こんにちは。12月ももう半ばとなり、街の雰囲気もすっかりクリスマスらしくなってきましたね。クリスマスが終わるといよいよ年越しです♪
今日は年末になると急激に演奏回数が増える“第九”をテーマにお話ししたいと思います✨
交響曲第9番(ベートーヴェン)
第九はベートーヴェンの交響曲の中で一番最後につくられたもので、ベートーヴェンの終着点ともいえる大作です。人間愛や世界平和などが大人数の合唱によって歌われます。
ベートーヴェンといえば『交響曲第5番』(通称『運命』)や、のだめカンタービレで有名になった『交響曲第7番』など数々の名曲がありますが、中でも第九は交響曲に初めて“歌”を取り入れた作品として、歴史的に見てもとても重要な曲なんです🙌
ベートーヴェンってどんな人?
この第九を作ったベートーヴェンに、皆様はどのようなイメージを持っていますか?
小中学校の音楽室などによく飾られている、しかめっ面をして気難しい感じの肖像画のイメージという方や、音楽家といったらあの髪型!! というイメージの方もいらっしゃるかと思います。笑
ベートーヴェンの性格は、感情の揺れがとても激しく、潔癖性であったと言われています。また引越し魔だったそうで、56 歳の生涯でなんと 79 回の引越しをしたという記録が残っています!! すごい…私だったらもう自分の家がどこだか分からなくなりそうです。笑
【豆知識💡】
ベートーヴェンはメトロノームという曲の速さを指定する機械をいち早く取り入れた人でもあります。これは便利だ! と気に入ったのか、当時作曲していた楽譜にはテンポの指定がとても多いそうです。
なぜ年末に「第九」?
日本では年末になるとよく演奏されるのですが、実はヨーロッパでは年末だからといって特別に多く演奏されるということはないそうです。
ではなぜ日本では年末になるとこんなにも演奏されるようになったのでしょうか? いろいろな説があるのですが、そのひとつをご紹介したいと思います📖
第一次世界大戦のあと、戦争の影響を受け生活に困ったオーケストラの楽団員たちは、年末におこなうコンサートにはできるだけたくさんの人を呼びたい…! と思いました。そこで、当時から“必ず集客のできる曲”として人気のあった第九を演奏したところ、それがだんだんと定着していつの間にか日本の風習になったのだそうです🌿
「第九」が人気の秘密
ベートーヴェンは非常に高い信仰心の持ち主でした。第九の第4楽章で演奏される『歓喜の歌』は、フリードリヒ・フォン・シラーという劇作家・詩人が書いた詩が原文。世界平和と宗教的祈りがテーマですが、ベートーヴェンは1792年にこの詩に出会い、感動して曲を付けることを決めたそうです。
メロディーはドドレミミレドシララシドドシシという隣の音にしか進まないとってもシンプルな作りですが、本来歌は参加しないはずの交響曲に歌を取り入れてまで伝えたかったことというのは、ものすごく深く強いものであったと思います。オーケストラと合わせて100人以上で作る音楽は、他の交響曲では得られないような壮大さと感動があるように思います。
ベートーヴェンは第九を作曲しているときにはほとんど耳が聴こえない状態だったといわれているので、完成したその音を自身で完璧に聴くことはできなかったかもしれませんが、大人数で奏でるそのスケールの大きさや演奏者の姿に大きな感動を受けただろうと想像してしまいます。
難聴に苦しみながらも“音楽を続けたい”という思いを持って作曲し続けた音楽への愛が強く感じられる第九は、さまざまな状況にいる人の心を捉えたのではないでしょうか。
【エピソード💡】
初演はベートーヴェン自身の指揮でおこなわれました。演奏が終わってからすぐには観客の反応が怖くて振り返れなかったそうですが、おそるおそる客席の方に向くと…
目にしたのは拍手喝さいのスタンディングオベーション!!!
当時に思いを馳せると、幸せと安堵に包まれたベートーヴェンの姿が目に浮かぶようです…。
ぜひみなさんもこの年末にどこかで第九を耳にした際にはベートーヴェンの強い想いを想像して聴いてみてください。また去年とは違った第九の一面が見えてくるかもしれません💫
さて、今回をもって私の連載「声楽家みずかのクラシック講座」は終了いたします。長らくのご愛読、ありがとうございました✨✨
書くことに慣れていない私が、こんなに回数を重ねられるとは思っていませんでした。読んでくださる皆様に感謝をして、また新たに頑張っていきたいと思います!
今後もいろいろなテーマで書いていきつつ、また新しいコラムも始めたいと思っておりますので、知りたいことや質問等ございましたらコメントいただけましたら嬉しいです^ ^
ご意見・感想お待ちしております🍀
ありがとうございました!
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さっき見たミキハウスのCMも、第九の歓喜の歌でした、師走ですね
クラシック講座とても良かったですよ。