こんにちは! COSMUSICA編集長のノリコ・ニョキニョキです。
クラシック音楽に関するトピックを扱うというサイトの趣旨からは堂々とはずれてしまうのですが、今日はよく聞かれる「どうやってCOSMUSICAを立ち上げたの?」という質問に対して記事を書いてみようと思います。誰のお役に立つかはわからない上にどこまで有用な情報かどうかわからないのですが、素人が個人でこういった媒体を立ち上げる例というのはそんなに多くはないかもしれないので…。
また、文字数が多くなってしまったので途中においしそうな食べ物の写真を挟みました。深い意味はありませんのでお気になさらないようお願い申し上げます。
着想について
まず「クラシックをより身近に」というコンセプトのCOSMUSICAがどのように生まれたのかという背景についてお話します。大変個人的な話に終始しているのでもし退屈でしたら次の見出しまで読み飛ばしてください。
私は東京藝術大学の音楽環境創造科というところを卒業しています。これがどういうことを勉強する科なのかという話をすると長くなってしまうのですが端的に言うと私はコンピューター音楽を使った作曲を勉強していました。(参考▶︎ついに解明! 言語化不可と思われた「音楽環境創造科」を在校生が説明してみる)
つまり、藝大を卒業したと言うと完全にクラシック畑の人間だと思われるのですが私はクラシック音楽を実はほぼまったく知りません。親が演奏家であったり、幼い頃から楽器を本格的に勉強していたり、吹奏楽部で青春を過ごしたりといった王道は一切通っていません。ピアノは幼少期から教養として習わせてもらいましたがまったく練習をせず、週に一度レッスンでピアノに触れるだけ。そのノリで13年間通い続けたのでまわりには「逆にすごい」と謎の評価を受けています。
さて、当然ながら音大に進むなんてことは現役時代はまったく考えていませんでした。私がクラシック音楽に関心を寄せたのは今年(2016年)に入ってから始めたグランドハープがきっかけです。6年ほど前からアイリッシュハープを習っていたのですが、より専門的にハープを勉強したいと思いグランドに転向。クラシック音楽に触れるようになって、その奥の深さに引き込まれました。
大人になってから楽器を勉強すると、改めていろいろな疑問が浮かんでくるものです。特に私は理詰め人間なので、一例ですが次のようなことが気になりました。
新曲をさらうときは何小節ずつ見ていくのか、参考音源はどのタイミングで聞くのか、インテンポで練習し始めるのはどのタイミングか、複数曲さらう場合は何時間ずつやるのか、もしくは日にちによってさらう曲を変えているのか、一曲あたり何週間で仕上げるのが一般的な進度か、エチュードはいつまでやるのか……疑問をあげればきりがありません。
幸運なことに演奏家の友人が数人いたので、これらを聞いてまわったところ人によって回答は本当にばらばら。練習方法だけでなく、クラシック音楽のどんなところに惹かれているのか、どんな演奏家になりたいのか、など聞いているうちに、どの話もすごく面白くて、クラシック音楽の世界のことをもっと知りたいと思うようになりました。
これは私の浅はかさに過ぎませんが、クラシックというのは趣味の良いおじさまおばさま方のものというイメージがあって、「同世代の友人たちが等身大の情熱でクラシック音楽に取り組んでいる」ということが、藝大に4年間通っていたにも関わらずどういうわけか見えていなかったのです。それが、ハープをきっかけにしてクラシック音楽に関心を持ったことによって突然面白く奥深いものに見えてきた。つまり、一にも二にも関心を持ってもらうことが大事であって、その流れを体感した私だからこそ、そういうテーマをピックアップして届けることができるんじゃないかと思ったのです。
さらにこれはたまたまなのですが、私はどういうわけか気づいたら書くことを仕事にしており、複数のメディアに執筆した経験があったことでなんとなーくどのように運営されているのかという知識がうっすらありました。うっすらです。それで、webメディアという形でCOSMUSICAをやろうと思ったのです。そして思いついてしまったら最後、誰かに先にやられたらいやだったのですぐに立ち上げに動きました。着想が2016年6月頭でオープンが20日なのでなかなかの駆け足だったのではないかと思います。
(2017年2月追記:現在は「webメディア」ではなく「コラムサイト」をうたっております)
長くなってしまいましたが、次のページからようやく本題。サイトオープンまでに実際にどういった作業があったのかというところをお話していきますね。
ノリコ・ニョキニョキ
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