プロを目指しながらも一般大学へ。音楽大学へ進学しないメリットとデメリットとは

音楽家を志す人が一般大学に進学するメリットとデメリット

メリット

メリットは、クラシック音楽はどう思われているのか、またそれは社会にとってどういう位置付けなのかなどを知ることができた点。音楽に馴染みのない方の声は、今後音楽活動をしていくにあたり、これからの音楽のあり方について客観的かつリアルに考えさせられる貴重な意見です。

また、私は国際文化を学んでいたため、普段の講義から音楽の歴史の背景のまたその裏を学ぶことで知識の幅が広がりました。

卒業後は、音楽とは全く関係のない業界で社会人になった友人が私の出演する演奏会を各方面に宣伝してくれたり、友達を連れて演奏会に来てくれたりと、普段なら出会わないであろう多方面の方々と知り合うチャンスを得ました。私のことを「ヴァイオリニストの友人」として認識してもらえることはとても嬉しいことで、人脈に恵まれたことに感謝しています。

デメリット

デメリットは、現在クラシック音楽界で何が求められているのかが見えにくいと感じること。

オーケストラや室内楽などを実践的に学べることは、日常生活の中でまずありませんでした。定期的に差し迫る実技試験もなければ、周りとの競争も単位に関わることもないため、演奏することに対して少なくとも何かしら意識の差も生まれることでしょう。

そして学部在学中は音楽関係者と知り合えることも少なく、音大生ほど演奏機会などがないことも確かです。当時、私はその差を少しでも埋めたいと思い、 同年代の演奏家のコンサートを頻繁に聴きに行って刺激を受けたり、コンクールに出場して自分を試したり、音楽祭やマスタークラスに参加していました。

音楽大学ではない進路を希望する方へ

前述の通り、音楽仲間から刺激を得られる機会というのは圧倒的に減るので、積極的に音楽祭やマスタークラスへ参加することをオススメします。第一線で活躍されている先生のレッスンを受け、世界のものさしで今の自分に何がたりないかを知ることができ、さらに都心や海外の音大生とも情報交換ができます。

音大に進学することで、メリットはたくさんあると思いますし、マニュアルがない世界だからこそ音大に進学するべきという考えは自然なものだと思います。現在、私は出身大学とは異なる大学の大学院に進学して音楽科に所属していますが、音楽科という肩書きのおかげで演奏のお仕事が増えたのも事実です。

ただ私は音楽大学で得られるメリットと引き換えに、いろんな世界があることを学べました。

私が 4 年間過ごして思ったことは自分を伸ばせるかどうかは「自分次第」だということです。その場所で仲間を作ること、経歴につながる結果を残すこと、技量を上げることは自分にしかできません。


以上、自己紹介もかねてのお話でした😊 自分の選んだ道で自分を生かすことができたらいいなと思いつづってみました。私の経験が少しでも参考になれば幸いです。

私にしか歩めない道を歩んできたことを、私にしか書けない言葉でこれから発信できればと思います。どうぞよろしくお願いいたします♪

The following two tabs change content below.

月元 悠

長崎県出身。3歳よりヴァイオリンを始める。田代典子、木野雅之各氏に師事。これまでに、エドゥアルド・オクーン氏、豊嶋泰嗣氏、大山平一郎氏、ロバート・ダヴィドヴィチ氏、ハビブ・カヤレイ氏、加藤知子氏、小栗まち絵氏のマスタークラスを受講。また、ながさき音楽祭、球磨川音楽祭、霧島国際音楽祭、NAGANO国際音楽祭に参加、マスタークラス修了。各地で演奏活動を行う。西南学院大学 国際文化学部卒業。福岡教育大学 大学院 音楽科 修士課程卒業。

1 個のコメント

  • 素敵な記事でした。端的で分かりやすいです。
    総合大学に入り多くを学びながらヴァイオリニストを目指す。スペシャルゼネラリスト、のようなものでしょうか。
    私も4歳からバイオリンをやっていますが今は趣味で楽しんでいます。こんど月元さんのコンサートにも足を運びたいと思います。頑張ってください!