第2回:子どもの楽器選びは楽しくも深い悩み!住環境、そしてコストのこと

みなさん、こんにちは。前回は、3〜4歳頃からの「音楽との出会い方」について、我が家のエピソードも交えながらお話ししました。

さて今回のテーマは、いざピアノを習おうとなった際に「どんな楽器を選ぶのか」「家のどこに、どうやって置くのか」、そして「長く続けるために、どれくらいのお金がかかるのか」という現実的なポイントです。

いろいろ理想はあれど、まずは物理的なスペースや家計と向き合わなければならないのが、親のリアルな視点ですよね。 今回は、そんな「楽器選びと住環境、そしてコストの現実」について、我が家の実体験を振り返りながらフラットに考えてみたいと思います。

楽器の「居場所」と「音」のルールづくり

「楽器を家に置く」と考えたとき、最初に見つめ直すことになるのが現在の住環境です。戸建てにお住まいか、マンションにお住まいかによって、事前に確認しておくべきポイントは大きく変わってきます。 たとえばマンションでグランドピアノを入れたいと考えた場合、そもそもエレベーターのサイズや耐荷重の条件をクリアできるか、といった物理的なハードルがあります。

では、一軒家なら何でも自由に置けるかというと、実はそうでもありません。楽器のサイズ次第では、家の中に運び込めないケースが多々あるからです。ピアノの搬入を検討する際は、楽器本体のサイズだけでなく、玄関の幅や、廊下の曲がり角(間口)の寸法などを、事前にしっかりと調べておくことが欠かせません。

また、物理的なスペースと同じくらい大切なのが「音」への配慮です。集合住宅であればなおさら、ご近所への影響を考えて「夜は何時まで」「朝は何時から弾いていいのか」といった時間帯の取り決めが必要になってきます。

近隣の環境に合わせて、演奏時間のルールを子供のうちから一緒に決めておくことは、音楽を長く楽しむための大切なマナーですよね。もちろん、防音への配慮として、楽器の下に専用のカーペットを敷いたり、壁に吸音材を設置したりといった対策を取り入れるのも、有効な選択肢の一つです。

搬入ルートで難航した、我が家の楽器選び

ここからは少し、我が家の体験談をお話しさせてください。 うちは一軒家だったこともあり、楽器を導入すること自体にはそれほど悩まなかったのですが(もしマンション住まいだったらかなり悩み、おそらく最初から電子ピアノを選んでいたと思います)、実は家の動線があまり良くなくて、楽器選びにはかなり難航しました。

当初は、私の実家にあるアップライトピアノを運び込もうと考えていたんです。ところが、いざ運送業者さんに見積もりをお願いしてみると、実家から運び出すだけでも輸送費がかなり跳ね上がることが判明。さらに致命的だったのが、今の家の構造上、窓を外してクレーンで吊り上げてもサイズ的に中に入らないことがわかったのです。玄関からのルートも角がカクカクと曲がっていて、どうやってもピアノが通らない……(笑)。

こうして、我が家に置ける楽器のサイズは極端に限られてしまいました。 そこで、コンパクトな電子ピアノにするか、アコースティック風のタッチを再現したハイブリッドな電子ピアノにするかなど、色々と選択肢を広げて考えました。けれど、調べていくうちにヤマハからかなり小ぶりなサイズの生ピアノが出ていることを知り、最終的にはその小型ピアノを選ぶことにしたのです。

ちなみにレッスンスタイルですが、私が仕事で送迎をするのが難しいため、今は先生に自宅へ来ていただいてレッスンをしています。ただ、子供が成長して一人で通えるようになったら、いずれは先生の教室に通い、レッスンのときだけでもグランドピアノの豊かな響きの中で学んでほしいな、と考えています。

電子か生か、どんな環境を用意するか。それぞれの住環境によってベストを模索し、迷ったときは先生によく相談してみるのがおすすめです。

長い目で「その後のコスト」を淡々と見立てる

住環境と楽器の方向性が見えてきたら、最後にもう一つチェックしておきたいのが「ランニングコスト」の現実です。

習い事を始めるときは、どうしても楽器の購入代金や入会金といった初期費用に目が向きがちですが、長く続けていくうえで家計にじわじわと関わってくるのは、毎月・毎年発生する継続的な出費のほうだったりします。

基本となる月々のレッスン代は、初級・中級・上級とレベルが上がるにつれて少しずつ高くなる教室が一般的です。それに伴って、新しい楽譜や教材費も定期的にかかってきます。

さらに大きな出費となるのが、一年に一度の「発表会」です。参加費だけで数万円かかることも珍しくありませんし、当日のドレスやスーツ、靴などを揃え、プロが撮影した写真やDVDを注文し……と積み重ねていくと、まとまった金額になります。

もしアコースティックピアノを選んだ場合は、コンディションを保つために定期的な調律代も固定費として加わってきます。 こうしたコストをどの程度まで許容できるかは、各ご家庭の判断になります。どれくらいお金をかけるのが正解、というものではありません。大切なのは、これから発生するコストをあらかじめ淡々と見立て、「これくらいなら親も心穏やかに払い続けられる」という現実的なラインを把握しておくこと。それが、無理なく心地よい音楽ライフを長く楽しむための、ひとつの指標になると考えています。

さて、次回(第3回)は、いざレッスンが始まってから多くの親が直面する「日々の練習の付き添い方」や「モチベーションの保ち方」についてお話ししたいと思います。

後記

本文とまったく関係ありませんが先日パステルパープルのメトロノームを買いました。かわいすぎてモチベーションうなぎのぼり。以前は電子メトロノームを使っていたのですが、意外にもこちらのほうが子どもも直感的に扱え、音もしっかりと聞こえてくるので、結局のところ基本形に勝るものはないのかもしれません。(電子メトロノームは持ち歩きが必要な際の選択肢として今後も活躍してもらいます…!)

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この記事を書いた人

COSMUSICA発起人/編集長。1989年生。ハープ・ピアノ好き。東邦大学医学部医学科中退、東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科卒業。お仕事のお問合せはnoriko.soundpool◎gmail.comまでお願いいたします

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