拍手や人の声を演奏できる!? フルートのびっくりな現代奏法を解説

みなさんはフルートという楽器にどんなイメージを持っていますか?

オーケストラの中でも、比較的高い音を受け持ち、しばしばメロディーを奏でていて、裏方というよりは「主役」。楽器も音もキラキラしている、優雅なイメージではないでしょうか。

そんなフルートですが、実は綺麗にメロディーを奏でる以外にも、得意なことがあるのです。それは「現代奏法」と言われる特殊な演奏方法のこと!

今日はフルート奏者である筆者が、たくさんある特殊奏法の中から、3つピックアップしてご紹介します。

■フルートでホイッスル?

「ホイッスルトーン」

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ホイッスルという名前がついていますが、体育の授業で使うホイッスルのような「ピーッ!!」という大きな音ではありません。

別名「ウィスパートーン」とも呼ばれる非常に弱く繊細な音で(ウィスパー:英語で「ささやき」)、口笛のようでもありヴァイオリンのフラジオレット*にも似ている音です。

*フラジオレット=倍音奏法のこと。フランス語では「鳥のさえずり」と呼ばれるほど、澄んだ音色が出る。

楽器に吹き込む息のスピードを、フルートの音が鳴るか鳴らないかの、ぎりぎり鳴らないところまで落としたときに発生します。

非常に繊細なコントロールが必要なので、緊張しているときに鳴らすのはとても難しいです!

■フルートで打楽器?

「キークラップ」

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手拍子を求める時に「クラップ ユア ハンズ」なんて言ったりするように、クラップというのは「パンッ」という音のことです。

その「パンッ」という音を、フルートにたくさんついている「キー」を押さえるときに発生させます。

この奏法は、パタパタという乾いた小さな音がなります。写真でいうと「×」の音符がこの音になります。息は吹き込んでいないので、吹奏楽器ではなく打楽器的な使い方と言えますね!

■フルートで1人2役?

「グロウル」

「グロウル」とは直訳すると「うなる」という意味を持ち、その通りフルートを吹きながらうなる・歌う奏法のことです。

フルートが発音する場所は、「歌口」と呼ばれる息を吹き込むところの1か所のみです。そのためピアノの鍵盤をいくつも押さえる「和音」や、ヴァイオリンが弦を2本同時に弾く「重音」のように、複数の音を同時に発音させることはできません。

しかし、フルートを吹くのと同時に自分でも声を出すことによってそれを可能にしたのです!(特殊な指遣いや吹き方で重音を発生させる特殊奏法もありますが、そのお話はまた今度!)

息を出すことと声を出すこと、たいして違いがないように感じるかもしれませんが、音によっては共鳴して発声できなかったり、特殊な練習を必要とします。

しかしグロウルを操れるようになると…このような2段の譜面を、フルート1本で演奏することができるのです!

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まだある!フルート特殊奏法

今回は、数ある特殊奏法の中からごく一部を紹介させていただきました。「フルートでこんなこともできるんだ!」という、普段とは違う一面をお見せできたのではないでしょうか。

ほかにもフルートにはまだまだ面白い奏法があります! またこちらでもご紹介したいと思いますが、やはり音楽はナマモノ、実際の演奏で体感していただきたいので、いつかぜひフルートの演奏を聴きにいらしてください😊

ABOUTこの記事をかいた人

田村桃子

1993年生まれ。埼玉県出身。3歳よりピアノ、12歳よりフルートを始める。第16回びわ湖国際フルートコンクールアドヴァンス部門第1位。 東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て同大学音楽学部器楽科を卒業。現在はソロの他、フルートカルテットやオーケストラで活動中。