生徒の発表会を開こう【準備編】

こんにちは! 音楽教育系記事担当のじゅあんです。

突然ですが、小さな頃から楽器を習ってきたほとんどの方が「発表会」をご経験されてきたのではないでしょうか? また、卒業後は教える立場になる方も多いかと思います。私も大学4年次からピアノ指導を始めて現在に至ります。そこで今回は開催する側としての「発表会の準備」についてご紹介していこうと思います!

■なぜ「発表会」を開くのか?

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多くの教室に言えることだと思うのですが、生徒全員が演奏家を目指しているわけではありません。ではなぜ、発表会を開くのでしょうか?

1つ目は、力が伸びるということです。当たり前かもしれませんが、発表会に向けて生徒たちのモチベーションがアップするため、自然と演奏力もアップします! そして本番では、大勢の人の前で緊張しながらも演奏できたという自信をつけることができ、発表会後のレッスンへの取り組み方をも変えてくれます。

2つ目は、生徒本人はもちろん、ご家族にとっても良い思い出のひとつとなる役割もあると思っています。我が子の晴れ舞台であることは言うまでもありませんが、加えて先生の演奏を聴きたいと思ってくださる保護者の方は予想以上に多いものです。こちら側としては会の進行もしながら演奏するのでかなり大変ですが(^_^;)この使命だけは何としても死守せねば! と思っています。

3つ目は、生徒募集としての役割です。生徒たちが発表会にお友達を招待すると、お友達やその保護者の方にも、教室や発表会の雰囲気を知っていただくことができます。発表会は、それまでピアノを習っていないお子さんにも「ピアノを習ってみたい」と思ってもらえるチャンスになるのです!

さて、このように生徒たちにとっても指導者側にとっても重要な発表会ですが、どのように準備していけばいいのでしょうか? 順を追って見ていきましょう。

■「開催日程」と「出演者」の決定

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まずは開催日程を決めます。

ひとつ、自分で演奏会を開くのと決定的に違う点があります。それは、自分の都合だけでは日程を決められないということ。いくら多くの生徒さんを指導していても、出演者がいなければ意味がありません。

まずは新学期を迎えたら、運動会、遠足、修学旅行などの宿泊行事…中高生がいるときは定期テストの日程も含めた、年間の学校行事を確認します。その他、別のおけいこごとの発表会や、部活の試合などとも重ならないようにできればベターです!

そうすると開催が可能な日程はかなり限られてしまいますが、ポイントは「全員が出演できるようにする」ことです。はじめは「出たくない…」と怖がったり、恥ずかしがる子たちには「出ると楽しいよ~♪」と促すだけでも出演してくれることが多いです。ただ、受験生だけは一応聞いてみてから、その年だけは出演するか否かは選んでもらうようにします。

■準備をしながら、予算を立てる

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参加できる人数が確定したら次は「予算を立てる」ことです。当たり前のことかもしれませんが、会の終了後に予算が足りませんでした、といって追加で徴収することは出来ません。事前に考慮しておくべき主な内容は次の7点です。

⒈ホール(ピアノ・調律・音響機材使用料を含む)

「予算に見合ったホールを探す」これが結構大変!!

私はいつも250~400席ほどのホールを狙いますが、日程は限られているのに、半年~2年前など早めに抽選または予約するというところが多いのです。また、使いやすいホールは当然人気が高く、利用できないことも。

狙ったホールが予約できなかった場合は、大きなホールに併設する「小ホール」や「リハーサル室」を探してみるのもオススメです。その際、「足台」「アナウンス用マイク」「控室」などがない場合もあるので事前に確認しましょう。

⒉お花代

ステージ上に飾るお花を準備します。しかし、大きな花束を会が終わった後に分けて渡すのは一仕事。私は事前にお店の方に小分けにした花束をまとめて飾っていただくようにお願いしたり、人数分の鉢植えのお花をステージ上に並べて飾ることもあります。それなら袋に入れて渡すだけなのでカンタン!

こうした少しの工夫で当日の仕事をなるべく減らすことができます。

⒊写真代

発表会では演奏中の写真と、集合写真を撮ることが一般的だと思いますが、スタジオによって予算はさまざまです。

そこで私は参加人数と時間に合わせた料金設定をしてくれる、出張可能なスタジオを利用しています。指定時間内であれば上記の写真以外にも、お友達同士やご家族での写真など何枚撮っていただいても料金は変わらず! その後はデータと写真一覧を受け取りこちらで現像することになりますが、コストも抑えられるのでとても助かります。

⒋プログラム代

私は、自身で原稿作成し、自宅のプリンターで印刷しています。そのぶん、紙は「伊東屋」や「東急ハンズ」へ行き、上質なものをこだわって探しています。よって、プログラム代としては用紙とインクの費用を考慮しています。

⒌演奏CD代

ほとんどのホールにレコーディング機材がありますので、自分かお手伝いの方が録音ボタンを押し録音をおこなっています。ホールによっては機材レンタル代がかかったり、小さな会場の場合はICレコーダーで録ることもあります。

後日、自分のパソコンでひとりずつCD−Rに焼いてお渡ししています。

⒍お手伝いの方へのお礼

保護者の方にお願いするという先生もいらっしゃるようですが、譜面台やアシストペダルのセッティング、椅子の高さ調整などがあるので、私は慣れている友人に頼んでいます。交通費とお礼を合わせて、予算に含めて考えます。

⒎記念品を選ぶ

楽器店に行けば、楽器や音符柄のついたグッズがたくさん販売されています。しかし、私の個人的な趣味の問題なのですがアフタヌーンティーキャトルセゾンといった雑貨店でも、子ども用のかわいいグッズが揃うのでそちらで調達します。ディズニーストアでもいいですね。

とにかくここではカワイイものを選ぶ作業を楽しみます! あと中学生以上の男の子がいる場合はシンプルな靴下やハンカチ、といったものを選ぶこともあります。

■準備は整いましたか?

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さて、準備ができたら開催の3ヶ月前位に「案内状」をお渡しします。内容は、季節のご挨拶開催日程、場所、開場開演の予定時間会費〇月末までに、など期日も記載します)です。ただし会費については、徴収後に諸事情で出られなくなってしまった、もしくは当日お休みした場合についての対応も記載しておくといいと思います。

さて、さっそく発表会に向けて頑張りたいところですが、まだ肝心の、曲決めができていませんでしたね。

というわけで、次回は「選曲」についての記事をお送りしたいと思います。お楽しみに!

それではまた!

じゅあん

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国立音楽大学附属高校音楽科を経て国立音楽大学卒業。その後、ピアノ・ソルフェージュの指導をしながら都内私立高校音楽科講師。(株)厚木楽器にて音楽芸術コース・ソルフェージュ科講師。2016年3月東京学芸大学大学院教育学研究科音楽教育専攻修了。