音楽×アロマというテーマで、私の感じた“曲の香り”を紹介していくこちらの連載。第4回は、華やかで甘い“ジャスミン”の香りに合わせた音楽をご紹介します☆
「夜の女王」の香り
ジャスミンの精油は、前回ご紹介したローズと同じくとても高価なもの。ローズが「芳香の女王」と呼ばれるのに対しジャスミンは「夜の女王」と呼ばれています。ジャスミンの花の原産地はインドや東南アジアとされていますが、その魅力的な香りからあっという間に広まっていき、既に古代エジプトでも栽培されていたようです。
ジャスミンといえば、世界三大美女のひとり・クレオパトラが愛した香りとしても有名です♡ クレオパトラはこの香りを使って、古代ローマ帝国のジュリアス・シーザー(カエサル)などの英雄達を虜(とりこ)にした! という逸話が残っています。
さて、今日はまさにそのクレオパトラとジュリアス・シーザーを題材にしたヘンデルのオペラ≪エジプトのジュリオ・チェーザレ≫から、美しい一曲をご紹介いたします♪
♪『麗しい眼差しは』
これはオペラの第2幕 第1場で、エジプトの女王であるクレオパトラによって歌われます。クレオパトラが侍女にふんし、チェーザレ(イタリア語でシーザーのこと)を誘惑する、という甘美な場面です。
華やかな甘さのジャスミンの香りは、凛としたクレオパトラの中にある女性的な魅力がここぞとばかりに感じられるこの曲の美しさを、ぐっと引き立ててくれるはずです◎
この場面ではチェーザレを利用するために誘惑するのですが、お話が進むにつれて次第にそれは本物の愛へと変わっていきます。この結末を念頭に置きつつ、クレオパトラとチェーザレ、誘惑する側とされる側、どちらかの気持ちになって聴いてみて下さい^^
聴き比べもおススメ♪
この曲はヘンデルが作曲した当時に流行していた「A-B-A」の三部形式になっています。これは「ダ・カーポ・アリア」と呼ばれるもので、Bの部分が終わるとAのメロディーに戻ってくるというスタイルです。
その際、Aの演奏をただ繰り返すのではなく、その場で歌手が即興で装飾音をつけて歌う形が流行していました。そのため、戻ってきたAの演奏は人それぞれ違うので、いくつかの音源を聴き比べてみるのもおもしろいかもしれません♪
恐れや不安、悩みなどから心を解放し、自信を与えてくれる効果もあるといわれるジャスミンの香りは、美しいクラシック音楽と溶け合い、きっと特別な時間を演出してくれるはずです♡
※女性ホルモンに働きかける作用があるため、妊娠中の方は使用を控えてください。
次回はクレオパトラが愛したとされるもうひとつの香り、“イランイラン”と合わせた音楽をご紹介したいと思います。お楽しみに☆
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