【ショパンが愛したピアノ】なにが違う? ピアノメーカーの特徴を紹介2

こんにちは! ピアニストのRiLuMi(リルミ)です。

ピアノは持ち運びができない楽器なので、演奏の仕事では各会場にあるピアノを弾くことになります。ピアニストにとってはどこのメーカーのピアノが置いてあるのかなということも楽しみのひとつなのですが、ピアノに馴染みのない方の中にはあまりメーカーの違いに関心を寄せたことがないという方も多いようです。

そこで、ピアノの種類やメーカーについて紹介してみようと思い立ちました。前回はビギナー向けということでYAMAHAのCシリーズとSteinway & Sonsのコンサートグランドを取り上げました。

前回▶︎【YAMAHA】なにが違う? ピアノメーカーの特徴を紹介【Steinway & Sons】

今日はフランスのピアノメーカー、PLEYEL(プレイエル)とErard(エラール)を紹介します。

どちらもピアノ好きの方以外には聞きなれない名前かもしれませんが、プレイエルは世界最古のピアノメーカーであり、かのショパンが愛用していたことでも知られています。エラールも様々な作曲家が所持し、顧客にマリー・アントワネットがいたりと、どちらも歴史的人物に関わりのあるメーカーです。

そんなロマンある2社のピアノですが、現在演奏会などで聴くことはなかなか難しいので、音源をご紹介します。

ショパンが愛した音、プレイエル

早速プレイエルの音から聴いてみましょう。

創始者のイグナッツ・プレイエルは作曲も演奏もこなす多才な人物でしたが、様々な要因とフランス革命によって市民に糾弾され、音楽家として生きていくのが難しくなります。そこでまず楽譜の出版業を起こし、その 2 年後からピアノ製造をはじめました。

息子カミーユ・プレイエルは父イグナッツから会社を譲り受け、作曲家の支援をしたり演奏会用ホールを作り事業を拡大したりします。そういった中で出会ったひとりがショパンでした。

こちらはプレイエルショールームの紹介動画です。

上記のショールーム動画内でも説明がありますが、ショパンの曲にはプレイエルがピッタリ。ピアニストのコルトーは、プレイエルのピアノを使ってショパンの録音を残しています。

もとは家具職人! 才能ありすぎのエラール

エラールの創始者であるセバスチャン・エラールは建築をはじめ機械や機構にも鋭い感性があり、家具職人からチェンバロメーカーへと移ります。

技術力のあった彼はあっという間に師匠の能力を超えてしまうと、それが理由でクビになってしまいました。次の職場も才能ゆえにうまくいかず、自分の工房を持ったのちに初のピアノを発表するも、周囲のやっかみで職人のグループから外されてしまいます。

しかし彼はピアノ作りを続けるために、時の王妃マリー・アントワネットに取り入り、多くのピアノを贈ったとされています。

そんな波乱万丈なエラールのピアノはどんな音がするのでしょう?

こちらはスタインウェイとエラールの比較動画です。音の違いがハッキリわかると思います。


動画からもわかるように、現在のピアノより鍵盤も少なく、聴きなれない音がしますよね。チェンバロからピアノへの過渡期には、様々なピアノが発明され作られてきました。プレイエルもエラールもその流れがあったことが伝わると思います。

そしてこの二社はフランス革命・世界恐慌・第二次世界大戦と大きな時代の波を受け、最終的にひとつの会社となりますが、すでに生産を終えています。

新たにピアノが作られることがないと思うと寂しくもありますが、今ある楽器は長く大切にされていくでしょう。

今後もし見かけたり、演奏する機会があるとしたら、それはとても幸運なことだと思います。

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6歳よりピアノを始める。福岡女学院高校音楽科、武蔵野音楽大学卒業。現在音楽教室講師としてレッスンをしながら、ラウンジやパーティーなどでピアニストとして活動中。ひがしんビジネスクラブ「AURORA」合同セミナー等で演奏。紅茶とマカロンが好き。オンラインでは光の戦士。