ベルリン便り Vol.12 ~オーケストラツアー【演奏会編】~

みなさま、こんにちは。先月参加したベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団の日本における演奏会の様子が、4月2日にEテレ「クラシック音楽館」で放送され、たくさんの方にご覧いただけたようです。あちこちで感想をいただいて嬉しい限りです。

前回の記事では私がツアー参加するに至るまでの経緯と、そのハードなスケジュールをご紹介しました。今回も引き続き、演奏会の裏側をお伝えしていきます!

演奏会当日、リハーサルはほとんどなし?

(リハーサルの様子。指揮:エリアフ・インバル氏。引用:ツアー公式ブログ

前回も言及した通り、毎日演奏会があるのがツアー。演奏会当日に現地入りすることもあったので、そのプログラムはすべてベルリンでリハーサルをしたり、演奏会で演奏したりしていました。

普段、演奏会当日や前日には、GP(ゲネラルプローベ)と呼ばれる通し・直前練習を3時間ほどおこなうのですが、移動公演の場合や、リハーサル直後に本番がある場合は、1時間半あるかないかのAP(アンシュピールプローベ)、いわゆる音出し練習のみであることが多くあります(※ドイツのオーケストラは、演奏会当日の午前中にGPをおこなうことが多く、GPを演奏会の直前に入れるケースは滅多にない)。

演奏会のプログラムは2時間強のものなので、APですべてを通すことはできません。連日演奏会が続くと奏者にも疲れが溜まってくるので、本番までにさらに疲れてしまわないよう、少し演奏しにくい箇所を合わせたり、前日うまくいかなかった箇所を確認したりします。

今回指揮をされたエリアフ・インバル氏は、私たちができると信じて、ひたすらリハーサルを短くしようと配慮してくださったのですが、ときに奏者側から「ここを一度やらせてください」と提案して、厳しいスケジュールの中でもいい本番ができるように準備をしていたのでした。

出番は日替わり!

今回、前半のプログラムに編成の小さい協奏曲が入っており、「前半は出番がない」という人も。ヴィオラパートはローテーションを組んで休みが均等に回るようにしており、毎回リハーサルになると、ローテーションリストを持っている人がリストを掲げて、「本日、前半休みをもらえる人は〇〇さん!」なんて発表をしていました。私もローテーションにより協奏曲で2回お休みをいただきました。

そのほかに、管楽器で全く出番がない日がある人もいて、そんな場合はもちろん1日オフ、2日も出番がなければどこかに旅行へ行くことも可能でした。また、日本の最終公演と韓国で出番がなかった奏者は、先発隊として本隊より数日早くドイツに帰国していました。

移動は手ぶら…も可能!

(衣装用のコンテナ。引用:ツアー公式ブログ

こうしたツアーの場合、100人全員が衣装も楽器もすべて持って移動するのはものすごく大変なので、衣装や楽器用のコンテナが用意されています。その中に入れておくと、コントラバスや打楽器などと同じく、当日現地まで持って行ってもらうことができるのです。

ただ、コンテナの利用には注意が必要でした。ドイツ出発時から使用したい場合は、出発の2日前にはコンテナに入れておかなければいけないし、ツアー中は自分たちと一緒にホテルへ移動するわけではなくまったく別のルートで移動しているし、帰国後もコンテナから取り出せるのは翌々日なので、コンテナに入れたものは手元を離れている時間が長いのです。

私の場合は「今晩から明日の公演までは移動するのみだから楽器はいらないな」などというときだけ楽器コンテナを利用しました。衣装はずっとコンテナに入れておいたのですが、それだけでも移動時はとても楽でした♪

見知らぬ国で寝坊をすると…

来日ツアーで何よりも大変なのが、ハードなスケジュールと時差。到着翌日に時差調整のための日が設けられていたものの、時差を完全に調整するためには本来約1週間必要とのことで、一日では足りません。疲れがたまって、ちょっとうっかり2度寝やうたた寝をしてしまうと、大変なことになります。実際、3公演に1度くらい、リハーサルにぎりぎりで到着してくる人がいることも…。

集団で移動しない場合は、自分で公共交通機関を使い現地まで行くことになります。なんやかんやみなさんリハーサル開始までには到着されていましたが、異国での移動はひと苦労。スマートフォンを使って乗りたい電車を駅員さんに見せたり、事務所の方に行き方を聞いたりして、タクシーや新幹線を使ってなんとか間に合った…ということもあったようです。慣れない場所でうっかり、はキケンです。

 

次回は、楽団員のみなさんがツアー中に日本でびっくりされていたことなどをご紹介したいと思います! お楽しみに!