こんにちは(*^^*)
連載の第4回で外国語の歌曲をご紹介しましたが、今日は日本語の歌曲についてお話ししたいと思います🇯🇵
▶︎第4回はコチラ:「国によってこんなに違う! 世界の歌曲がそれぞれに魅力的なワケ」
この記事の中で、“その国の言語がメロディーを作る”とお話ししましたが、もちろん日本歌曲にも同じことが言えます♪
ということで、まずは言葉に注目してみていきましょう💡
日本語とヨーロッパなどの外国語で決定的に違うところは、アクセントの種類です。ヨーロッパの言語はアクセントが長短アクセントなのに対して、日本語のアクセントは“高低アクセント”と呼ばれるものです。
高低アクセントとは?
言葉の高さの組み合わせによって意味が変わるアクセントです!
例)箸と橋、雨と飴 など
つまり日本語は“言葉に音程がある”ようなものなので、歌詞はメロディーを形成するのに大きな影響を与えます。具体的に言うと、メロディーを作るときに言葉のアクセントと同じ動きをするようにつける、ということです。
高低アクセントで言葉ができている日本語の歌は、メロディーと言葉の高低が異なると違和感を感じたり意味を取り違えてしまったりする可能性もあるので、話し言葉のイントネーションに近い音型をつけるというのはとても大切なことなんです🌸
また演奏する時にも、話し言葉に近いメロディーの方がより感情を込めやすいように思います。
同じ日本語でも地方や時代によってもイントネーションが違うので、曲を分析することで作曲家の出身地や作られた時代などが分かることもあります!
ここから、具体的に例を見ていきましょう。
楽曲紹介
山田耕筰 作曲「赤とんぼ」
“赤とんぼ”のイントネーションを心に思い浮かべてから、一度聴いてみて下さい💡
皆さんが頭に思い描いた“赤とんぼ”のイントネーションと違ったのではないでしょうか?
現在の“赤とんぼ”のイントネーションでは「あ」より「か」の方が高い音が当てられていますが、この曲では「あ」より「か」の方が低い音符が当てられているので「赤+とんぼ」というイントネーションに聴こえると思います。
ではどうして山田耕筰さんはこのようなメロディーをつけたのでしょうか?
それにはさまざまな説があるのですが…
ひとつには、日本の作曲家である團伊玖磨さんが直接作曲家の山田耕筰さんに伺ったところ、明治期以前の江戸弁では「赤+とんぼ」というイントネーションだったから、と答えたという話があります。
山田耕筰さんは“各国の音楽の源は、その国の言語にある”という考え方であったため、日本語の言葉のアクセントにとても忠実に作曲していたようです。
山田耕筰作曲の日本歌曲をもう一曲ご紹介します。こちらの曲も言葉のイントネーションとメロディーが綺麗に合っています。
山田耕筰作曲「からたちの花」
日本歌曲以外にも、日本語の特徴を巧みに生かして歌詞をつけることがあります 🎼
それは、英語の曲に日本語訳をつけるとき。この場合はメロディーが先にあるので、そのメロディーに近いアクセントやリズムの言葉を選んでつけていくことになります。
ディズニーソングの日本語吹き替えなどを聴くと、メロディーと日本語が自然にマッチするようにつけられていることが分かると思います💠 吹き替えなどで、本来の文と訳が少し違うなぁ…と感じることが時折ありますが、それはイントネーション重視で言葉を選んでいるからという可能性もありますね。
アナと雪の女王「Let it go」❄️
少しイントネーションがズレているところもありますが、ほとんど話し言葉に沿って付けられています💫
これから日本語の歌の曲を聴く時には言葉のイントネーションとメロディーの関係に注目して聴いてみると、また新しい発見があるかもしれません✨✨
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