いくつ知ってる? クラシックを楽しむヒント「楽語」をご紹介♪


こんにちは(*^^*) 声楽家の小林瑞花です。

音大生ライフを描いた有名漫画『のだめカンタービレ』の “カンタービレ”という言葉、どういう意味かご存じでしょうか?

こちらは実は、イタリア語で「歌うように」という意味なんです♪ 「Cantare(カンターレ、歌う)」というイタリア語が変化したものです。

クラシック曲には、その曲のテンポ・強弱・表情などを示す言葉が記されています。これは、歌曲・ピアノ曲・交響曲・合唱曲・唱歌など…あらゆる音楽に、作曲家によって書き添えられています。音符だけでは伝えきれなかった作曲家の思いを示すとても重要なものです。

こういった言葉を「楽語(がくご)」と呼びます。(音楽用語の略)カンタービレも楽語のひとつなんですよ♪

楽語を覚えると、曲を聴かなくてもある程度の雰囲気を掴むことができます🎼

今日は、そんな知って楽しい&役に立つ楽語をご紹介いたします💫

まずはじめに

①楽語って何語で書かれていることが多いの…?

その多くはイタリア語です。イタリア人が作った曲ではなくても、イタリア語で示されることがとても多いです!

②読み方について

イタリア語は基本的にローマ字読みです。なので英語よりも発音は覚えやすいかもしれませんね♪

例)Cantabile→カンタービレ

それではご紹介していきましょう✨

楽語紹介

・vivo(ヴィーヴォ) 生き生きと

イタリア語本来の意味には、生きている・激しい・感情の強いなどもあります。

・allegro(アッレグロ)快活に、陽気に

・a capriccio(ア カプリッチョ)気ままに

・dolce(ドルチェ) 甘く、柔らかく、優しく

イタリアンレストランに行った際に見かけるのではないでしょうか🍰 英語で言うsweetsです。

たとえばこちらのイタリア歌曲『O del mio amato ben(あぁ私の愛する人)』は「dolce」と記された曲のひとつです💡

tempo(テンポ)を使った楽語

・a tempo テンポで

速度を遅くしたあとなどに、もとの速さに戻す指示として表示されます。

・tempo giusto 正確なテンポで

ジュストと読みますが、英語のjustと同じで読み方も似ています。

・tempo rubato 自由なテンポで

直訳は「盗まれたテンポで」です。rubareは盗む・奪うという動詞なのですが「テンポが盗まれた=テンポに縛られず自由に」という意味です。イタリアらしい、キザな表現ですよね💍笑

ただ自由に、と覚えるのではなくイタリア語本来の意味を知ると捉え方が変わるように思います。

・tempo primo 最初のテンポで

プリーモとは「最初の・初めての」の意。
プリーモという言葉は日本でも商品名などになっていたり、本格的なイタリアンレストランなどではプリーモピアット(第一の皿)・セコンドピアット(第二の皿)という言葉がメニューに書かれていたりと、よく目にする言葉です。

外来語として入ってきている言葉

・ad libitum 自由に

日本語訳では先ほどのtempo rubatoと同じですが、こちらはまさに「アドリブで!」というニュアンス。

・a cappella(ア カッペッラ) 礼拝堂風に

日本では「アカペラ(無伴奏の楽曲)」として知られていますが、本来の意は礼拝堂風に、です。「cappella」は礼拝堂という意味で、もともとは礼拝堂で歌われる多声音楽の様式を指しました。

・bis 繰り返し

楽曲のある部分を二度繰り返す時に記されます。

豆知識💡

日本ではコンサートなどで最後の曲が終わったあと「アンコール!!(ancora 再び、まだの意)」と言いますが、イタリアではアンコールとは言わず、「bis! bis!」と叫びます。なぜたか日本ではアンコール! が主流になってしまいました。

ちなみにこのbisという言葉は他に「biscotti(ビスケットの意)」という単語に使われています。cottoは焼かれた、の意なのでつまり、二度焼きされたという意味です^ ^

・forte 力強く・con amore 愛を込めて

アモーレ! という言葉は日本でも大変多く耳にします♡ イタリアオペラのテーマに欠かせない「amore」は、イタリアで一番大事な言葉…かもしれません。笑

イタリア語本来の意味では、激しい・じょうぶな・毅然とした、という意味もあります。また「味が濃い!」というときにforteを使います。瞬発的な強さだけでなく密度の濃い強さや内面的な強さも含んだ言葉です。

・piano 静かに

小さく、と思いがちですが「piano」と記入がある箇所は、ある意味「forte」よりも大切なフレーズであるということが多くあります。日本でも、大切なことはささやき声で言うことがありますよね。

イタリア語本来の意味では、平らに・慎重に・ゆっくりと、などがあります。「こんなに沢山の楽語覚えられないよ〜!」と嘆いていたら、きっとイタリア人は「piano, piano(ゆっくり、ゆっくりね)」と言ってくれるでしょう。

・mf/mp

こちらはmezzo forte/mezzo pianoの略です。「mezzo」というのは半分のという意味。つまり、それぞれの意味が半分に弱まります。

豆知識💡
「ms」…mezzo sopranoの略。メゾソプラノというのはソプラノとアルトの中間の高さの声種なので、mezzo sopranoといいます。

いかがでしたでしょうか?

日本語訳で覚えるのではなくイタリア語本来の意味を知ると、楽語をより深く忠実に捉えることができます💠

曲全体のテンポや表情は、交響曲やピアノ曲の場合にはCDのライナーノートなどに書かれていることが多いです。ほかの楽器の場合は、コンサートの際に配られるプログラムノートなどに載っていることもあります。

目にした際にはぜひ、楽語の意味を感じながら演奏を聴いていただけるとより立体的に音楽を聴くことができるのではないでしょうか♪


ABOUTこの記事をかいた人

小林 瑞花

東京都出身。国立音楽大学附属中学校ピアノ科を卒業した後、声楽科に転科。同高等学校声楽科卒業。東京藝術大学声楽科ソプラノ専攻を経て、現在同大学大学院音楽研究科修士課程声楽専攻2年在学中。ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017に出演。文部科学省日本代表トビタテジャパン6期奨学生としてイタリア及びフランスに留学予定。