ラウンジピアニストって何するの? (演奏で生計を立てるシリーズ2)

こんにちは。演奏で生計を立てていく方法(通称、「サバイバル術」笑)についてコラムを書いています、ピアニストのRiLuMi(リルミ)です。

前回の記事では、ざっくりとこれまでの経験談をお話ししたので今回はラウンジピアニストの仕事について紹介したいと思います。

▶︎「演奏で食べていく! フリーランスピアニストRiLuMiのサバイバル術

ラウンジピアニストって何するの?

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一口にラウンジピアニストと言っても、お店によって求められるものは変わってきますが、主に店内BGMを担当することが多いです。時には伴奏やアンサンブルの演奏もありますし、お祝いの演出などでリクエストをいただくこともあります。

店内BGM

BGMは、基本的に自分のレパートリーから演奏します。大体は雰囲気に合った明るめの曲やゆったりしたものが好まれるので、特別な理由がない限り暗い曲や騒がしい曲は演奏しません。

クラシックのほかに、スタンダードポップスや定番ジャズ、時には歌謡曲を演奏することも。ラウンジピアニストになったばかりの頃は、レパートリーがあまり多くなかったこともあって譜読みの日々でした。

伴奏、アンサンブル

伴奏やアンサンブルは、文字通り歌の伴奏や他楽器とのアンサンブルです。楽譜を事前にいただけることもあれば、リハーサルもなくぶっつけ本番でお客様の前で演奏することもあります。

最初のうちは、いきなり本番なんて無理…と断ることもありました。今はなんとか対応できるようになってきましたが、それでもやはりいきなり本番は怖いですし、できることなら避けたいことに変わりはありません(笑)。

リクエスト曲

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ラウンジピアニストになって、一番大変だと感じたのはお客様からのリクエストです。自分のレパートリーのものや、お店に楽譜があるか、知っている曲であればなんとかなりますが、全く知らない曲をリクエストされることもあるわけです。

そういうとき、どうしたら良いでしょうか。私の経験から、少しアドバイスをさせていただきます・それは、【100%を求めない】ということ。

ある日お客様からリクエストをいただいたとき、「どうしよう…弾いたことないし、聞いたこともない!」と困っていたところ、お客様から「全部弾かなくていいよ、サビだけでも弾いてくれたらいいから」という言葉が。そこで、その場で参考音源を聞き、即席で弾いてみることにしました。数カ所、メインのモチーフを弾いてみると、お客様は「そうそう、この曲だよー!」と喜んでくださいました。

自分にとっては初めて聞く曲でも、お客様にとっては思い出の曲だったり、今まさにこの曲が聴きたい気分なんだというものをリクエストしてきます。そういったリクエストに即興でお応えしていく中で、ある日お客様から印象的な言葉をいただきました。それは、

「世界中に素晴らしい演奏家はたくさんいるけれど、今この場で自分のためだけに演奏をしてもらえるなんてこれ以上のぜい沢はない」

というもの。つまり、ここでは、お客様はプログラムの決まっているコンサートとは違う楽しみ方をしているのだということに気づかされました。

通常、コンサートを企画するときは、綿密に練習をして、念入りに準備を整え、完璧な演奏を求められると思います。ですが、サロンでは必ずしも100%の状態で弾けるわけじゃないということも体感として覚えました。演奏者としては、できることならいつも完璧な状態を聴いていただきたいところですが…(笑)。

しかし、おかげさまでレパートリーも広がり、私の好きな曲を聴いていただく機会も増え、日々楽しく過ごしています。

クラシックを身近に

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前回の記事にも書きましたが、ラウンジにはいろんなお客様がいらっしゃいます。もちろん、クラシック愛好家の方ばかりではなく、そのラウンジの雰囲気そのものを楽しんでいる方や、お連れ様の付き合いでいらしているだけの方もいます。ですが、そんな方々も、演奏に興味を示し純粋に楽しんでくださることは多いものです。

ここからわかったことは、クラシックコンサートに馴染みのない多くの方は、クラシック音楽に興味がないというより、ただ曲を知らない、もしくはどういうコンサートがいいのかわからない、ということが多いようです。つまり、コンサートに“行かない”のではなく、“行く機会がない”という印象です。

きっと、各人の中で、それが楽しいのかどうか、時間を作って聴きに行く価値のあるものかという判断基準ができれば、クラシックコンサートに足を運ぶ人も増えるのではないでしょうか。

私は、ラウンジピアニストの仕事を通して、お客様がクラシックに興味を持つきっかけを作れたらこれほど嬉しいことはないと日々考えています。

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6歳よりピアノを始める。福岡女学院高校音楽科、武蔵野音楽大学卒業。現在音楽教室講師としてレッスンをしながら、ラウンジやパーティーなどでピアニストとして活動中。ひがしんビジネスクラブ「AURORA」合同セミナー等で演奏。紅茶とマカロンが好き。オンラインでは光の戦士。