《新連載》ジェラルド・フィンジとりんごの食卓(レシピ付き♪)


突然ですが、みなさん、音楽をどのように楽しんでいますか?

耳で聴くのを楽しんだり、奏者同士のかけ合いを見るのを楽しんだり、演奏で表現することを楽しんだり…。音楽の楽しみ方には、いろいろなものがありますよね。

私はというと、料理が好きなので、お気に入りの音楽家や楽曲に出会ったときには、そこから連想されるオリジナルレシピを考えて楽しむことがあります。

そこで今回から、「音楽家の食卓」と題し、ある音楽家とそこから作り上げたオリジナルレシピを紹介していくこととなりました! いっぷう変わった連載ですが、お楽しみいただけますと幸いです♪

イギリス生まれの繊細な作曲家

では早速、本日取り上げる音楽家を紹介します。その名は、ジェラルド・フィンジ。フィンジは1901年、イギリスのロンドンに生まれました。20世紀前半のイギリスの作曲家の中でも特徴的な作曲家です。

8歳で父親を亡くし、音楽の師も徴兵され戦死、さらには兄弟を3人も亡くします。多感な時期に身近な人を何人も亡くしたことがフィンジに大きな影響を与え、彼の音楽のほとんどは、かなり初期の頃から哀愁的なものでした。彼を指導した作曲家、アーネスト・ファーラーは「(フィンジの音楽は)とても内気であるが、詩情にあふれている」と評しています。

どことなく哀愁が漂うフレーズや、過去を回想しているかのような少し切ない和声。ノスタルジックでありながらも人の心に寄り添う音楽がフィンジの特徴とも言えるでしょう。

フィンジの主な作品

「5つのバガテル」

バガテルというのは“ちょっとしたもの”という意味を持つ言葉で、音楽の小品のこと。彼の少ない室内楽曲のうちこの『5つのバガテル』はしばしば演奏されるレパートリーとして生き残っています。

1楽章の冒頭、ピアノの不思議な前奏の後に始まるクラリネットの「ドレミファソラシド」というメロディーは、一度聴いたら忘れられないくらいインパクトがあります。その後もピアノとクラリネットが追いかけるように絶妙に絡み合うのが聴きどころです。

エクローグ

先ほど紹介したバガテルのように、楽しく、暖かく、かわいらしい小品もありますが、このエクローグのように繊細な心情を表したような美しい曲も多く残しています。

語るようなピアノと、それに応えるかのような弦楽器。弦楽器はまるでため息のようでもあり、過去を回想している映画のようにも思えます。

フィンジの食卓

フィンジはロンドンで暮らした時期もあったのですが、都会では落ち着くことができずにバークシャー州に移り住みます。そこで作曲活動とりんごの栽培に専念。なんと350種類ものりんごを採取し、絶滅危惧種の保存にも取り組みました。

…もうおわかりかもしれませんが(笑)、今日はフィンジにちなんでりんごを使ったレシピを取り上げたいと思います♪

アップルクランブルのチーズケーキ

材料

  • りんご 1個
  • 砂糖 大さじ2
  • レモン汁 少々
  • ビスケット 10枚
  • レンジで30秒加熱したバター 30グラム
  • 小麦粉 50グラム
  • 砂糖A 30グラム
  • バター 30グラム
  • クリームチーズ 100グラム
  • 生クリーム 50グラム
  • 卵黄 1個
  • 卵白 1個
  • 砂糖B 35グラム
  • 小麦粉 大さじ2

つくりかた

  1. りんごを食べやすい大きさに切り、耐熱容器に入れ砂糖をまぶしてレモンを加える。途中何度かかき混ぜながらレンジで5~6分加熱(写真2)。
  2. ビスケットを袋に入れてめん棒で叩いて砕く。
  3. 砕いたビスケットとレンジで30秒加熱したバター 30 グラムを混ぜ、型に敷き詰め冷蔵庫で冷やす(写真3)。
  4. 小麦粉・砂糖A・バター 30 グラムを全てボールに入れ、つまむように混ぜてそぼろ状にします(写真4)。
  5. ボールにクリームチーズを入れ、ゴムベラで柔らかく練り、砂糖Bのうち1/3程度と卵黄を加えて混ぜる。
  6. 生クリームを2~3回に分けて入れ、混ぜる。
  7. 薄力粉を加え、混ぜる。
  8. 別のボールに卵の白身を入れ、ツノが立つくらいまで泡立て器で混ぜる、途中2回に分けて残りの砂糖Bを入れる。
  9. 3 で作った型にりんごを敷き詰め、8 を流し入れる(写真5,6)。
  10. 9 の上に 4 をまんべんなくかけて、190度のオーブンで15分焼いた後、170度で30分焼いたら、できあがり!

イギリスのお菓子アップルクランブルと私の好きなチーズケーキを組み合わせてみました。

いろいろと欲張ってしまったので少々手間のかかるレシピになりましたが、上のクランブル部分がザクザクでとても美味しく、しかもこの部分だけなら簡単に作れるので別のケーキにかけて焼いても楽しめそうです。

音楽×レシピというのは、一風変わったアプローチかもしれませんが、音楽の楽しみ方は無限大ということをお伝えできればと思っております。取り上げてほしい作曲家や楽曲のリクエストなどがあれば、ぜひ編集部までお寄せください。


ABOUTこの記事をかいた人

今榮 くみこ

兵庫県出身。クラリネット奏者。映画「ベニー・グッドマン物語」を観たことがきっかけでクラリネットを始める。 大阪音楽大学音楽学部卒業。同大学卒業演奏会、ヤマハ管楽器新人演奏会等出演。在学中はエスクラリネットからコントラバスクラリネットまでさまざまな楽器を担当し、2006年から約2年間フィルハーモニックウィンズ大阪にてバスクラリネットを担当。また、国内外のマスタークラスやセミナーで研鑽をつみながら、ソロや室内楽など多数のコンサートに出演。現在MIKIミュージックサロン梅田・心斎橋、小阪楽器等講師。 趣味はアイスダンス(休止中)とフィドル。