進め! ヴァイオリンおけいこ道 第7回「ジュニアオーケストラって?」


こんにちは! ヴァイオリン弾き卑弥呼こと、原田真帆です。

今週のおけいこ道は「ジュニアオーケストラ」について、扱いたいと思います。

ジュニアオーケストラとは

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ジュニアオーケストラとは読んで字の如く、子どもたちによって構成されるオーケストラのこと。

実は日本国内にいくつもの団体があります。お子さんを入れる際は学校との兼ね合いが命なので、オケのホームグラウンドが通える範囲内かどうかが重要になってきます。これから入団してみたい、という方は地域の団体を探してみると良いと思います。

ジュニオケは入るべき?

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ジュニアオーケストラ、通称ジュニオケに参加することで、子どものうちから交響曲を弾いたり、アンサンブルを学べる———

ということは、音高・音大をめざす「おけいこ道」は、必ずジュニオケを通るべきなの? どうなの?

現在そんな疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

これに関しては、実は「入っても入らなくても正解」だと思います。

割合の話をすれば、わたしが藝高(東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校)に入った時、ヴァイオリンは学年に12人、うちジュニオケ経験者は3人です。大学になると、学年24人のうち6人くらい。ちなみにわたしは未経験者側でした。

ですから、ジュニオケに入れないと音楽高校に入らない、わけではありません。家の近くにジュニオケがないから入れないという方も安心してください。

しかしジュニオケ出身の子はその分オーケストラ曲のレパートリーもあるし、著名な指揮者の先生との共演の話を聞くとうらやましく思ったものでした。

先生に相談だ!

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ジュニオケに入ることで得られるのは、さまざまな音楽経験と人脈です。

感性が柔軟なうちから交響曲に触れることは将来にとても役立ちますし、たくさんの楽器=パートが折り重なって音楽ができてあることを体感できるのは強いです。

また弦楽器はもちろん、管楽器や打楽器の仲間ができて、見ているとジュニオケ時代の友情は卒業後も続いているケースが少なくありません。

音楽学校に進学すると、どうしても世界が狭まります。ジュニオケ出身でも必ずしも音楽を続ける人ばかりではないため、結果的に他分野の友人ができるわけで、これは実はとても貴重なこと。ジュニオケはそんな人間関係のチャンスを作れる場のひとつでもあります。

前述の通り、わたくし自身は、ジュニオケとはまったくご縁がないまま藝高に入学しました。

入団を検討したことはありました。わたしの地域にもジュニオケがあり、わたしがまだ小学校低学年のときに一度母が興味を持って当時の先生にお考えを訊いてみたのです。

すると当時の先生は反対。幼いうち、まだ奏法や技術が充分に定着していない状態で、さまざまな曲に取り組むことの影響を、先生は懸念されていました。

当時は驚きも感じましたが、今となってはそれも一理あると思います。交響曲は曲も長ければ、技術的にも弾くのが難しいものです。まだ低学年だとハイポジションすらおぼつかない年齢ですから、きっとその先生は習得した技術に合わせて曲に取り組んでほしかったのだと思います。

こういう場合もあるので、「ジュニアオーケストラ」に興味を持たれたら、必ずまず師事している先生のご意見を伺ってみてください。先生があまりジュニオケを好まれない場合は、勝手に入るのはご法度です。

実際に聴いてみた

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先日とあるジュニアオーケストラの演奏会に行ってきました。ジュニオケの中でも、高名な先生がご指導に当たっているところなど、有名な団体がいくつかあります。

この度聴いたのはそんな団体のひとつ。そのオケの卒業生の中には藝大に進む子も多く、わたしの同級生にもやはり出身者がいます。わたしがジュニアオーケストラの演奏を聴くのは、このときが初めてでした。

結論から言うととても上手でした。その演奏会のためにさぞ練習したことと思いますが、やはり子どもたちが一生懸命弾いている姿は、見ていてほほ笑ましさや、すがすがしさがあります。

もちろん子どもらしく、演奏でちょっと未熟なところはあります。しかし彼ら彼女らなりに真剣に学んだであろう音楽は、とても誠実なものでした。未経験者としては、オーケストラの中での身のこなし・ステージマナーを子どもの頃から知っているのはいいなぁ、と思った次第です。

わたし自身のことを言えば、そういうわけで初めてオーケストラで弾いたのは高校の時ですが、弦楽器のみでの合奏=弦楽合奏は門下の合宿でやっていたり、アンサンブルを勉強する機会は子どもの頃からありました。

ジュニオケに入る・入らない、という視点で捉えるよりは、アンサンブルの勉強ができる環境があるかどうかという方向で考えた方が、音楽の勉強の本質に沿っているかもしれません。

わたしの場合、何より母が管弦楽曲好き、いわゆる元クラオタ(クラシックオタク)なので、昔から家や車で常に交響曲を聴いていたのは、わたしの中で一種の強みです。

極端なことを言えば有名どころの曲名を挙げられる・歌えることが、一番役立つ気がします。ぜひ子どものうちから、自分が弾く曲に限らず、様々なジャンルの音楽を聴いてみてください😊🎶


ABOUTこの記事をかいた人

原田 真帆

栃木県出身。3歳からヴァイオリンを始める。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校・同大学器楽科卒業、同声会賞を受賞。英国王立音楽院修士課程2年在学中。第12回大阪国際音楽コンクール弦楽器部門Age-H第1位。第10回現代音楽演奏コンクール“競楽X”審査委員特別奨励賞。佐々木美子、山﨑貴子、澤和樹、ジェラール・プーレ、小林美恵、ジャック・リーベックの各氏に師事。弦楽器情報サイト「アッコルド」、日本現代音楽協会HPにてコラムを連載。