ご無沙汰しております。あれやこれやしている間にCOSMUSICAが10周年を迎えておりました。遊びにきてくださる読者の方々には心より御礼申し上げます。
さて、私事ですが、わが家の娘たちも早いもので小2と年中になりました。音楽に興味があるんだかないんだかわからない中ではありますが、完全にわたしのエゴで現在ピアノを習ってもらっています。
しかし、育児とは本当に思い通りにいかないことの連続ですね。案の定というか何というか、家での練習をまったくしてくれません。「一緒に弾いてみる?」と優しい声かけをした程度では1mmも動く様子がなく、その姿はまるで岩のごとし。
かといって「練習しなさい!」と頭ごなしに強要するのも違うような気がして踏みとどまるのですが、一方で「上達してこそ見出せる楽しさもあるだろうから、親として少しは練習を促したほうがいいのでは?」という葛藤に日々揺れ動いています。
何が正解かもわからない中で暗中模索で進むのは、思いのほかストレスも多いものです。そこで今回、自分自身の頭の整理も兼ねて、客観的に「子供の音楽教育」について改めて調べ、学んでみることにしました。
今回から全5回の連載で、幼少期の音楽教育について思うところや調べたことをまとめていきたいと思います。第1回目のテーマは、「いつ、何を始めるか」というタイミングの問題です。
音楽教育は早く始めるべき?

UnsplashのJelleke Vanooteghemが撮影した写真
「音楽教育は早いほうがいい」という言葉は、意外にもあちこちで耳にしますよね。
実際に人間の聴覚がもっとも急激に発達するのは3歳から4歳、あるいは5歳頃にかけての時期だと言われており、絶対音感(ある音を聴いたときにそれが何の音か瞬時にわかる能力)の基礎が作られるのも主にこのタイミングなのだそうです。
「耳が育つ黄金期」をぜひ活かしたいと思う一方で、いざ3〜4歳の子供に本格的な楽器のレッスンを受けさせようとすると、想像以上のハードルに直面します。
そもそも、この年齢の子供の集中力は数分から十数分程度。30分間じっと座って先生の言う通りに指を動かすというのは、彼らにとっては修行に近いのかもしれません。また、まだ骨格も小さく指の力も弱いため、鍵盤を正しく押し込んだり弦を押さえたりすること自体が身体的な負担になるそうです。そこから「うまくできない」「楽しくない」という挫折感から音楽への興味がしぼんでしまうリスクも。
わが家の「練習しない問題」の根本にも、こうした心身の発達段階と、楽器演奏に求められるタスクの不一致があるのかもしれないと思ったりもします。
音を楽しむことから始めてみる

geminiで生成したイメージ画像
では、いきなり本格的な楽器に触れる前にできることはないのでしょうか。ここで改めて注目したいのが、遊びを取り入れた「音感教育」や「リトミック」の存在です。
音楽に合わせて歩いたり止まったり、体全体を使ってリズムやテンポを感じ取る。大人の目からはただ楽しそうに遊んでいるようにしか見えなくても、耳で聴いた情報を体の動きに変換するこのプロセスは、将来どんな楽器を演奏するにしても絶対に必要になる「拍子感」や「表現力」の強固な土台を築いてくれると言われています。
早期に本格的な楽器教育を始めるメリットも当然ありますが、親の「早く上達させたい」という焦りがプレッシャーとなり、子供が音楽そのものを嫌いになってしまっては本末転倒だとも思います。
技術の習得を急ぐ前に、「世の中には色々な音があって、音楽って心地いいな」という感覚をたっぷりと味わわせること。導入期である今は「焦らなくても大丈夫」と親自身がゆったり構え、その子の発達段階に合った無理のない環境を見つけてあげることが、結果的に「音楽を一生の友達にする」ための近道になるのかもしれません。
もちろん、生まれながらに音楽を愛して、どんどん吸収していくタイプのお子様もいらっしゃると思うので、一概に何かを決めつける意図はありません。あくまで我が子の観察を通して思った私見を綴らせていただいておりますのでご了承いただけましたら幸いです。
次回、第2回では「楽器選びと住環境・コストの現実」について、さらにリアルな課題を掘り下げていきたいと思います。ぜひまた遊びにいらしていただけたら幸いです!

