進め! ヴァイオリンおけいこ道 第42回「どうする、宿泊学習」


今週もおけいこ道のお時間がやってまいりました。ヴァイオリン弾きの卑弥呼こと原田真帆がお送りいたします。

今週のテーマは宿泊学習について。そろそろ学校の宿泊学習や修学旅行が迫っている方、多いのではありませんか?

行っていいの? 宿泊学習

新学期のバタバタが落ち着くと、やがてさまざまな学校行事が始まります。運動会が5月に来るところも増えましたが、合唱コンクールや宿泊学習を目前に控える人もいるかもしれません。

宿泊学習はときに、おけいこ道をさえぎるものになるかもしれません。なんせその間楽器を弾けませんからね…特に本番なんかが近くにあったら焦りますよね。

個人的な見解としては、もし切羽詰まっていないのならば、ぜひ行ったらいいと思うんです。旅がもたらすインスピレーションは代えがたいもの。2・3日楽器から離れると、また新鮮な気持ちで向き合うことができるので、良いリフレッシュになると思うのです。

受験生にはしんどいことも

しかし、修学旅行がコンクールとクラッシュ! なんて悲劇や、季節が遅すぎて受験が不安で諦めた…なんて声は少なからず聞いたことがあります。とくに中高一貫校から音楽高校を受験したい人にとっては、中3の秋の修学旅行なんて焦りしか感じられない…!

もしお泊まり系の行事があまりに大事な本番と近いときには、ときにやむを得ず…ええ、濁しておきましょう。人生長いですから、いろいろあります。だいたい、行こうとしていたって前日に熱を出して行けなくなることだってあるんですから…。

いざというときに奥の手を発動するには、それまで積み上げた実績が物を言います。たとえばいつも熱心に行事に参加していれば「ああこの子はまじめな子だからこそ、今は音楽をがんばりたいんだな」と理解を示してもらえるかもしれないし、いつもやる気30%だと「こいつサボりたいだけじゃないの?」と思われちゃうかもしれません。

藝高の「スポーツの合宿」の存在

東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校(藝高)には、スポーツ系の合宿の存在があります。

まずは学校に入学するといきなり山に連れていかれる「テニス合宿」。長野の菅平で2泊3日、全校生徒で学年縦割りの班をつくって、ソフトテニスを中心に朝から晩まで運動に勤しみます。最終日のトーナメントでは、3年生が務めるコーチが率いる各チームで優勝を目指します。

現在はなくなってしまいましたが、かつて夏には遠泳合宿が行われていました。合宿の日程が迫ってきたら、まず学校の近くのプールに通って水泳の練習。そして合宿本番は船で沖まで行き、海原に放たれて泳ぎまくったそうです。近年は1年生の夏に2日間だけ、都内のプールにて朝から夕方までみっちり水泳教室が開催されます。

さらに冬はスキー合宿。再び菅平に滞在して、こちらも2泊3日で1日中スキーをします。以前はスキーも全員で行きましたが、現在は希望制となっています。

特筆すべきは、これらの合宿に楽器を持っていくことは絶対にないということ。合宿のしおりに「楽器は持っていかない」と書いてあったかどうかまでは記憶が定かではないのですが、わたしが在学中には、合宿の直前のホームルームで担任の先生から「楽器なんて持ってきたりしてはいけませんよ!」と注意がありました。

ご自身も藝高出身の先生で、「合宿に楽器を持っていくなんて発想はありえません! やるときはやる、テニスだったらテニスに集中!」と言われたのをよく覚えています。大事なのは、切り替えなんでしょうね。


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ABOUTこの記事をかいた人

原田 真帆

栃木県出身。3歳からヴァイオリンを始める。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校・同大学器楽科卒業、同声会賞を受賞。英国王立音楽院修士課程2年在学中。第12回大阪国際音楽コンクール弦楽器部門Age-H第1位。第10回現代音楽演奏コンクール“競楽X”審査委員特別奨励賞。佐々木美子、山﨑貴子、澤和樹、ジェラール・プーレ、小林美恵、ジャック・リーベックの各氏に師事。弦楽器情報サイト「アッコルド」、日本現代音楽協会HPにてコラムを連載。