ベルリン便り Vol.7 ~オーケストラの棲み処~


みなさん、こんにちは。だいぶ間が空いてしまいました m(_ _)m

ベルリンは毎日最高気温が10℃あるかないかで、もう冬のコートに手袋やマフラーが欠かせなくなりました。まもなく17時には日が沈む季節がやってきます…。

さて、これまでオーケストラアカデミーやオーディションについてなどご紹介してきましたが、今回は、私のオーケストラがどんなところで活動しているかをご紹介したいと思います。

ベルリン・ドイツ・オペラのオーケストラ。その名の通り、ベルリン・ドイツ・オペラに所属しており、その建物内で活動しています。余談ですが、ドイツのオーケストラは、多くの団体が本拠地とするホールを持っているだけでなく、そのホールでリハーサルなどもおこなうフランチャイズ・システムを取っています。

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ベルリン・ドイツ・オペラの建物を正面より。

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側面から。劇場裏側には倉庫やリハーサル室、事務所などが入った建物が隣接。地上7階、地下1階建て。

ときどき、オーケストラのみのリハーサルがリハーサル室でありますが、それ以外は大体オーケストラピットでリハーサルや公演をおこないます。

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開演前などは、楽屋にて待機。ドイツのオーケストラの場合、フランチャイズ形態をとっている場合はその本拠地に、そうでない場合も練習場に団員の楽屋があり、中には個人専用の鍵付きロッカーがあります。そこに演奏会の服を入れておけるので、いちいち演奏会の際に大荷物で移動する必要はありません。

夜まで本番があって次の日は朝から練習…という場合も、個人のロッカーに楽器を入れておくことができます。楽屋は大体、弦管打楽器と楽器ごとで分かれているのですが、さすがドイツ、あまり大きくない建物だと男女の楽屋が分かれていないこともあります…笑

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ドイツ・オペラ弦楽器女性の楽屋。両脇に並んでいるのが個人用ロッカーです。

オーケストラの団員や歌手、事務の方々など、この巨大な建物で活動している総人数は500人を超えるとか…。構内アナウンスもあって、休憩終了時などは「残り5分です。オーケストラのみなさんはすみやかに席について下さい」と言われたり、突然「〇〇さん、△△番までお電話ください」なんて流れていることもあります。

また、多くのホールや練習場にはケータリングスタンドや食堂がありますが、うちのオペラにはレストランが併設されており、そこが食堂のメニューを提供しています。休憩時にはカフェやご飯を求めてみなさん食堂に集まります。

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【出典】Restaurant Deutsche Oper Berlin公式サイト

オーケストラの本拠地であるこのオペラハウスですが、もちろん本来はオペラの本拠地です。劇場裏側に隣接されている倉庫には、1シーズン分、約40演目の舞台美術がすべて保存されているため、毎晩違った演目が上演されています。また、そのための衣装なども専用の部屋があり、歌手の楽屋ももちろん併設されています。

日本には、舞台芸術専用の劇場はありますが、専属のオーケストラまではまだありません。ここでは、歌手のみならず、演出等裏方からオーケストラまで(レストランの店員さんも?)、一つの「家」に住んでいる感覚。日常的に密に接する環境の中で、オーケストラが歌手のファンになったり、歌手がオーケストラの団員と食堂で談笑したり、裏方同士が綿密に連携を取ったりと、メンバーがお互いに尊敬しあっているのを直に感じます。

少し違った観点からですが、オペラが「総合芸術」と呼ばれる所以はこういったところにもあるのではないかと感じる日々です。


ABOUTこの記事をかいた人

あきこ@ベルリン

5歳よりヴァイオリンを、13歳よりヴィオラを始める。東京藝術大学卒業。 現在、ベルリン芸術大学修士課程に在籍中。また、ベルリン・ドイツオペラのアカデミー生として研鑽を積んでいる。