受験生のみなさまへ向けて、微力ながら受験情報、対策法、在校生(卒業生)の声を発信していくシリーズ、今回は【洗足学園音楽大学】を取り上げます!
ドラマ「のだめカンタービレ」のロケ地として一躍話題になった洗足学園音楽大学。すばらしい音響を誇る「前田ホール」に続いて、2013年には室内楽やアンサンブルの発表拠点となる「シルバーマウンテン」を新たに建設し、さらに設備を充実させています。ジャズやポップス、現代邦楽、声優・アニメソングなど、多岐に渡ったコースが設置されているのも特長です。
クラシックの分野においても、ピアノコースでは2015年度から「ピアノ& 作曲マスターコース」、2016年度から「ピアノ・プロフェッショナル・パフォーマンスコース(通称・PPP )」が新設されるなどして、より学生のニーズに合った教育ができるようになりました。ちなみに、いずれのコースも、入試では従来のピアノコースと異なる実技課題が課せられます。(楽典や聴音は共通)
また声楽コース志願者の試験では、楽典は他コースと共通ですが、ソルフェージュ科目として聴音・新曲視唱・コールユーブンゲンの3科目から1つを選択することになっています。
受験対策
楽典(ピアノ・オルガン・管弦打楽器・クラシックギター・声楽・音楽教育コース対象)
ここ10年以上、出題傾向に変化はほぼみられません。
1問目は、ハ音記号を含む4段譜の課題曲が提示され、指定された2音間の音程や、転回音程、指定された箇所の和音の種類、調性判定などが問われます。4段譜に慣れておくことが有効な対策です。特に調性判定は、複数の音部記号に惑わされないようにしましょう。
2問目は移調の問題ですが、どの調に転調するのかあらかじめ示されているので、比較的解答しやすい設問になっています。
3問目の音階に関する問いも、基礎的な知識をしっかりと身に付けていれば答えられる問題です。
4問目に楽語の分野が出題されます。選択肢が与えられているものの、さまざまな楽器の奏法が出題されたり、楽語や楽想が省略形になっている場合があるので、幅広い学習が必要です。
基礎をしっかり身に付け、過去問に取り組む際は素早く正しい解答ができるようにしておきましょう。
聴音(作曲・ピアノ・オルガン・管弦打楽器・クラシックギター・声楽・音楽教育コース対象)
まず8小節の単旋律聴音を長調と短調ぞれぞれ1題ずつ、計2題課せられます。臨時記号は含まれるものの、大幅な転調や複雑な連符などは見られません。ただし、前小節からのタイ(音を伸ばす記譜)なのか休符なのか、四分音符なのか八分音符+八分休符なのか、聞き分けの必要な箇所が多くあるので、普段から拍に対しての意識を高く持って課題に取り組みましょう。
加えて、8小節の四声体密集聴音が課せられます。こちらも旋律聴音と同様、臨時記号はあるものの、大幅な転調や複雑な和音はありません。基本に忠実に、バスから取って上三声に取り組めば問題ないと思います。
通奏6回で演奏されるので、一声ずつ取ったとしても2回見直すことが可能です。受験前にできるだけ多くの課題に取り組んで、四声体の響きに慣れておきましょう。
卒業生の声
私が所属していたピアノコースでは週1度50分の個人レッスンがありました。授業は選択制で好きな授業を自分でカスタマイズすることができます。洗足にはクラシックの他にジャズ、ロック&ポップス、ミュージカル…など多彩なコースがあるので、そうした他ジャンルの授業を履修できるのも魅力的でした。
3年生以降はオーディション制ではありますが、チェンバロのレッスンを履修することもできます。また、特別レッスンのオーディション、アンサンブルの学内コンクールなど、やる気のある人にはさまざまなチャンスを与えてくれるので、いくらでも吸収の場があります。
そしてなんといっても忘れてはならないのが “温かさ”!
いつでも帰りたいと思える「陽だまりのような母校」という雰囲気は私の自慢でもあります。在学中、アンサンブルを通して知り合った仲間はみんな本当に温かく、音楽についての悩みや将来への不安を共に話し合うことができました。お互いの良さを認めアドバイスし合いながらより高みを目指していく、そんな日々でした。先輩も気さくで面倒見のよい方ばかりで、さまざまなアドバイスをいただけたのも、洗足ならではかなあと感じています。
大学は間違いなく人生の中で一番楽しく実り多き時間でした。悔しいこと、苦しいこともたくさんありましたが、それを大きく上回るたくさんの喜びがありました。こんな喜びを得られたのもアンサンブルの機会が多く、まわりと切磋琢磨しながら上を目指せる環境があったからだとおもいます。正直これから大学生活を送る、受験生の皆様が羨ましいほどです。笑
ご興味のある方は実際にキャンパスに足を運び、ぜひ洗足の魅力を感じてみてください!(M.S ピアノコース卒)
入試情報
・出願期間:
【A日程】平成29年1月12日(木)~1月31日(火)郵送消印有効
【B日程】平成29年2月14日(火)~3月7日(火)郵送消印有効
・試験日程:
【A日程】平成29年2月11日(土)~2月12日(日)
【B日程】平成29年3月13日(月)~3月14日(火)
※一般入試の場合の情報を掲載しています。
※詳細は公式ホームページの入試情報でご確認ください。
COSMUSICA編集部
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