【脱・AI構文】スルーされない演奏会告知文の作り方と、プロンプトのちょっとしたコツ

演奏会告知文の作り方アイキャッチ

SNSやウェブサイトで演奏会の告知をするとき、みなさんはどんな風に文章を書いていますか?

コンサートの企画を立てて、プログラムを決めて、何ヶ月もかけて練習を重ねて……。そんなふうに大切に準備した本番だからこそ、「どんな言葉で魅力を伝えるか」は集客を左右するとても大切なポイントになりますよね。

せっかくの素敵な演奏会。いつも応援してくださる方はもちろんですが、「たまたまタイムラインで見かけた」という新しい方にも興味を持っていただけたら、書き手としてはとても嬉しいことだと私は考えています。

そこで今回は、チケット予約などの具体的なアクションに繋がりやすい「告知文の組み立て方」について、私なりの考えを整理してみました。

1. 告知文の大切さと、絶対に含めるべき情報

告知文を考えるときに私が大切にしているのは、「読んでくれた方に『ここに行きたい!』という理由をお渡しして、迷わずチケットを予約できる流れを作ること」です。

そのためには、まず告知文の土台となる「絶対に欠かせない要素(5W1H)」を整理しておく必要があると感じています。

  • 誰が(出演者やゲストのお名前)

  • いつ(日程。「開場」と「開演」の両方の時間を忘れずに)

  • どこで(会場名と、最寄駅からのアクセス)

  • 何を(プログラムや曲目)

  • いくらで(チケット料金。学生・一般などの席種も)

  • どうやって(予約方法や、購入フォームへのリンク)

こうした基本情報は、文章の中にまぎれ込ませず、必ず「箇条書き」にするよう意識しています。

今はスマホでSNSをスクロールしながら情報をチェックする方がほとんどなので、パッと見たときに「いつ・どこで・いくらで」がすぐにわかる状態にしておくと、興味を持ってくれた方がスムーズに検討しやすくなります。忙しい現代社会ですから、読む方の負担を少しでも減らしたいところです。

そして、この箇条書きの「前」に、読んだ方の心をつかむメリット(魅力)を2〜3行で置くとよいと思います。「前半は〇〇の無伴奏で『個』の響きを、後半は同年代に書かれた〇〇の室内楽で『対話』を並べ、2つのアプローチを対比させるプログラムです。」のように、具体的な魅力を先に伝えることで、「ちょっと読んでみようかな」と立ち止まってもらうきっかけになるからです。

2. 「行ってみたい」を引き出す、具体的なフレーズの作り方

では、具体的にどんな言葉を添えれば、読んでくれた方に「行ってみたい!」と感じてもらえるのでしょうか。

演奏にかける熱意や想いを伝える言葉に加えて、客観的な「事実」をトッピングしてあげることで、初めての方にも演奏会の魅力がより伝わりやすくなると私は考えています。例として以下の3つの切り口を挙げたいと思います。

A. 音響や物理的な事実をアピールする

  • 「会場となる〇〇ホールは残響がたっぷりとあり、今回の無伴奏チェロの響きを味わうのにぴったりの空間です」

  • 「今回は〇〇年代に作られた希少なヴィンテージ楽器を演奏します。普段とはひと味違う、豊かな倍音を楽しんでいただけます」

このように、空間や楽器ならではの特性は、ライブ(生演奏)でしか体験できない特別な価値になります。

B. 歴史的・学術的な背景を添える

  • 「今回演奏する〇〇という曲は、作曲家が晩年に視力を失いながらも書き上げたと言われています。第2楽章の不協和音に、その葛藤が表れているかもしれません」

  • 「いつも演奏される改訂版ではなく、今回は出版前に破棄されたと言われる幻の『初版』スコアを使用します」

プログラムノートに書くようなちょっとした豆知識を告知で先出しすると、「ただ曲を聴く」だけでなく「背景を知って体験する」というワクワク感に変わります。

C. 編成や見た目の面白さを伝える

  • 「今回はフルート4本にコントラバスという、とても珍しい変則的な編成です。オーケストラとも室内楽とも違う、独特のサウンドをお届けします」

そして、情報を伝えたあとに一番大切にしているのが、「どう行動してほしいか」を迷わず案内することです。 私は文章の最後に、次のような具体的なアクションを添えるよう心がけています。

  • 「チケットのご予約は、下記のリンクより〇月〇日(水)23:59まで受け付けています」

  • 「お取り置きを希望の方は、DMでお問い合わせください」

こうして締め切りや手順をはっきりお伝えすることで、予約のタイミングを逃さずにキャッチしてもらいやすくなります。

3. AIの乱用に注意。「AI slop」を防ぐ賢いプロンプト術

最近は、時間短縮のために生成AIを使って告知文のベースを作る方も多いと思います。ですが、少し気をつけておきたいのが、悪い意味でAIらしさが全面に出てしまうことです。AIに「演奏会の告知文を書いてください」とざっくりお願いすると、耳馴染みはいいけれど内容が薄い、というなんともいえない文章ができあがることがあります。

読み手はAIで作られた文章に気づくものです。最近「AI slop(AIスロップ)」という現象が世界的に話題になっています。これは、生成AIによって作られた、どこか均質化された文章に対する「疲れ」のこと。AIだと気づいた瞬間、読む気がなくなってしまうというのもその現象のひとつです。

もしAIを活用するなら、プロンプトをしっかりと入れてあげることが大切です(AIに出す指示を「プロンプト」と呼びます)。たとえば、次のような条件を入れてみます。

  • 時候の挨拶や、過剰な敬語は入れない

  • 「嬉しい」「素晴らしい」「感動的な」といった、主観的・感情的な形容詞は使わない

  • 日時、場所、料金、曲目などの基本情報(5W1H)は、必ず箇条書きで整理

  • 文章のいちばん最初に、プログラムや会場の魅力を客観的な事実として簡潔に書く

このように「書いてほしくないこと」をルール化すると、過剰な装飾がなくなり、必要な情報だけがスッキリまとまったベース原稿が数秒で作れます。

そして最後は、先ほど(2の項目で)ご紹介したような「自分だけの固有の事実」を、自分の言葉で1〜2行だけそっと書き足すようにしています。 現場で練習している人にしかわからない情報をトッピングするだけで、読み手の心を動かす、血の通った素敵な告知文が完成するはずです。

今回は、チケット予約に繋がりやすい告知文の工夫について、私なりの考えを整理してみました。

必須情報を箇条書きで見やすく整理し、客観的な事実で興味を引き、わかりやすい導線で予約へ繋げる。このベースとなる「型」を持っておくだけで、本番前の忙しい時期でも、告知の文章を作るのがぐっと楽になると実感しています。

ご自身でイチから書くときも、AIの力を少し借りるときも、文章作りに悩んだときのひとつのヒントとして参考にしていただけたら嬉しいです。皆さんの素敵な演奏が、ひとりでも多くの方の心に届きますように!

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この記事を書いた人

COSMUSICA発起人/編集長。1989年生。ハープ・ピアノ好き。東邦大学医学部医学科中退、東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科卒業。お仕事のお問合せはnoriko.soundpool◎gmail.comまでお願いいたします

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