音楽×アロマというテーマで、私の感じた“曲の香り”を紹介していくこちらの連載。今日ご紹介する香りは、定番の“ローズ”です!
ローズの香りというと、ダマスクローズ、ローズオットー、ローズアブソリュートなどいくつか種類がありますが、どれも華やかで上品な香りがします♡ 今日はそんなローズの香りにぴったりな曲をご紹介いたします♪
ローズの香りと共に…
トスティ『Rosa(バラ)』
イタリア人作曲家トスティによる作品です。イタリア歌曲といったら真っ先に「トスティ!」と思い浮かぶほど、トスティはたくさんの魅力的な歌曲を残したメロディーメーカーでした♪
この『バラ』もトスティの残した歌曲の中で大変有名な一曲です。そばにあったお祈りの本を久しぶりに開くと、中にしおれたバラの花が挟まっているのを見つけ、これを私にくれたのは一体誰だっただろうか…? と甘い夢を見ていた青春時代を思い返す、という内容の歌詩。
バラをもらった頃のいい香りを思い出して、それをきっかけに悲しい記憶も素敵な記憶もよみがえってきて…そんな情景が目に浮かぶ、耳なじみの良い曲です。
“しおれたバラ” は時間の流れを感じさせます。このことから、語り手は過去を振り返るくらいの年齢であるということが読み取れるのです。
このように歌詩を深く読み解いていくと、次第に登場人物のキャラクターや情景が見えてきて、より深く楽しむことができるのではないでしょうか。バラの香りと共にイメージを高めて聴いてみて下さい♪
ヴェルディ「オペラ≪椿姫≫」より『乾杯の歌』
舞台は19世紀半ばのパリ。華やかな社交界で自由な恋愛を楽しんできた高級娼婦のヴィオレッタは、ある日純粋な青年アルフレードに出会い、恋に落ちます。その後ヴィオレッタは悲しい運命をたどることになるのですが…続きはどうぞオペラで確認してみて下さい☆
ところで、今回のテーマであるバラの香りは中世貴族の中で愛用されていたことで有名で、貴族の象徴ともいえる香りです。フランスの国王ルイ14世や、ルイ16世の王妃マリー・アントワネットなどがこの香りを愛し、王侯貴族の間で広まっていきました。これはまさにこのオペラ≪椿姫≫の時代です!
この『乾杯の歌』は、ヴィオレッタのお屋敷でおこなわれる宴の場面で歌われます。きっとこの宴の広間には、高貴なバラの香りが漂っていたことでしょう♡ バラの香りをまとい、ヴィオレッタに招かれた貴族のひとりになったような気持ちで聴いてみるのはいかがでしょう?
今日は華やかで高貴な香りのご紹介でした。クラシック音楽×バラの香りで、優雅な時間をお過ごし下さい♫
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