【ブリュートナー】なにが違う? ピアノメーカーの特徴を紹介3【ベーゼンドルファー】


こんにちは、ピアニストのRiLuMiです。

ピアノメーカーを紹介していくシリーズ3回目となる今回は、“見た目にも他メーカーにはない特徴があるピアノ”をテーマに、Julius Blüthner Pianofortefabrik GmbH(通称ブリュートナー)とBösendorfer(ベーゼンドルファー)の2つをご紹介します。

ブリュートナーは『レット・イット・ビー』でポール・マッカートニーが弾いていたことで、ベーゼンドルファーはフランツ・リストの激しい演奏を耐え抜いた唯一のピアノということでも知られています。

Julius Blüthner Pianofortefabrik GmbH

早速ですがブリュートナーの特徴から見ていきましょう。まずはこちらの写真をご覧ください。

これは以前ご紹介したYAMAHAのC3シリーズの弦部分を写した写真です。多くのピアノはこのようにひとつの音に対して高音部分は3本の弦が張られています。

続けてブリュートナーの弦部分をご覧ください。

同じ方向からの写真ではありませんが、こちらは弦が3本でなく4本で一組になっているのが確認できますでしょうか? この4本目の弦は演奏によって実際に叩かれるものではなく、音を共鳴させるために張られています。共鳴によって倍音が増幅される構造は“アリコートシステム”という特許技術によって作られており、調律方法によってさまざまな効果を得られるのです。

それではブリュートナーの音を聴いてみましょう。

豊かな音色、そして個性的な響きがしますね。個人的には和音で抑えたときにブリュートナーらしさを感じます。指揮者のフルトヴェングラーも、ブリュートナーは本当に歌うことのできるピアノであると称賛しています。

Bösendorfer

さて、次は個人的に大好きなベーゼンドルファーです。上の写真だけだと普通のグランドピアノに見えると思いますが注目すべきポイントは鍵盤です。こちらをご覧ください。

出典:Wikipedia

写真は鍵盤の低音部分ですが、白鍵部分も黒く塗りつぶされた、謎の鍵盤が並んでいますね。実は黒く塗られた部分は通常のピアノの鍵盤数の88鍵に、9つの鍵盤を足したエクステンドベースと呼ばれる仕様で、ベーゼンドルファーの中でも“インペリアルモデル290”にのみ見られる特徴です。

これは、作曲家のブゾーニがバッハのオルガン曲を編曲する際に、ピアノでは出せない音があったためベーゼンドルファーに相談したことがはじまりとされています。エクステンドベースが追加されたことによって弦の響板が広がり、共鳴する弦も増えて中低音の響きが豊かになるのです。

そんなベーゼンドルファーの音を聴いてみましょう(※10秒頃から再生してください)。

中低音部分の圧倒的パワーを感じますね。

冒頭に書いたエピソードですが、リストというピアニストはとても激しく演奏をしていたので、演奏会中に数々のピアノが使い物にならなくなったそうです。しかし、ベーゼンドルファーのピアノだけはそんな演奏を耐え抜いたと言われているんですよね。

遠慮なくフォルテッシモを出しても良い音がするのは演奏者にとっても楽しいことです。また、大きな音が出るだけでなく、「至福のピアニッシモ」と呼ばれるほど繊細で美しい響きも備えていますよ。


ブリュートナーもベーゼンドルファーも方法は違えど「良い響き」へのこだわりを突き詰めた結果、この形へと進化をとげたのではないでしょうか。2社のピアノの魅力を少しでもお伝えできていたら幸いです。

過去記事
▶︎【YAMAHA】なにが違う? ピアノメーカーの特徴を紹介【Steinway & Sons】

▶︎【ショパンが愛したピアノ】なにが違う? ピアノメーカーの特徴を紹介2


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RiLuMi

6歳よりピアノを始める。福岡女学院高校音楽科、武蔵野音楽大学卒業。現在音楽教室講師としてレッスンをしながら、ラウンジやパーティーなどでピアニストとして活動中。ひがしんビジネスクラブ「AURORA」合同セミナー等で演奏。紅茶とマカロンが好き。オンラインでは光の戦士。