苦手克服! 聴音の練習ノウハウ【ソルフェージュ勉強法】

こんにちは、音楽教育担当のじゅあんです!

以前ソルフェージュの記事として、導入から受験対策まで。おすすめソルフェージュ教材【視唱編】を書きましたが、今日は「聴音」に焦点を当てようと思います。

ソルフェージュの最終的な目的は「演奏に生かすこと」です。本来であれば3~5歳から歌うことやリズム打ち、音当てなどをし、視唱や聴音へと発展させていくことが理想ですが、音高や音大を目指すことを決めてからソルフェージュ教育を受ける方も多いものです(私もですが…)。

実際、専攻分野に自信があっても、聴音をやってみると案外「苦手だな…」というケースもあるので、そのような方のために、練習ノウハウをご紹介していきたいと思います!

■聴音を取る前に

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初めて聴音のレッスンを受けたとき、「鉛筆を使うこと」「演奏中は消しゴムを使わない」と先生からご指導された方も多いのではないでしょうか。

それはぜひ実践してください。なぜなら、音楽は時間とともに流れてしまうので、演奏中はとにかく書きとることを優先するためです。

では早速、聴音の練習法を見ていきましょう。

聴音練習法

1:音程をとる

まず、音程が聞きとれない…。そんな方は、視唱の練習に立ち返ることが有効です。視唱の際、こんなことは起きていませんか?

  1. 初めの音をもらっても同じ音が取れない。
  2. 順次進行でなくなった途端、音程がとれなくなってしまう。
  3. 休符の後に、音程がとれなくなってしまう。

こちらの1~3は実際、自分では認識できない場合もあるので、自分の音(声)を意識的に聴くようにしましょう。レッスンのとき先生に指摘された場合は、その箇所を自分でチェックしておき、苦手な音程を集中的に歌えるようにしておくといいと思います。

また、自分でピアノを使い、「ドレ」「ドミ」「ドファ」など、何度離れるとどのような響きになるのかを歌いながら確認して相対音感を鍛えたり、専攻楽器で勉強中の楽譜をドレミファで歌うのも良い訓練になります。その上で、まずは臨時記号の出てこない単純な旋律聴音から練習し、徐々に難しいものに挑戦していきましょう。

2:テンポをとる

聴音は、最初の演奏でまずは1拍目の音を、余裕があれば1拍目と3拍目(8分の6拍子なら4拍目)を書き取り、その後の演奏で間を埋めていくというのがセオリーです。

よって、テンポを正確に保って聞いていないと、一拍目がどこだかわからなくなり最初の段階でつまずくことになりかねません。

特に注意が必要なのは、小節の頭に休符が入ったり、後半で急にリズムが複雑になる場合。慣れないうちは、手や足などでテンポを取りながら聞くようにしましょう。

3:リズムをとる

テンポがとれているという前提の上で、リズムを書きとるのに手間取る場合。そんなときは、以下のように音価のパターンを全て書き出してみましょう。

こちらの図は、四分音符を一拍として数えたとき(つまり4/4拍子や3/4拍子など)、一拍分と二拍分のパターンを一部書き出したものです。

 

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(図は一部)

同様に八分音符を一拍とするもの(つまり6/8拍子など)も、リズムの組み合わせを書き出してみましょう。その後、書き出した楽譜を見ながら実際にリズムを打ってみます。

拍ごとのリズムパターンを体で覚えたあとは、シンコペーションやタイにも対応できるよう練習を深めていきます。以前取り組んだ課題や新曲の教材から曲を選び、楽譜を見て「1, 2, 3, 4」と拍を声に出しながら、手拍子で実際のリズムを叩きます。そうすると、どこが何拍目がどこなのかはっきりと意識することができます。

こちらの楽譜をご覧ください。

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小節をまたいでタイでつながれている箇所はリズムをとる上で混乱しがちですが、拍を声に出して数えることで、2小節目の頭は(♪♩♪)のリズムだと認識することができます。こちらは慣れるまで繰り返し練習しましょう。

4:その他

聴音は、記譜する際に、一小節を拍子の数に等分割して書くことが理想です。一拍目、三拍目をとるときに、よほど寄せて書いてしまわない限り変なことにはならないと思いますが、付点や八分音符を記譜する際は音価をしっかり意識していきましょう。

また、聴音自体は問題がないけれど、記譜に手間取っているだけという場合は、取り組んだ課題を全調へ移調するなどすると書くスピードが上がりますし、その際に音を想像しながら書いていけば調性感も強化できます。

二声聴音

こちらはポリフォニー的な二声課題の場合を例に挙げます。

旋律聴音ができれば基本的には取れますが、両声部のリズムの縦の線がそろうように書きましょう。常に、一小節を一拍ずつ等分することを意識していれば、おおよそそろえて書くことができます。

また、転調なども含め音楽の全体の流れがわかるので、こだわりがない場合は先に低音部をとるのがおすすめです。

低音部が聴き取りづらく感じる方は、両声部が混ざらないよう、音域の離れた課題から始めると良いでしょう。

四声体和声

こちらは密集配置と開離配置があります。どちらも共通して言えるのは低声部の「バス」から取ることです。これは二声の部分でも書きましたが、音楽・和声の流れは低声部が握っているからです。

そして開離ではソプラノ、アルト、テノールという順でとっていきます。

密集の場合は上三声を一緒に捉えられる方が望ましいですが、中には密集も開離も一声部ずつ取っていくという方もいます。またどうしても全部聴きとることが難しい、という場合には「導音は主音に解決する」「第7音は2度下降する」「Ⅵのときは第3音を重ねる場合が多い」などいくつか和声の仕組みを知っておくと手助けになります。

しかしあくまでも和声感を持って聞きとれることが理想なので、和音を弾きながらその音を歌って「響き」を感じとれるようにしましょう。

聴音を鍛えるには…

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先ほどから「音がとれないときは歌いましょう」と何度も書いていますが、これは本当に有効なのでぜひ取り組んでください。

また、聴音はほとんどピアノで弾かれるので、ピアノ曲のCDを聞きながら楽譜を目で追い、音楽と楽譜の一致させていくのも良いですね。さらに発展させて、弦楽四重奏など違った楽器の聴音にもチャレンジしていけば、さらにソルフェージュ力がアップし、アンサンブルの際などにも生かされると思います。

冒頭でも述べましたが、本来ソルフェージュの目的は「演奏に生かす」こと。ソルフェージュを日頃の練習と切り離して考えず、総合的に音楽力を伸ばしていきましょう!

ABOUTこの記事をかいた人

国立音楽大学附属高校音楽科を経て国立音楽大学卒業。その後、ピアノ・ソルフェージュの指導をしながら都内私立高校音楽科講師。(株)厚木楽器にて音楽芸術コース・ソルフェージュ科講師。2016年3月東京学芸大学大学院教育学研究科音楽教育専攻修了。