【最終回】みんなで選ぶ名曲集! 有名作曲家の「隠れ名曲」8選

みなさんこんにちは!

前回本編を完結したSunday Classic、本日は番外編として本当の最終回をお届けします。今日ご紹介するのは、COSMUSICAライターやTwitterのフォロワーさんに教えていただいた「音楽の教科書で紹介されるような曲ではないかもしれないけれど、これぞまさに名曲と思う」曲の数々です。この記事が、今日もどなたかの、新しい名曲との出会いの場になれば幸いです。

※タイトルにある「隠れ名曲」とは「代表曲として教科書などに挙げられる機会のない曲」という意味合いでご理解ください。

グノー『Repentir』

 

COSMUSICAライター・声楽家の小林瑞花さん推薦。グノーの宗教歌といえばアヴェ・マリアが有名ですが、こちらの楽曲も大変美しいです。邦題は『悔悟』。歌詞の冒頭の和訳を以下にご紹介します。

ああ、私を見捨てないでください
とるに足らないこのみでも
私の叫びをお聞きください
私の嘆きをご覧ください
あなたの高みからお答えください
今すぐ私をお救いください…

非常に荘厳で、それでいて優しい響き。日曜の終わりにしっとりと聴くのにぴったりではないでしょうか。

シューベルト 交響曲第4番「悲劇的」

 

COSMUSICAライター・ヴァイオリニストの田下愛さん推薦。歌曲王と名高いフランツ・シューベルトの交響曲です。タイトルの『悲劇的』はシューベルト本人が名付けたもので、ハ短調という調性ということを考えても、ベートーヴェンを強く意識して書いたものであると言われています。なんと完成当時(1816年)シューベルトはまだ19歳であり、この曲を聞けばまさにその才能がいかほどだったのか推して測ることができる名曲です。

田下さんからは「第2章が特に美しい!」とコメントがきています。ぜひご注目ください。

ブラームス『2つの歌曲』

 

COSMUSICAライター・クラリネット奏者の今榮くみこさんが推薦するのはヨハネス・ブラームスの2つの歌曲。アルト、ヴィオラ、ピアノの編成で、第1曲「満たされた憧れ」第2曲「聖なる子守歌」から成ります。

ブラームスは300曲以上の歌曲や合唱曲を書いていますから、ブラームスの歌曲を聴くことが、まさにブラームスをよく知るためのもっとも簡単で明解な方法と言えるかもしれません。

イザイ マズルカ No.3 「遥かな昔」

COSMUSICAライター・ヴァイオリニストの月元悠さんが推薦するのは、ヴァイオリニスト・作曲家のウジェーヌ・イザイ(1858〜1931年)の書いたマズルカNo.1〜3です(動画には3番を選びました)。

イザイといえば無伴奏ヴァイオリンのための6つのソナタで有名ですが、私はこのマズルカが好きです! 修士論文で書きたかったのですがあまりにもマイナーすぎて資料が見つかりにくいからと却下されました…

とのこと(笑)。さすがヴァイオリニストの書く曲はヴァイオリンもヴァイオリニストも生き生きとしているのがよくわかります。イザイの楽曲を聴くとどれもどこかエキゾチックというか、妖艶な雰囲気を持っていると感じるのですが、みなさんはいかがでしょうか?

グラズノフ 交響曲第5番

Twitterで相互フォローのコントラバス奏者・井口信之輔さん推薦の一曲。アレクサンドル・グラズノフ(1865〜1936年)は、ロシア帝国末期からソビエト連邦建国期にかけて活躍した作曲家で、民族主義(ペテルブルク楽派)と国際主義(モスクワ楽派)を融和させた作曲家として知られています。門弟にはあのショスタコーヴィッチが。

グラズノフはヴァイオリンやサクソフォン協奏曲が知られていていますが、交響曲はあんまり知られていないので、ぜひ知ってもらい曲です。重厚な響きでテーマが提示され、軽快なテンポでそのテーマが歌い上げられる1楽章と民謡風のスケルツッオの第2楽章はどこか懐かしさを感じます。続く3楽章では、グラズノフお得意の、叙情的に歌わせるメロディがとても綺麗です。第4楽章は祝典の雰囲気に包まれた活気のあふれる音楽です。特に指揮者によってテンポ設定が大きく変わり、最後のフィナーレがとにかくカッコいいのでご注目ください!

と井口さん談。私も初めて拝聴したのですが、各章まったく違う表情を持ち、それでいてどれも共通するストーリーを感じる不思議で快活な楽曲だと感じました。グラズノフ自身はこの作品を「沈黙の響き」「詩の建築」と評しているそうで、交響詩に近い性質のものなのかもしれません。

ヴァイル『七つの大罪』

 

COSMUSICAライター・声楽家の平山里奈さんが推薦するのは、「歌付きバレエ」である『七つの大罪』。作曲したクルト・ヴァイル(1900〜1950年)はドイツの生まれですが、ユダヤ人の家系であったために、作曲家として知名度が上がってくるとナチス当局による暴力的な干渉を受けるようになってしまい、1933年にはパリへ逃れていまます。

その最初の亡命地で作曲したのがこちらの『七つの大罪』。この「歌付きバレエ」というのが変わっていて、歌に合わせて踊り手がパントマイムのような演技をおこなうんだそう。主人公はルイジアナから出てきた娘・アナ。アメリカ各地をまわって商売をするのですが、理性役のアナ(歌い手)と感情役のアナ(踊り手)の2役に分かれて、7つの大罪(「怠惰」「傲慢」「憤怒」「飽食」「淫奔」「強欲」「羨望」)を犯さないように自制していくというストーリー。ぜひいつか舞台を見てみたいですね…!

ドヴォルジャーク『4つのミニアチュア』

どわー!!! 好きだー!!!!(どうした)

原田真帆氏推薦です。

「新世界より」の印象の強さゆえに、力強い作風と思われがちなドヴォルジャークですが、こんなかわいい曲も書いているんですよね。近所に住んでいた理系の大学生2人組がヴァイオリンを弾いていて、彼らとヴィオリストである自分の3人で弾ける曲がほしいな、ということで書かれた曲です。のちにヴァイオリン&ピアノ用に作曲者本人が編曲して、現在ではそのほうがよく聞かれが、わたしは原曲の室内楽編成版のが柔らかくて好きです

とのこと。非常に愛らしい曲なのですが、それ以上になんというか、聴いたときになんだか懐かしい気分になって。心象風景として持っている子供時代の思い出が呼び覚まされるような感覚に陥りました。今年の夏も去くんだなあ…という感傷に浸りたい方、ぜひどうぞ(笑)。

さてさて、一挙にご紹介したので全部聴くとちょっとおなかいっぱいかもしれませんね。いろんな方からのご紹介を受けて、幅広い楽曲が出てきたのではないでしょうか。最後に、私からも一曲。例にならってハープの曲ですが…。

サン=サーンス『ヴァイオリンとハープのための幻想曲』

 

文字どおり幻想的。ハープはよくフルートとの組み合わせで書かれることが多いのですが個人的にはこの撥弦(はつげん)楽器×擦弦(さつげん)楽器の組み合わせすごく良いなあと思っております。

では、これにてSunday Classicの連載はお開きとなります。2016年9月11日に始まり、早一年。週末のティータイムにお付き合いいただき本当にありがとうございました! 私はまたハープに関する新連載を考えておりますので、そちらもぜひお読みいただけましたら幸いです。

今後ともCOSMUSICAをよろしくお願いいたします♪

ABOUTこの記事をかいた人

ノリコ・ニョキニョキ

COSMUSICA編集長。1989年イギリス生まれ。東邦大学医学部医学科中退、東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科卒業。広告代理店にてコピーライター、フリーランスのライター/編集を経て、現在は教育業界にてインハウスエディター。趣味はサイト運用。ハープ修行中。