こんにちは! 今週もおけいこ道のお時間です。ヴァイオリン弾き、卑弥呼こと原田真帆がお送りいたします。
今日のテーマは「夏休み」。もう折り返し地点ですね…!!
習い事? 塾? 両立してる?
音楽おけいこ道を歩むお子さまは、常に忙しいもの。そしてそんなお子さまを持つアナタは教育熱心な親御さんとお見受けします! ズバリほかの習い事もさせていますよね? このまま両立できるのだろうか、と悩むこともあると思います。
わたしの場合は、まずヴァイオリンより先に公文式で英語を始めます。3歳でヴァイオリンを始め、5歳からソルフェージュを。6歳から11歳まで週一回バレエに通い、小学5年生の頃からピアノを始めました。MAXで習い事が5つ。
小学校低学年の頃はそれで友人と揉めたこともあります。寄り道したがる下校班の友人に「今日はレッスンだから先に帰ってもいい?」と訊いたら、「この前もレッスンだったろ! そんなに習い事やってるなんて嘘だ!」と疑われ、下校班で裁判風の話し合いが始まる始末に。
「バレエは信じるけどヴァイオリンは信じないわ」「オレは英語は信じるけどソル何とか(ソルフェージュ)は信じない!」といった具合に賭けが始まり、全員にはヴァイオリンを信じてもらえなかった悔しさが、のちの原動力となりました苦笑(もはや信じなくてもいいから早く帰してよ)。
塾って行ったほうがいいの?
中学1年生の頃は、ヴァイオリンと英語と個別指導塾の数学をそれぞれ週一で通い、ソルフェージュとピアノは2週間に一度程度。ヴァイオリンの先生には「これまでの生徒さんで塾に通っていた子はいなかったわよ。でももみんなよくできていたわね……なぜかしら」と言われ、確かに門下の先輩方はみんな優秀な県立高校に進学されていたのでかなり迷いましたが、わたしは独特の勉強法を貫きます。
それは家ではノー勉の分、週一回の塾で集中して勉強するというもの。そこで中学2年生のときに、これまで掛け持ちしていた塾を、クラス授業の塾に変えることで週一回にまとめて、英語と数学をバンバン予習。学校の授業でもう一度聞けば理解は完璧です。国語は普段から天声人語を読んだり読書をすることで底力を付け、理科社会は学校の授業のみでした。
とはいえ、移った先の塾がものすごく親切で、試験前は普段習っていない科目も含めたすべての科目の対策講座を、学校別に丸一日設けてくれました。定期試験前は4週間前から勉強を開始し、正直試験直前の2日間くらいはヴァイオリンに手がついていませんでしたが、この勉強法で中学時代は成績トップをキープしました(ただし田舎の公立校です、悪しからず)。
中3の夏はほぼ毎日あった塾の夏期講習に参戦。初めての全日本学生音楽コンクール(通称:毎コン)出場も控えていてどうなるかと思いましたが、ねぼすけなわたしが、塾が毎日午前中なおかげで毎日早起き。帰宅してお昼を食べたら午後は練習、ちょっと疲れたら楽典の勉強を30分くらいやったりして息抜きし、夜はピアノの練習、とめっちゃ規則的な生活を送ることに成功。とても模範的な受験生の夏休みでした。塾がリズムを作るなら、通うのはかえって良いのかも?
海だ、プールだ、、、行っていいの?
夏のアクティビティは魅惑的。ご学友からのお誘いもあるでしょう。もちろん行きまくっていたら練習にならなくてマズイけれど、暮らしの体験ひとつひとつの経験値が、豊かな音楽性を育むと思うんですよね(断言)。
ですからすべてをやみくもに「キャー怪我をしたらキケン! 危ないから行っちゃいけません!」と否定するよりは、せっかくの機会ですから「きれいな景色のところに行く」ですとか、「美術館・博物館に行って知識を増やす」ですとか、想像力を膨らませるような体験をさせてあげたらいいのではないかと思います。
そしてもちろん、多少は息抜きさせてあげてください。友達と見る花火は特別です、むしろそれだって音楽のイメージ作りに貢献する経験でしょう。気になる彼と出かけられなかったという記憶の方は、こじれて後々までトラウマとして残るかもしれませんよ……。
わたしは中学時代に宿題の自由研究も兼ねて、父と北の丸公園の科学技術館に行って地震の仕組みを学んだことをよく覚えています。免震構造と耐震構造の違いは本当に興味深かった……おっと、この程度にしましょう。あるいは小学校のプール開放日には足繁く通いました。ヴァイオリンの先生には「ハワイに行ったって嘘つけるよ!」と言われるほど焼けました……。笑
夏休みの宿題はお早めに……
耳が痛いですね、当時のわたしには。笑
夏休みの宿題の中には、勉強になるものもあれば「これをやったら何になるんや!!!」と言いたくなるようなものもありますが、タスクをこなせるかこなせないかが測られているのです。さっさと片付けるよりほかありません……涙
夏休みの終わりが見えてきました。各種コンクールも迫ってきています。嘘も方便です、そろそろ自家製ゴーストライターの出番かもしれません。その際はくれぐれも「無難に」納めないと、うっかり賞を取ったりしたら、お子さんは書いてもない作文についてインタビューを受ける羽目になりますので、ご注意くださいませ。笑
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