写真を見ていただくとわかるのですが、2段階踏み込めるようになっており、ひとつ踏むと「ナチュラル」、下まで踏み込むと「シャープ」になります。
レバーハープとは、小型~中型のハープのこと。ペダルはついておらず、かわりに上部にレバーがついています。膝のりのサイズのハープをサウルハープ、中型のものをアイリッシュ(ケルティック)ハープと言ったりします。レバーを上げ下げすることで、半音あげたりさげたりすることができます。グランドハープに比べるとずっと手に入りやすい金額であるため、まずはレバーハープから始めるという方もかなりいらっしゃいます。
連載では間口を広げるために、なるべくレバーハープでも再現できる部分を取り上げていく予定でおります。グランドハープでしか弾けないときはそのように注意書きをします。今日紹介したプレリュードの冒頭部分はレバーハープでも弾けますよ!
この記事をきっかけに一人でも多くの方がハープに興味を持ってくださいますように…! 質問などあればいつでもTwitterにリプを飛ばしてくださいね。
交響組曲エオルゼアに行く前に…
さらに、来週末にはFF14のオーケストラコンサート「交響組曲エオルゼア」が開催されますね! もしかしたら「オーケストラを聴きにいくのは初めて…」という方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方はぜひ、こちらのオーケストラ入門記事を読んでみてください! どれも短いのですぐに読めます。ちょっとした知識ですが、知っているか知らないかでは楽しみ方もいくぶんか変わってくると思います…!
▶︎【超入門】オーケストラ奏者はひな壇芸人だった!?【オーケストラ】
▶︎【超入門】オーケストラの中の人を大解剖! 弦楽器編【オーケストラ】
▶︎【超入門】オーケストラの中の人を大解剖! 管打楽器編【オーケストラ】
ちなみに東フィルのハープ奏者さんは田島緑さんと宮原真弓さんです。さすがに2台編成ということはないと思いますが、ハープはゲーム音楽にすごく映えるので楽しみですね(とか言って乗ってなかったら泣きます)。
というわけで今回はこのへんで。この連載は月1程度に更新していく予定ですので次回お目にかかるのは秋も深まる10月です。次回の曲ももう決めてありますからね! どうぞお楽しみに〜♪
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