高校で音楽を履修してよかったと思う人の割合は? 本音丸見えアンケート結果

こんにちは。コスムジカの自称音楽教育系担当、じゅあんです!

突然ですが、皆さんは高校時代の音楽の授業ってどのような感じだったか覚えていらっしゃいますか?

実は私が卒業後初めて勤務したところは一年契約でしたので、現在勤務している学校は二校目となります。両校とも女子校ですが、授業の在り方は全く違うものでした。

そこで「他の高校の音楽授業についても知りたい!」となり急きょ、音楽の授業についてのアンケートを実施しました。音楽科以外の高校卒業の方という条件の元にご協力いただいたのは 35 名の方々。お忙しい中、本当にありがとうございました!!

ご回答いただいた方は以下の方々です。

性別

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出身高校

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回答者のうち女性が80%、共学公立高校が45.7%でした。

公立高校では1年次に芸術科(音楽、美術、書道、工芸)から一科目を選択することになっていますが、私の勤務した二校は履修方法も違うのでこちらもリサーチ!

音楽科授業の履修はどのような形態でしたか?

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やはり「芸術科からの選択」が一番多かったのですが、予想を超えて「高校3年間必修」という方が20%も! 中には「高2まで音楽が必修で高3で芸術科から選択」とのご回答もありました。

音楽の授業のポイント「楽しい」か「楽しくない」か

音楽の授業ではまず、「楽しい」か「楽しくない」か? ここは教師側も配慮している重要なポイントです。どんな教科でも興味関心が湧かなければ授業は面白くない! ということで、こちらは記述式でご回答いただきました。

「楽しい!」と感じたのはどんな時ですか?

歌っているとき 10
合唱・合奏で、音が重なり合ったとき 6
楽しく思ったことはない 4

(1票のみは省略)

第1位は「歌っているとき」でした! 次点6票の「音が重なり合ったとき」。この「音の重なり」が味わえる瞬間があるからこそ、人間は音楽をやめることができないのではないでしょうか―――っ!!! って個人的意見なのに少々熱くなってしまいました(^_^;)

この6票の中には「合唱コンクール」という4票も含めました。実は最近知ったのですが、合唱コンクールを学校教育の中でおこなっているのは、日本だけなんだそうですよ!!

4名の「楽しく思ったことはない」…。か、悲しいですが現実を受け止めます(>_<) 少しでも「楽しい」と感じてもらえるような授業を目指します!

次いで「創作」3票、「鑑賞」2票という結果でした。中には「自画像を描く」といったご回答も! 詳細を伺ってみたい、とても興味深いご回答が頂けました。

「楽しくない」と感じたのはどんな時ですか?

特に感じたことはない 9
音楽史や楽典などの音楽知識の学習 6
鑑賞 5

(1票のみは省略)

なんと1位が「楽しくないと感じたことはない」というご回答。これはご回答くださった方の先生方にぜひともお伝えしたい! 私なら知りたい(笑)

しかし、6票の「音楽史と楽典」…実は私、音楽史や楽典の授業をしているのがとても楽しいのです…。退屈と思われないように気をつけなくては!

続いて、私が個人的に気になったご意見です。

教師の「生徒指導能力」が不足しているために授業が滞るとき。公立の共学高校では、お嬢さん先生じゃ太刀打ちできないと子どもながらに感じた。

うっ、痛い!! 胸に突き刺さるご意見です…。私はクラス授業を担当してから何度授業を滞らせたことか!! 確かに「滞る」というのは対応力が不足しているときです。授業をどう組み立てよう? と迷ったり、質問にうまく答えられない…など。私もはじめの頃は授業で予想外のことが起きると大パニックでした!

よくわからんオペラのDVDを鑑賞して感想文を書くとき

こちらもグッサリと突き刺さるご意見! というのも私はオペラの鑑賞を授業で多く取り上げるので、本当に刺さります。オペラってはじめは楽しみづらいですよね…。コスムジカでもオペラの楽しみ方を紹介をしてくださっているのでぜひご覧くださいね! オペラって本当に面白いんですよ、実は。

▶︎「日本を舞台にしたオペラ『蝶々夫人』から学ぶ、国柄を生かした音楽の楽しみ方」
▶︎「藤原歌劇団研究生 高橋香緒里が案内する”オペラの楽しみ方”」

「心に残っている曲」教えてください!

こちらは、ご回答任意で自由記述としましたが 27 名の方が書いてくださいました。3 票を獲得した曲が3 曲も。それは…

「ノートルダムの鐘」オープニング曲

映画やミュージカルなどの曲は高校生に大人気ですね。私もこうした劇音楽の曲が教科書に入っているとよく取り上げますが、人気が高いです!

モーツァルト:戴冠ミサ曲より「クレド」

難曲ではありますが、確かにこの曲を歌ったということだけでも貴重な財産となるのではないでしょうか!?この曲が3名もいらしたとは!!

Caro mio ben(ジョルダーニ)

この曲は長い間、音楽 Ⅰ の教科書に掲載されていますね! この曲について次のようなことも!

(前略)声楽科の教育実習生が歌ってくれて感動しました。

声楽科の方、必見です! 私は声楽を副科でしか習ったことないのですが、CDを流すと面倒くさいので、長くなってしまうので自分で歌います。こんな私でさえ奇跡的に「おぉ~!」となるときがときどきあります(ピアノでその歓声は一切ない…)。

こうした経験から、先生が演奏を通して生徒の心をガッチリつかむには、ピアノ以外の楽器、もしくは歌うことは効果的だと思います。

授業を受けてみて…

さて最後に、高校で音楽の授業を履修することについてみなさんがどう思っているか聞いてみたいと思います。

こちらは、高校で音楽を履修した結果、どの感想を一番色濃く抱きましたか? というアンケート結果。

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「履修してよかった」という方が 68.4 %もいらっしゃいました!! 選択でも必修でも、結果的に音楽を履修したひとりでも多く方からこのように思って頂けたら教師側としては嬉しい限りです。

その他のパーセンテージは以下のようになっています。

必修だから仕方なかった…20%(7票)
将来の役に立った…5.7%(2票)
履修しなければよかった…2.9%(1票)
受験の妨げになった…2.9%(1票)

皆さんはこの結果や記事をご覧になってどのように思われたでしょうか? 「懐かしいな~」と思っていただけた方もいらしたはず! また、「先生はこう思ってたのか!」ということも知っていただけたらと思いながら、今回のアンケートをまとめてみました。

現在「学校教育の中に音楽科が必要か否か」と問われている課題もありますが、このように皆さんが楽しみ、卒業後も懐かしんでくれるような教科であり続けてくれるなら、音楽をやっている者としても嬉しい限りです!

それではまた!

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国立音楽大学附属高校音楽科を経て国立音楽大学卒業。その後、ピアノ・ソルフェージュの指導をしながら都内私立高校音楽科講師。(株)厚木楽器にて音楽芸術コース・ソルフェージュ科講師。2016年3月東京学芸大学大学院教育学研究科音楽教育専攻修了。