東京藝術大学の「楽理科」ってどんなところ? よくある質問に在学生が回答!


はじめまして!東京藝術大学音楽学部 楽理科 2 年の岡 歩乃歌(おか ほのか)です。

さらっと名乗りましたが、わたしの所属している学科「楽理科(がくり-か)」って、みなさんご存知ですか?

バイトの面接官の方や小学校時代の友だちに「楽理科」というと、必ずと言っていいほど、

「ガク…ガク…なに?」「ガクリ…?」「………ん?」
「どうやって書くの?」「何するところなの?」「何の楽器やってるの?」

と質問攻めにされます。

今日はそんな謎に満ちた楽理科について、在学生のわたしがご紹介していきます!

「ガクリカ」ってなに?

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さて、実は楽理科には公式サイトがあります。

東京藝術大学楽理科/大学院音楽文化学専攻音楽学 公式WEBサイト

楽理科公式サイトでは、楽理科についてこんなふうに紹介されています。

楽理科は、音楽とそれに関連する様々な事柄について、学問的に考察する場所です。もちろんここでいう「音楽」は、日本や西洋の古典音楽だけでなく、古代から現代までに、世界中で創造・演奏されたあらゆる種類の音楽を含みます。
(出典:東京藝術大学楽理科/大学院音楽文化学専攻音楽学 公式WEBサイト「楽理科について」)

簡単にご説明すると、

「学問的に、音楽にアプローチするところですよ~」

という感じでしょうか。

そして、

「机の上のお勉強だけじゃなくて、演奏もするし、作曲の基礎や理論、外国の文化・背景を理解するために外国語もがんばるよ!」

という感じの学科が楽理科になります。

もっと詳しく! 楽理科 Q&A

一言で説明しようとするとざっくりとした説明になってしまうので、以下、Q&A方式でより詳しくお話しします。

Q. “学問的”ってなんでしょう?

たとえば、ピアノやフルート、作曲、指揮、あるいは邦楽科の雅楽、筝曲、日本舞踊などの「実技系」の学科は、演奏したり曲を書いたり踊ったり…、文字通り実技を通して音楽に向き合います。

一方わたしたち楽理科は、実技というよりも、

  • この音楽はどんな背景で生まれたのだろう?
  • 音楽ってなんで美しいんだろう?
  • 良い演奏ってなんだろう?
  • 現代の音楽家たちはどうやって活躍しているんだろう?

といった具合に、「考えること」を通して音楽と向き合っています。

Q. じゃあ楽器は一切やらないの?

いえいえ、そんなことはありません!

机の上のお勉強だけだと見えなくなる事柄も多いので、実技にもしっかり取り組みます。

中には「器楽科と楽理科、どちらにするか迷ったんだよね~」というツワモノもいて、もはや専攻生なのではないかと思うほどすばらしい演奏をする人もいます。また、実技で一度学部などを卒業してから楽理科にやってくる人もいるそうです…! すごい!

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もちろん、大学に入ってから新しい楽器を始める人もたくさん。

わたしのまわりには、チェロなどのおなじみの楽器を勉強している人もいますし、「ケルト音楽研究会」や「ジャワガムランサークル」などのサークル、あるいは「音楽民族学概説」「東洋音楽概説」といった授業をきっかけに民族楽器に熱中する人も大勢います。中には他大学のサークルに所属して大学生活をエンジョイする人もいます。

ほかにも、気軽に始めたはずの副科実技(専攻生でない人が、楽器のレッスンを取ることができる科目)をきっかけに、その世界へのめり込む人も多いです。

Q. いつも何してるの?

かなりざっくりした質問ですが、学外の人だけでなく、同じ藝大生からもよく聞かれます…。これに関してはかなり人によります。

たとえばわたしは、毎日授業を受けて、空いた時間には興味のあることや授業で気になったことを調べたり、大好きなドイツ語の勉強をしたり…もちろん遊びに行ったりもします。副科実技はピアノ、独唱、日本舞踊を履修中です。

忙しいことといえば、演習系の授業で発表をすることがあるので、そのために本を読んだり、資料を探したり、レジュメをつくったり…。徹夜することもしばしばです。

友だちの一日…? 知りません

というのも、あまりにもいろんな人がいるので、誰が何をしているのかわからないのです!

朝鮮半島の音楽や文化に興味津々な人、アイリッシュ音楽に没頭している人、フィンランドの民族楽器を頑張る人…大まかに何をしているのかは知っていても、専門分野以外にも幅広く興味を持つ人が多いので、友だちがどんな一日を過ごしているかまでは、なかなかわかりません。

もちろん仲が悪いというわけではなく、お互いが自分のことを頑張っているという信頼のもと、いい人間関係を築き上げていきます。

楽理科で楽しめるイベント

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楽理科に在籍していると、いろんなイベントを楽しむことができます。ここではその一部をご紹介します!

藝祭

学科関係なく盛り上がりますが、どういうわけか楽理科は「藝祭委員が必修と揶揄(やゆ)されるほど運営側に所属する人が多く、学生生活の多くを藝祭に捧げる人も少なくありません。

楽理合宿

主に学部 1 年生と修士 1 年生、そして先生方や卒業生が夏に数日間の旅にでます。合宿とは名ばかりで、本当に修学旅行のような楽しいひと時です。

楽理科研究演奏会

楽理科が主催する年に一度の盛大な演奏会です。出演者は主に楽理科の学生。ガムランやケルトなどのサークルも出演します。名物は「副科ブラス(吹奏楽)」「楽理オケ(オーケストラ)」。例年 12 月に開催されます。

卒業論文・修士論文・博士論文発表会

毎年 3 月におこなわれる論文発表会です。一般の方もご入場いただけますので、楽理科をもっと知りたい方はぜひお越しください!

楽理科の魅力

楽理科の最大の魅力は、本当に何でもできること。

藝大といえばクラシック音楽や日本の伝統的な音楽など、堅苦しいイメージがありますが、楽理科ではやろうと思えばなんでもできます。

ベートーヴェンが好きなのだ! という人だけではありません。バンド活動に明け暮れている人、お坊さんになりたい人、ミュージカルが大好きな人…本当にいろいろな人がいます。

楽理科には 6 人の専任教授のほか、さまざまな専門をお持ちの講師の先生方、いつもサポートしてくださる助手さんやティーチングアシスタントさんがたくさんいらっしゃるので、困ったことやわからないことがあれば相談に乗ってもらえますし、知りたいことがあればヒントをもらえます。

それに、まわりにはたくさんの音楽家や芸術家の卵たちがいますし、最前線で活躍されている先生方と接する機会も多いので、必然的に毎日ぜい沢な時間を過ごすことができます。

在学生でも一言では言い表せない楽理科ですが、ひっそりとがんばるわたしたちに少しでも興味をもっていただけたら嬉しいです。

そしてそして!

さきほど紹介した「楽理科研究演奏会」、本年度は 12 月 13 日(火)に開催します!

丸一日かけてさまざまな演奏をするので、楽理科のことをもっともっと知っていただけると思います。皆さまぜひお越しください♪


ABOUTこの記事をかいた人

岡 歩乃歌

静岡県下田市出身。上野学園高等学校音楽科卒業。現在、東京藝術大学音楽学部楽理科に籍を置きながら、ドイツ留学中。小林道夫氏との出会いをきっかけに、バッハをはじめドイツ語圏の文化・音楽・食べ物(&飲み物)に興味を持つ。今一番興味があるのは、トーマス教会少年合唱団。Leipziger Vocalenensemble所属。