演奏家を志したきっかけから挫折まで。ソプラノ歌手 遠藤采に聞く、声楽家への道のり


こんにちは!コスムジカ編集長のノリコ・ニョキニョキです。

毎日妥協を許さず練習に励む演奏家の方々。
はたから見ていると、そのストイックな姿には本当に驚かされますよね。

クラシック畑の外で育った私が常日頃疑問に思うのでが、「演奏家のみなさんは何をきっかけにその道を志したのか?」ということです。

今回は、そういった話題を中心に、東京芸術大学音楽学部声楽科を卒業しソプラノ歌手として活動している遠藤 采(えんどう・さい)さんに伺ったお話をまとめました。


遠藤 采

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東京都立芸術高等学校卒業。東京芸術大学音楽学部ソプラノ専攻卒業。Game Symphony Japan東京でマリア役(FF6)として東京室内管弦楽団と共演。俳優やタレント等の音楽指導を行う。映画「少女」ではレコーディングに参加している。趣味はテレビゲーム。愛猫家。


◆声楽家を志したきっかけは?

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家族が音楽一家 (父フルート、母ピアノ、姉フルート、兄ジャズベーシスト)で、物心ついた時からピアノを弾いていました。

当時、母も父も忙しく、コミュニケーションをとる方法はご飯時か、レッスンをしてもらう時間だけだったようにも思います。遊びたくて仕方のない私はなんとかしてピアノを弾かないで済む方法を探しだし、トイレに引きこもったり、ふざけたり、昼寝したり、なんてしていました。

小学校高学年になりやっとピアノをやめられました。しかし、いざ高校受験を意識し出す時期になると、何故か音楽に関わる高校にいきたいと思うようになります。今でもどうしてそう思ったのか不思議なのですが…(笑)。

そこで、東京都立芸術高校の夏期講習をピアノ科で受講しました。しかし約5年間ほとんどピアノを弾いていなかったため、自分のレベルは酷いもので…。
レッスン室から聴こえてくる難曲の数々に自信をなくし、ピアノをちゃんと練習しておくんだったなぁと後悔し諦めかけていたとき、偶然その時期に観に行ったオペラに惹かれ、あ、なんか楽しそうだな!なんて軽い思いで始めました。

◆声楽を習うにはどうしたらいいのか

母が合唱の伴奏をよくしていたこともあり、母の知り合いの芸大の先生に教えていただくことから始まりました。
高校受験で必要な、コーリューブンゲン、コンコーネ、イタリア歌曲集1巻を練習しレッスンに持っていきます。イタリア語は聞いたことも見たこともなかったので、最初は楽譜にルビを振り歌いました。

何よりびっくりしたのは、ドレミ~の音階の“シ”が、イタリア語で発音すると、“スィ”になること。コーリューブンゲンや、初見視唱は音名で歌わなければならないのですが全然慣れずよく注意されていました。

コーリューブンゲン、コンコーネ、イタリア歌曲集の3つは高校に入った後もしばらく歌いましたし、大学受験にも使いました。今では発声を見直す練習にとても役立っています。

◆高校の音楽科の様子

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高校に入って、音楽家を目指す人達と3年間同じクラスで過ごすことになります。

ほとんどの人が東京藝術大学、桐朋音楽大学を目指して頑張っていました。軽い気持ちで入学した私はその環境にあっけにとられ、最初はついていくことができませんでした。何故普通科の高校に行かなかったんだと何度も後悔し、クラシック音楽を嫌いにすらなりました。

しかしクラスメイトの皆が一生懸命頑張っている姿、輝いてる姿を見て感銘を受け、徐々に私もこうなりたいと思うようになり、気づけば芸大を目指していました。

音楽高校のいいところは、皆と悩みを共有することができるとこと、同じ目標を持てることだと思います。
歌を続けていると辛いことの方が多いですが、本番で思い切り歌うこと、沢山の拍手を貰うことが何よりも幸せです。そしてドレスや衣装を着るのが楽しくて、本番はいつもワクワクしています!!

◆ソプラノやアルトという専門はいつ決まる?

自分がどの声種かは、先生に聞いてもらってから決めます。年齢と共に声種が変わる人もいます。

 

◆大学を卒業してからの活動ビジョン

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クラシック音楽の世界は本当に狭いので、自ら世界を広げていかなければなりません。クラシックの世界の中だけで生きていくなら話は別ですが、クラシック音楽を世に広めていきたいと思っている身としては、クラシック外の世界も知らなくてはなと日々思っています。

そのためクラシック音楽に限らず、ジャズや、ポップスなど色々なジャンルの音楽をよく聴き、演奏するなどして、それぞれの魅力について考えることが大事なのではないかと思います。特にわたしはゲーム音楽が好きで(ゲーム音楽の影響で音楽の道に進んだといっても過言ではないかもしれません…)よく聴いています。


 

実は遠藤さんとは本番でご一緒したことがあるのですが、本番前も「楽しみ」、本番後も「楽しかった!!」と言っていたのがとても印象的でした。

今後はクラシックだけでなくジャンルを超えて幅広く挑戦したいという遠藤さん。次はどんな本番でご一緒できるのか、とても楽しみです😊

 

ノリコ・ニョキニョキ


ABOUTこの記事をかいた人

ノリコ・ニョキニョキ

COSMUSICA編集長。1989年イギリス生まれ。東邦大学医学部医学科中途退学、東京芸術大学音楽学部音楽環境創造科卒。週末を楽しみに日々ライティング業に勤しむ普通のOL。2016年6月20日にCOSMUSICA立ち上げ。ハープ修行中。