もうすぐ4月ですね。このタイミングで何か新しいことを始めよう、そうだ楽器をやろう! という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今日はそんな方々に向けて、楽器上達のためのちょっとしたコツをお伝えしたいと思います♪ 楽器を始めたばかりのみなさま、早速一緒にチェックしていきましょう!
楽器上達のために…
まずは練習!
大前提として、どんなコツや方法論も、練習なくして生かすことはできません。
あるときある人が、通りがかりのルービンシュタイン(20世紀を代表する名ピアニスト)に「カーネギーホールにはどうやって行ったらいいですか」と道順を訪ねたところ、“Practice, practice, practice.”と答えられたという逸話もあるくらいです(カーネギーホールのホームページにも記載されています。英語ですが…)。
ただ、やみくもに練習してどんどん上達するかというとそんなこともないですよね。そんなとき少し意識しておくだけで結果が変わってきそうなポイントを、以降の項目で挙げてみたいと思います。
ゆっくり弾く、ゆっくり吹く
おそらく、楽器をやっている人であれば一度は言われたことがあるだろうセリフのひとつに「ゆっくり練習しましょう」というものがあります。めんどくさいですよね、わかります。私もそうだから…。
でもやっぱり“ゆっくり練習”が一番の近道なんですよね。3回速く弾くくらいなら、1回ゆっくり弾いた方がよっぽど意味がある、と言う人もいるくらいです。
“ゆっくり”の基準として、自分の脳が音符の隅々に気を配れる速度を意識してみましょう。ゆっくりで思うようにできたら、焦らず少しずつ早くしていきましょう。
何をどうしたいのかしっかり意識すること!
練習の目的は「それを意識しなくてもできるようになること」ですが、そのためにまず「しっかり意識して練習すること」が大事になってきます。
一度にたくさんのことをしようとするとどれも疎かになってしまうので、なるべく意識すべきことを最小単位にしていくのが重要なポイント。音程とフレージングと音の処理と指使いと……と、あれこれ気にしながらではなく、今何に気をつけたいのかをひとつに絞りましょう。一度に欲張らないことが大切です。
“意識的に”を何度も繰り返していくうちに、意識しなくてもできるようになっていきますよ!
上手な人の演奏を自分が演奏しているつもりで聴く
その人の手、腕がどういう感覚になっているだろうというのを想像しながら聴く、というか見るのはすごくおすすめです。
ミラーニューロンという言葉を聞いたことがありますか? ミラーニューロンとは、Wikipediaによると
霊長類などの高等動物の脳内で、自ら行動するときと、他の個体が行動するのを見ている状態の、両方で活動電位を発生させる神経細胞である
だそう。
………。まあよくわかりませんけども(笑)、とにかく、他人がしていることをまるで自分がしているかのように感じる細胞、ということです。
あと、私自身がレッスンをするようになってからとても実感するようになったのですが、音楽を人に伝えようと思ったとき、言葉を使って伝えられる情報量ってとてもとても少ないんですね。そこでどうするかというと、実演することでより多くのことを感じ取ってもらおうと考えます。もしレッスン中に先生が演奏し始めたら、音に集中するのはもちろんのこと、自分が演奏してるんだと思って観察(⁉︎)してみてください。
良い音楽をたくさん聴く&たくさん感動する
こちらも必須項目です。自分の中に良い音楽のストックがどれだけあるかで、使える引き出しの数も変わってきます。特に音楽表現においては自分の中に無いものは出せないので、日頃からたくさんの音楽に触れておくと良いと思います。もちろん私も日々勉強ですっ(笑)。
そしてああこの曲いいな、この演奏すてきだなと思ったら、なぜそう思ったのか、どのあたりが好きなのかを分析してみるのも、自分の演奏に取り入れる上で効果的です。
おわりに
考えることと感じること。何かを身につける上で、この2つのバランスはとても大切です。「考えるな感じろ」とよく言われますが、考えることもやっぱり必要。でも本当に不思議なことに、考える部分が多くなりすぎるとなぜか上達しなくなります。
私は最近フィドル(ヴァイオリン)を始めたのですが、改めてそういった感覚の大切さを実感しています。練習練習…なんていうとまるで苦行のようですが、練習してできることが増える=自由が増えることだと思います。そう考えると練習が楽しくなってきませんか?
この春何かを始めてみようという方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
今榮 くみこ
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