【考察】会社勤めをしながら練習時間を確保するには?


長く続けられる趣味として楽器を始めたものの、日中は仕事があるためになかなか練習もままならない。そんな悩みをお持ちの方は少なくないのではないでしょうか。

かく言うわたしも、最近フリーランスから会社勤めになり、練習時間の確保に四苦八苦している身。練習時間をどれくらい確保したいかというのは人それぞれだと思いますが、わたしの場合は基本的に毎日1〜2時間ほど練習に当てたいと考えていました。ありがたいことに基本的には定時で帰れる環境なので「それくらいなんとかなるだろう」と楽観視していたのですが、本当に不思議なことに「時間」というのは何に消えたのかわからないくらいにふわっと無くなってしまって、気づくと深夜になってしまうんですよね…。

仮に「一日10分やろう」という目標設定だったとしても、急な残業や上司からの飲みの誘いがあったり、帰ってきても疲れていてバタンキュー(古い)など、ことは予定通りには運ばないもの。やはり、「時間があったら練習しよう」と思っていると絶対に時間は生まれてこなくて、「練習するために時間を捻出しよう」という意識がないと一生練習ができないのです…! そこで、私は以下のようなことを決めました。

練習時間捻出ハック

①朝と夜に分ける

朝が弱いわたしは、本来であれば起床しなくてはならないぎりぎりの時間まで寝ているようなタイプです。しかし、練習時間をすべて夜にまわすと、やはり仕事後でそれなりに疲れていて、ようやく夕飯にありついた直後にすかさず「よし今から2時間練習だ!」と気持ちを持っていかないといけない。たまになら良いのですが、毎日となるとなかなか厳しいものがあるなと感じました。

…ならば早起きして朝練するしかない! と一念発起。

実際やってみて、起きれる日もあれば起きられない日もあるのですが、実行できた日は安定して練習時間を確保できるようになりました。また、「今朝少し練習したし!(=最悪今夜はいいや)」と精神的にラクになれるというポイントも。寝起きは指もまわらないので、わたしは新曲をさらう時間にあてています。また、朝に時間の余裕があるとしっかり朝ごはんを食べられるなど、“自分でその日の主導権を握れる” 感覚があっていいなあと感じています。

②10分だけでも気にしない

これはわたしの性格の問題だと思いますが、どうも「練習するからには、まとまった時間が必要」という考えに捕らわれすぎる傾向にありまして。たとえば休日などでも「30分後に出かけるから今は練習するには不適切なタイミング」と判断しがちです。

しかし、なかなか時間を確保できない社会人としてはもうチリツモ作戦でいくしかない!! 隙間時間(塵)を積もらせてトータル1時間いったら御の字です。むしろ細かく時間設定して頻度多く触れた方が効果的かもしれません。なので、早起きに失敗したときも、「10分なら弾けそうだ」と思ったらなるべくそうするように心がけています。

とはいえ、10分という限られた時間ですと、無計画に楽器を構えても「なんとなく触っただけ」になってしまいます。そこで、事前に簡単に練習メニューを決めておくのはどうでしょう。この小節が苦手だから10分練習のときにさらおう、とか、ここは弾きにくいところだから暗譜してしまおう、とか…。複数の曲をさらっている場合は「今週の優先順位」というのを決めておくと隙間時間でも迷いにくくておすすめです。

③週に○日を死守する

完璧主義の人にありがちなのが「今日も練習できなかった…」と自己嫌悪に陥り、日に日に練習への強迫観念がつのっていやになってきてしまうパターン。しかし企業に所属し社会生活を送るひとりである以上、練習できない日があるのはもう仕方がないこと。あきらめましょう! その代わり、週に○日は必ず練習する、と条件を課してみるのはどうでしょう? 仮に土日は譲らないとして、平日も内3日は必ず楽器に触るようにする、など。

そうすると、予定の組み方も変わってきます。私の場合は、「今日どうしてもCOSMUSICAの編集作業をしないといけないから練習は明日の朝何がなんでも起きよう」とか「友人に食事に誘ってもらったけど、この日の練習は死守しないといけないから来週の予定を聞いてみよう」というふうに調整しています。まるでパズルです。

また、私が初めて師事したハープの先生のおっしゃっていた「練習できない日は調弦だけでもしてあげてね」という言葉もとても心に残っています。調弦はそこそこ面倒なので(笑)、弾けない日はとりあえず楽器を拭いています。心の片隅にいつも楽器の存在を置いていれば、少なくとも「もう一週間弾いてない!」なんてことはなくなるはずです。

なんのために練習するのか

そもそも論になってしまいますが、練習が苦しくなってきたら、なんのために練習するのか考え直してみるのもひとつの手だと思います。もちろんプロを目指したり、プロとして働いている演奏家の方々には並々ならぬ苦労や葛藤があると思うのですが、働きながら楽器を学んでいる身としてもそれはそれで「なんのためにやっているんだっけ…」となる局面も多いもの。一体自分はこの練習の先に何を求めているのか。答えは人それぞれだと思いますが、純粋にその楽器を好きという気持ちもぜひ思い出してほしいと思います(もはや自分に言い聞かせています)。

また、目的を見失わないためにも、小さなゴールを設定していくことがとても大事だと思います。発表会でもいいですし、そういう機会がない場合は動画を撮ってアップするぞ、とか友人を招いてプチ演奏会をするぞ、など自分で機会を作っていった方が良いと思います。平日は仕事でくたくたなのに自分でさらに負荷をかけるなんて……と正直考えるだけでもうつになってきますが、やはり音楽というのは聴いてもらって初めて完成するという側面がありますから、ぜひ検討してみてください。


ということで今回はわたしなりの楽器との付き合い方をつづってみました。仕事の状況や設定している目標によっては、「全然当てはまらないよ!」という方も多いかと思いますが、要するに今ある環境の中でなんとかしなくてはならないということなので、限られた時間をなんとか割り当てていくしかありませんね……。

偉そうなことをたくさん書いてしまいましたが、わたしも全然上記を完全に実行できているわけではありません。みなさん、ぜひお互いに励まし合いながら頑張っていきましょう!


ABOUTこの記事をかいた人

ノリコ・ニョキニョキ

COSMUSICA編集長。1989年イギリス生まれ。東邦大学医学部医学科中途退学、東京芸術大学音楽学部音楽環境創造科卒。広告代理店勤務、フリーランスを経て現在は教育業界において出版編集に従事。2016年6月20日にCOSMUSICA立ち上げ。ハープ修行中。