こんにちは♪
声楽家の小林瑞花です(*^^*)
以前、歌曲はその国の言語の特徴を生かした音楽になっている、つまり音楽を聴くとどこの国のものか分かる! ということをお話しました。
「国によってこんなに違う! 世界の歌曲がそれぞれに魅力的なワケ」を読む
では歌詩のついていないものにはその国の特色が出せないのか? といいますと、もちろんそんなことはありません。今回は、歌詩以外に “その国らしさ” を表現する方法をご紹介致します^ ^
音階と和音のヒミツ
みなさんは、日本の沖縄の音楽を聴いたときに、聴いたことのない曲でもなんとなく「沖縄の音楽かな?」と感じたことはないでしょうか?
それには理由があります♪
実は沖縄の音楽は「ドミファソシド 」という音階(音の並び)で構成されています。このように他の国の民族音楽や古くから伝わる音楽にも、決められた音階や和音があります。それを使うことによって様々な国の曲を作ることができるのです!✨
これらを利用して、自分の出身国とは違う国の音楽を沢山作った作曲家をご紹介します♫
G.Puccini(プッチーニ)
19世紀に活躍したイタリアの作曲家です。プッチーニは様々な国を舞台にしたオペラを作曲しました。オペラというのはイタリアで発祥したもので、簡単に言うと演劇と音楽を融合した総合芸術です。いくつかの幕ごとに分かれ、全部で3時間くらいかかる長大な作品です。
*混同されがちですがアメリカで発祥し、マイクを使うミュージカルとは異なります。
当時、オペラでは “異国趣味” というスタイルが流行していました。異国趣味というのは異国を舞台にした作品(つまりヨーロッパからみた異国)のことで、特にオリエンタルなものへの興味が強く東洋を舞台にした作品が多く作られました。
その中でもちろん、日本を舞台にした作品もあります♪
<Madame butterfly 蝶々夫人>
プッチーニの作る作品は、女性主人公の悲劇が描かれることが多いのですが、蝶々夫人も例によって悲劇です。。。日本を舞台にしているということもあり、日本ではよく上映される作品です♪
少しだけあらすじをご紹介致します。
舞台は日本、明治時代の長崎。蝶々さんと呼ばれるわずか15歳の芸者さんが主人公です。ある日、蝶々さんは日本に訪れたアメリカの海軍ピンカートンと恋に落ち結婚します。そして息子を授かるのですが、ピンカートンはアメリカに帰ってしまいます。必ず戻ると約束したピンカートンを信じて蝶々夫人は3年間夫の帰りを待ち続けるのですが…。
……続きの気になる方はぜひオペラを見ていただけたらと思います(T ^ T)
もちろんカツラやお着物や舞台セットなどで視覚的にも日本を感じさせるのですが、その音楽にも沢山の工夫がされています。
一番特徴的なのは、先ほどお話した “民族性” を盛り込んでいるということ。具体的には、その国の人なら誰もが知っている国民的な曲を挟む、という方法が使われています💡
このオペラ<蝶々夫人>には、日本のとっても有名な曲がオーケストラや歌の旋律に散りばめられているのです♪
例えば…蝶々さんが婚礼前にピンカートンに自分の持ってきたものをみせる場面では、
♪さくらさくら
のモチーフが使われています❤️
25:10頃からオーケストラに注目して聴いてみて下さい☆
さくらさくら、と聴こえましたでしょうか?
ここでは、さくらさくらを挿入することによって日本らしさを出すだけではなく、聴衆に桜をイメージさせ、「これは春の出来事なんだな…」と思わせる効果もあります🌸
イタリアで春というのは若さの象徴で、恋の季節を意味します(日本でも春、と聞くと恋のイメージがありますね❤️)。15歳の蝶々夫人の恋心を、歌詩の内容だけでなく演技やこういった効果を使って立体的に表現しています。まさに総合芸術ですよね(*^^*)
他にも
♪君が代
♪越後獅子
♪お江戸日本橋
など、日本の曲が沢山隠れているんです♡
蝶々夫人を鑑賞の際には是非、探してみて下さい♪
みずか
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