名曲紹介:リズムの革新! ストラヴィンスキーの『春の祭典』ほか


今日は3連休の中日ということもあって、お出かけされている方も多いでしょうか。楽しかった一日を思い浮かべながらのティータイムには、こんな音楽はいかがでしょうか?

ストラヴィンスキーの精緻なリズム構造

こちらは、イゴール・ストラヴィンスキー(1882〜1971年)の『ペトリューシュカ』です。異なる拍子の音楽を同時に響かせる「ポリリズム」という手法を用いて非常に精密なリズム構造を作り出している作品です。躍動感とストーリー性のある展開、個人的に結構 “夏休み感” があると思うのですがいかがでしょうか(笑)。

ストラヴィンスキーは、特に初期の「原始主義」と呼ばれる音楽が有名で、バレエ作品である『火の鳥』『ペトルーシュカ』『春の祭典』がそれにあたります。それまでのロマン派の音楽に比べて、リズムの領域で革新的な挑戦をしたことで高く評価されました。さらに前述の3作品はロシアの民話をもとにした音楽で、民謡からとった旋律も多分に含まれているため、「民族主義」と称されることも多いです。

『春の祭典』

ストラヴィンスキーのリズムへの挑戦は、この曲で頂点を極めます。

 

複雑なリズム、ポリフォニー、不協和音に満ちた作品。西欧的ではなく、それでいて民族的な要素もさほどなく、“普遍的な名作” と評する人も多い作品です。しかし初演当初は、あまりにセンセーショナルすぎて賛成派と反対派の観客たちが喧嘩するなどし、混乱を極めたとのこと。初演時で騒動が起きることはクラシックの歴史をみていると珍しいことではありませんが、日本人であればなかなか考えられない光景なのでいまいち想像がつかないわたしです…。

「黄金比」のバルトーク

民族音楽から独自の音楽へと昇華させた人物として、ストラヴィンスキーと並び称されるのがハンガリーのベラ・バルトーク(1881〜1945年)です。ハンガリー各地の民謡を集め、アグレッシブなピアノ曲やバレエ音楽『中国の不思議な役人』などを書いたバルトーク。小節数や拍数、音程などに「黄金比」を当てはめた作曲で独自性を作り上げました。

『弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽』

 

黄金比を徹底して応用したために、2小節、4小節といった区切りを感じない曲になっています。それでいて曲の表情はころころと変わっていくのでメリハリはしっかりとあり飽きることはありません。

ストラヴィンスキーとバルトーク。それぞれの手法で独自性を編み出したふたりのクラシック音楽、どうぞじっくりとお楽しみください。


ABOUTこの記事をかいた人

ノリコ・ニョキニョキ

COSMUSICA編集長。1989年イギリス生まれ。東邦大学医学部医学科中途退学、東京芸術大学音楽学部音楽環境創造科卒。週末を楽しみに日々ライティング業に勤しむ普通のOL。2016年6月20日にCOSMUSICA立ち上げ。ハープ修行中。