実体験から語る。社会人が大学院受験をするときに心得ておきたい3つのこと


みなさま、こんにちは! 大変ご無沙汰してしまいました…じゅあんです。うっかりしていたら、すっかり寒い季節になってしまいましたね。

コスムジカライター最年長の私ですが、実は今年の 3 月まで仕事と並行しながら大学院生をしていました。最近は私のように仕事を持ちながら大学院に進学する人が多くなってきたようです。そこで今回は、社会人が大学院受験をすることについて、せん越ながら私の実体験を振り返りつつ、ご紹介させていただきたいと思います!

きっかけとタイミング

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社会人で大学院を目指す理由としては「大学生のときから、いずれは進学したいと思っていた」「キャリア・アップを図りたい」「研究したいテーマができてしまった」など、その人によって様々な理由があると考えられます。

音楽の分野で大学院に進学するには、おおよそで区分すると、演奏や作曲、音楽学、教育の視点から研究を進めることが一般的です。音楽の世界に限りませんが、仕事を持ってからの進学では、やはり「大学院で研究したことを修了後、どれだけ自分の仕事に反映させることができるか?」を念頭に置いた方がより充実したものになると思います。全くフィールドが違うものだと、仕事との両立が難しくなりますし、何よりもこれまで培ってきた経験は必ず研究に生きるからです。

挫折を研究テーマへ

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私の場合、大学生の頃は全く大学院進学を考えておらず、卒業後はピアノのレッスンをしたり声楽の伴奏をしながら私立校の教員をしていました。個人的な話になりますが、私はオペラが大好きで高校生のときから伴奏を続けてきました。しかし授業の中でオペラを取り上げたとき、生徒たちがなかなか関心を示してくれず、自分なりに工夫して魅力を伝えようとしてもうまくいかないということが続きました。

その後何年経っても自信を持って授業することができない自分に愕然としてしまい、結局退職を決意。しかしその 3 年後、「戻ってきませんか?」と連絡をいただき、もう一度教壇に復帰する機会を得ることができたのです。

それまで音楽科教育から逃げてきた私ですが、この復帰したチャンスを生かして徹底的に音楽科教育と向き合ってみようと思いました。これが私の大学院進学を目指したきっかけです。そして壁となっていた「オペラの鑑賞教育」を修士論文の研究テーマに決めました。

大人の受験だから心得ておきたい3つのこと

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1 :仕事を続けながら通学ができるか

私は非常勤講師ですので比較的時間はあるほうですが、もちろん勤務時間帯には大学院の授業に出席できません。大学院は修士課程の場合、通常30単位の取得が定められています。私が進学した東京学芸大学大学院では 18:00 以降の 6 限と 7 限に必修科目が設置されているため、仕事と並行しながらでも単位が取りやすかったことも進学の決め手のひとつでした。

2 :費用の工面はできているか

進学できることが決まれば、奨学金や教育ローンを利用することも可能ですが、受験生の間はどこからも援助を得ることができません。かかる費用は、入学検定料の他に、私は小論文と英語を指導してくださる先生とピアノの先生のお二人に師事していましたので、そのレッスン費です。その他、研究テーマに関連する書籍などを購入する必要が出てくる場合もあります。別に欲しいものができてしまっても、その期間は極力我慢しながら(笑)受験に備えました。

3 :時間を有効に使えているか

受験期間であっても「仕事の準備が終わってから、受験勉強に時間を使う」という優先順位は崩さないようにしました。また、電車の中で英単語帳を開いたりはせずに、通勤時間中は完全な休息時間にして、帰宅してからの集中力を保つことの方に重点を置きました。

ポイントは「柔軟さ」と「勉強法」

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長い間仕事をしていると「判断・決断する力」が求められることが多いと思います。特に教師という仕事は確固たる態度をとることが多く求めらる職業です。そのため、多様な意見を受け入れる柔軟な視点が持ちづらくなっているということがあると思います。

「柔軟でいなくては」と意識していたつもりでも、受験に備えていざ小論文を書いてみたら、視点が主観に偏りすぎていると指摘されたこともしばしば。これは入学後も同じです。同級生をはじめ、若い先輩や後輩の意見も、自分の中で噛み砕き、常に新しい視点を持つように心がけないと、研究も偏ったものになってしまうので要注意です。

また、社会人受験生では、勉強方法を忘れてしまったという方も案外多いようです。そのため、仕事と並行しながら取り組める自分にあった勉強法を見つけることは重要なポイントです。特に私は音楽科の高校からエスカレーター式に音大に進学したため、英語は大学受験レベルまでも達していなかったのです(これは学校のせいではなく私個人の問題かもしれませんが…笑)。

参考書の選択、ノートの使い方など、取り組みやすい方法をみつけるのは至難の技でした。先生のご指導も毎週のようには受けられないので過去問のみを見ていただくために、自分では英語構文を覚えながら文法を勉強していました。

進学してみた結果

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柔軟な思考や語学力などの面を考えると、できるだけ現役から離れていない時期に受験するほうが効率的かもしれません。私も「もっと前に受験していたら…」と何度も思いました。しかし現場を見ていたからこそ持っていた視点もあったので、やはりその人にとっての受験すべきタイミングというものがあるのだと思います。私の場合でいえば、職場復帰していなければ進学を考えもしなかった、というように…。また、仕事を続けながらでも刺激しあえる仲間と出会えたことで充実した大学院生活が送れたことも貴重な経験となりました!

私は教育学での受験でしたので、演奏での受験ではまた違った側面もあるかと思います。しかし、一度は社会人になったものの、やはり進学したい! と考えている方のご参考にしていただけたら嬉しい限りです。それではまた!!


ABOUTこの記事をかいた人

国立音楽大学附属高校音楽科を経て国立音楽大学卒業。その後、ピアノ・ソルフェージュの指導をしながら都内私立高校音楽科講師。(株)厚木楽器にて音楽芸術コース・ソルフェージュ科講師。2016年3月東京学芸大学大学院教育学研究科音楽教育専攻修了。