【海外の音大生活】英国王立音楽院の場合


受験生・音大生のみなさまへ向けて、微力ながら海外の学校を紹介していくシリーズ。今回は英国王立音楽院をご紹介します!

学校概要

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英国王立音楽院(Royal Academy of Music)は 1822 年にできた歴史ある音楽学校です。なお、ロンドンには非常に似た名前の学校「英国王立音楽大学(Royal College of Music)」もあります。ふたつはまったく別の学校で、どちらもそれぞれにすばらしい音楽家を多数輩出しています。

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駅前にはホームズ像。※カンバーバッチではありません。

校舎はシャーロック・ホームズで有名なベーカー街にほど近く、ロンドンの中でもとりわけ車通りの多いメリルボン通りに面しています。道路を 1 本渡れば、観光客にも大人気の高級ショッピング通りがあり、歩くだけで楽しい気分になれます🎶

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夕方の光景。交通量の多い道路にそびえる校舎。

日本語でもロイヤルアカデミーと呼ばれることの多いこの学校が持つ音楽ホールが、デュークス・ホール。座席数は 400 と小規模ですが、ホールの内装は大変美しく、こちら で 3D バーチャルツアーが見られるのでぜひお試しください! また、NHKの「白熱教室」の会場となった David Josefowitz Recital Hall … 長いな、通称 DJホール や、現在工事中ですがオペラやミュージカルが上演できる シアター もあります。

ロイヤルアカデミーのいちにち

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アカデミー本館前にて

おはようございます! ということで、ここからはロイヤルアカデミーの一日を見ていきましょう!

授業

現在本館が一部工事中のため、ロンドン中心街の建物を間借りして開講している授業も少なくなく、地下鉄やバスで移動しつつ授業を受けます。そのうちのひとつに、繁華街ピカデリー・サーカスの近くで、観光地として人気の中華街の一角のビルもあり、行き帰りは点心のよい香りがします。笑

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中華街はこんな感じ。

今のところ、レッスンは通常、本館やその隣に立つ建物「ヨーク・ゲート」で行われ、学科や語学では違う校舎に行くことが多いです。

なお、留学生向けに英語クラスが開講されていて、授業外でも英語で困っていることがあれば助けてもらえるサポート体制があります。レポートなどは特に語学力が不安なので、ありがたい限りです。

お昼

イギリスはお昼の時間が 1 時と少し遅め。お昼になると本館地下の学食はごったがえします。なお学食は英語で「Canteen(カンティーン)」といいます。

日替わりメニューのランチプレート約 £5(約 700 円)を筆頭に、£2 前後で買える手作りサンドイッチは 10 種類以上あり、フルーツやヨーグルト、ちょっとしたケーキも販売されています。また紅茶の国だけあって、コーヒーマシーンの前はいつも人だかりです。

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イギリス人は盛り方が残念なのが惜しいのですが、こちらのラザニア、味は普通においしいです。

イギリス人はティーやコーヒーを持って現れることが多く、授業でも、先生・生徒、その立場に関係なくホットビバレッジを持ち込みます。日本人がペットボトルのお茶を持ち歩く代わりに、イギリス人はスターバックスのような蓋つき紙カップを持っているとイメージしてもらえると近いです。

レッスンなど

実技レッスンは、学部生は 60 分、院生は 90 分で週 1 回あります。イギリスでは政府の公式な「大学を監査する機関」があり、授業の品質を常に厳しくチェックされるのですが、音楽大学の場合はそのレッスン回数も品質のうち。

「先生来週ちょっと忙しいからレッスンはゴメンね」なんてことは絶対に無く「先生来週ちょっと忙しいから再来週 2 回会おうね」がイギリス流です。

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デュークス・ホールにて、オケのリハーサル。

オーケストラは授業時間外におこない、本番の前に 4・5 日ほど練習して臨みます。また新学期にはオーケストラ・オーディションがあり、オケの入団試験の良い練習です。

室内楽は自分たちで好きな先生にレッスンを申し込みます。学部生は試験もありますが、院生はありませんので、自由な分、自分たちでしっかり取り組んでいく必要があります。

放課後

学校で練習していく人もいれば、室内楽の合わせをする人も。この点はどこの音大も一緒と思われます。

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学校のすぐ裏には、リージェンツ・パークという広い公園があり、バラが有名です。お昼にサンドイッチを持っていって芝生で食べる人もいれば、放課後にお散歩してみたり、はたまた走ってみたり。公園の、学校と反対の側にはロンドン動物園があります。

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公園内ではこんな距離で鳥に会えます。

またイギリスの特徴的な点は、パブ文化でしょうか。なんとロイヤルアカデミーは学食の奥にバーがあり、夜になると営業開始。学生はもちろん、アカデミーの演奏会を聴きにいらっしゃるお客さんも、演奏会の休憩時に利用します。飲ミュニケーションがとても盛んです!

おつかれさまでした!

以上、ロイヤルアカデミーの一日をお送りしました。少しでも雰囲気が伝わったでしょうか…?

ロンドンは博物館・美術館が多く、文化的にも刺激的な街です。またとても国際色豊かな都市で、ロイヤルアカデミーの場合も学生の半分ほどが留学生、アジア人もすっとなじみやすいです。

今後、このシリーズではフランスやドイツなどの学校もご紹介予定ですので、どうぞお楽しみに!


ABOUTこの記事をかいた人

原田 真帆

栃木県出身。3歳からヴァイオリンを始める。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校・同大学器楽科卒業、同声会賞を受賞。英国王立音楽院修士課程1年在学中。第12回大阪国際音楽コンクール弦楽器部門Age-H第1位。第10回現代音楽演奏コンクール“競楽X”審査委員特別奨励賞。佐々木美子、山﨑貴子、澤和樹、ジェラール・プーレ、小林美恵、ジャック・リーベックの各氏に師事。弦楽器情報サイト「アッコルド」、日本現代音楽協会HPにてコラムを連載。